クロッキーF美術館コレクション vol.2008 dec 22

16 pictures
A3 (420 x 297, thin paper)

画 材: 鉛筆、A3上質紙
時 間: 指定時間固定
モデル: ヴァリー

note
 初めの2枚はアルファベットの記号のようなもののポーズだった。それから、手を伸ばせばふれるほどの距離で描いた。遠近感がドウのコウの、という問題ではなかった。視力1.0(メガネ使用)の私は、小さな画面に表現し切れない膨大な量の情報が飛び込んで来ることに、驚きを禁じ得なかった。いつもは、網膜に映る以上の情報を獲得するために大変な努力を払っているからである。「視力が良い画家はこんな風景を見ている」と思うと、羨ましく感じるが、私はもう1歩進んだ実験を試みれば良い。

 さて、モデルは文字どおり実物大になったが、画面サイズはA3のままなので、縮尺しなければいけない。数学的に計算して全身入れるなら、1/7〜1/5になる。しかし、実際に描いている時の私は、縮尺しているという意識を感じなかった。小さな紙に描いたことの収穫は、美術に縮小・拡大の概念は関係ない、という事実の確認だった。物体やモデルを拡大・縮小しても、感動は拡大したり縮小したりするものでなない。あるとすれば、それは物理的、物質的効果に過ぎない。安直で暴力的な効果のように思う。素晴らしい作品は、どんなに小さくても大きなエネルギーを放っているものである。

 それから、最後の4枚は1〜2分間で素早く描いたものであり、ここに掲載しなかったものもある。

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