クロッキーF美術館コレクション vol.2009 Dec 2

25 pictures
A3 (420 x 297, thin paper)

画 材: 鉛筆、A3上質紙
時 間: 指定時間固定
モデル: ながあめ
小道具: 竹刀、ハイソックスなど

クロッキーの前日note
 魂。おそらく僕は、そこに宿る魂を描いているのではないかと思う。モデルでも自分自身でもない、その両者を使って、その両者が同じ時空間に存在することによってのみ立ちあらわれる魂を描こうとしているのではないかと思う。その魂は不思議な存在ではなく、いつでもどこでも私と共に存在し、見たり感じたりするだけなら簡単にできる。しかし、それは他人に提示できるような魅力的で状態にするためには特別な方法が必要だ。その方法の1つとして、私はクロッキーを行う。

 上手くいっているときの魂は光り輝いているので、それを紙面上に描き写すだけで良い。多少の技術は必要だけれど、それより今ここにある魂を輝かせることに専念しなければいけない。そのためには技術も要る。魂の状態はとても不安定でどどまることがなく、1ポーズが良かったとしても、それを繰り返すことは原則不可能だ。それはとても気紛れで、飽き性で、すぐに新しいもの新鮮なものを求めて動き出す。

 そうした魂の一般的な特性を知ること、クロッキー当日の状態を知ることは重要だ。いきなり描き始めることもあるが、魂は身体と同じようにウォーミングアップから始まり、クールダウンで終ることを好んでいるようにように思う。それは時空間に存在するものである。最高の瞬間、パフォーマンスは大切だけれど、その前後の準備や後片付けの中にそれぞれの美しさがあるのだから、それを見逃していはいけないと思う。

 それから、モデルを使って自分の魂を美しく輝かせようとしても、つねに上手く行くわけではなく、むしろ落ち込んでしまうことだってある。これは自分1人でコントロールできることではなく、共同作業によって生まれるものだからだ。

 と難しいことを考えてから描き始めたけれど、実際に活動を始めると全てを忘れてしまうことが多いので困ったものだ。BGMに使っているラジオの影響もあるだろう。クロッキーに限らず、ゆっくり変化・成長していけば良いと思っている。

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