クロッキーF美術館コレクション vol.2009 July 19-2

29 pictures
A3 (420 x 297, thin paper)


咲生(1分:1/9)


咲生(1分:2/9)


咲生(1分:3/9)


咲生(1分:4/9)


瞳子(1分:1/9)


瞳子(1分:2/9)


瞳子(1分:3/9)


瞳子(1分:4/9)


咲生(5分:5/9)

咲生(5分:6/9)

瞳子(5分:5/9)

瞳子(5分:6/9)

HIRO(1分:2/10)

HIRO(1分:3/10)

HIRO(1分:4/10)

HIRO(1分:5/10)

HIRO(1分:6/10)

HIRO(1分:7/10)

HIRO(5分:8/10)

HIRO(5分:9/10)

HIRO(5分:10/10)

咲生(10分:7/9)

咲生(10分:8/9)

咲生(10分:9/9)

瞳子(10分:7/9)

瞳子(10分:8/9)

瞳子(10分:9/9)

咲生、瞳子、HIRO(10分)

咲生、瞳子、HIRO(10分)

画 材: 鉛筆、A3上質紙
時 間: 1分、5分、10分固定
モデル: 咲生(女性)、瞳子(女性)、HIRO(男性)

note
 渡邊一雅先生が主宰された『ナゴヤROJUEクロッキー会』に参加させて頂いた。稜線、量、輪郭線(←→外郭線)、ボリューム、基本となる鉛筆の持ち方の大切さ、スパイラル、作品と考えないこと、デフォルメしようとしないこと、1本描けば1本は勉強できること、趣味なら何でも良いことなど非常にたくさんのことを教えて頂いた。そして、京都から一緒にいらっしゃったモデルの咲生さん、HIRO氏は、いずれも素晴らしい表現力で描き手に迫った。モデルの力量は、クロッキー会そのものの魅力に直結していることをよく確認できた、本当に素晴らしいナゴヤROJUEクロッキー会だった。

 モデル咲生は、とても美しく私を魅了した。均整がとれた身体だけでなく、はつらつとした精神が宿っていることを直感できるモデルだった。ただし、私自身は苦労した。なぜなら、膝に画板をおく不安定な姿勢だっただけでなく、ポーズに合わせて鉛筆を選ぶ自由が奪われていたからである。私は短い1分ポーズの中で、下敷(紙)の枚数を調節したり鉛筆の状態をチェックしたりして、モデルに集中できる環境が整えようとした。しかし、さらなる困難が待ち受けていた。それはモデルの顔が美しいことである。私は端正な表情に心血を注いでしまい、時間を失った。とくに作品7/9はボリューム感も意識し過ぎて、真っ黒になった。とにかく、また何度か描きたいモデルの1人であることは間違いない。

 モデルHIROは、輝くように鍛えられた肉体の持ち主だが、それ以上に全身から、指先から、全神経からほとばしるエネルギーに感動した。1ポーズ目は驚きのあまり描くことが出来なかった。今回のクロッキー会で唯一描き逃したのがHIROの第1ポーズ(1/10)である。第2ポーズは私への御挨拶だろうか、正面切ってのスマイルを頂いた。そのお陰で、私はいつものペースに持ち込むことができ、それ以降、HIROのエネルギーを少しずつ表現できるようになった。5分ポーズもで正面から描くチャンスを与えられ、私はそれを画面に定着させるために自分をコントロールした。初めは筆圧が高く、情熱が空回りすることが多かったが、『見えない力』を冷静に受け取りそれを反射するように心掛けた。

 モデル瞳子は、私の地元名古屋のモデルさんなので、京都のモデルさんに負けないで欲しいと思った。彼女は、かつて1度クロッキーFでモデル(モデル名:みれい)をされたことがあるので、大丈夫だと思っていたけれど、それでも京都の2人のモデルには力があった。さて、モデル瞳子の結果は想像以上で、私は今回の作品群の中で最も気に入ったものが描けた(彼女の特徴を知っていたことも一因だろう)。そのポーズは腕や背筋に大きな負担がかかるものだったので、10分ポーズだったけれど、私は7分で仕上げた。高い緊張感を崩すことなく定着、表現できたと思う。HBの鉛筆を多用した。

 また、全体を通して次のことを発見した。
(1)下敷の大切さ
(2)自分自身のテンションが高くなるまで、アイドリングすること
(3)準備完了したら、一気にアクセルを踏み込んで走ること
(4)走りながら呼吸をコントロールし、ランナーズハイの状態に持ち込むこと
(5)ラストスパートが終ったら、潔く筆を置くこと
(6)時間をおいて見直して描き足らないと思ったら、全てを壊すように心掛け、最後まで描き切ること。それだけの勇気がないなら、それだけの作品として終ること
(7)複数のモデルによるポーズは面白いが、モデル達による十分な打ち合わせがないと、複数によるエネルギーの相互交換が行なわれ難い(今回は各モデルがまとっているオーラを描いた)
(8)複数モデルを描く場合、描き手がその中に入らなければ、私が求めるクロッキーFの世界に到達できない
(9)Fを達成するためには、モデルと描き手は対等であること

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