note
白地にピンクの細かい模様が入った襦袢と白黒のコントラストが効いた傘を使った。襦袢はモデルとの相性が良く、写真撮影には最高の条件に近かったが、クロッキーで描きわけるのは至難の技だった。初めの3枚で40分使用した。傘はとても気に入っているもので、今回はモデルを中心にして打ち上がった花火にように表現してみた。
4枚目の作品(左図)はモデルの身体がほとんど見えなかったのでとても苦労した。結果として、かるた百人一首の絵柄のようになった。モデルさんは傘を持っていた方の手が痺れてしまったが、私の位置からはその苦労が全く分からない表現になっている。
5ポーズめから襦袢を解き、身体が見えるようになったが、前述したように襦袢と身体を描きわけるのに大変苦労した。1番の勘違いは、モデルさんの肌の白さよりも襦袢の白さの方が明るいことで、これは5枚めを描いている時に発見した。
この問題を克服するために、6枚目(左図)は、身体を意識的に黒く描いた。左腕の位置がおかしくなってしまったが、これで襦袢から開放されるような気がした。
ここで自分の緊張感が解けてしまい、しばらくだらっと描いてしまったが、11ポーズめでクロッキー・モードのスイッチが入った。
その他特筆すべき作品は、13枚目が比較的近い距離で描いたこと、14枚目は描き直して表情のアップにしたこと、最後の16枚目では仕上がりを意識しながら最後まで描き進めたことである。