クロッキーF美術館コレクション vol.2009 Oct 25

18 pictures
A3 (420 x 297, thin paper)

画 材: 鉛筆、A3上質紙
時 間: 指定時間固定
モデル: 彩 海

note
 できるだけ鉛筆を速く動かすように心掛けた。そして、描画中の描画スピードの変化(加速度)について実験した。その結果はご覧の通り、良くない。

 よくよく考えるまでもなく、私がやろうとしていることはいわゆる芸術だから、物理的な条件だけで達成されるものではない。だから失敗した。ただし、次のような物理的な発見をした。

 『加速度を得るためには、鉛筆を速く動かすように心掛けるだけでよい』

 つまり、鉛筆の動きに着目すると、ほとんどの場合『静止状態から動き始め、最終的に静止する』。また、直線ではなくカーブを描けば、それは必ず加速度を持つ。とくに曲線がもつ加速度については、線の太さの変化量にも着目しながらに再度実験する必要がある。ダッシュや点描のような方法は、とても大きな負の加速度を持つ。こうしたことから、加速度を意識しなくても、速く動かそうとするだけで、自然に加速度を得ているのだ。

 上記の発見はあたり前のことだが、実際に描いてみなければ確認できないから面白い。しかも、今回のクロッキーは、研究テーマをモデルさんと話し合いながら描いたので、より一層物理的な条件だけに絞られた実験となり、その結果として魅力に欠ける作品ができたことも興味深いことだった。

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