クロッキーF美術館コレクション vol.2010 Jan 10

20 pictures
A3 (420 x 297, thin paper)

画 材: 鉛筆、A3上質紙
時 間: (5分×6)×2、(8、6、6分)×2、6分×4
モデル: 小梅、
HIRO
小道具: 棒

note
 第7回ナゴヤ路樹絵に参加させて頂いた。初めて描くモデル小梅は、心身全てのパーツだけでなく、それぞれの均整が美しくとれていた。おかげで、どのように描いても絵になったように思う。今回はうまく表現できなかったが、小梅はいつも微笑んでいるように見えた。その顔は身体を表現する喜びであるように感じたので、私は頑張って描くようにした。長時間同じように微笑んでいるのは大変な表情筋を必要とするからだ。もし、無意識にうちに微笑んでいるように見えたのだったら、それは心から発するエネルギーとして受け取るべきものだろう。

 モデルHIROを描くのは4回目だった。いつもと同じように良く鍛えられた上半身が美しかった。私はテンション70%で描こうと決めていた。100%にすると他の方に迷惑がかかるからである。さて、他の参加者の手法で大変参考になったのは、ひと塊の筋肉を1本1本の繊維に分解し、それらを薄いラインとして1本1本描く方法だ。それは解剖学的で、他の筋肉との関係を無視した、ある1塊の筋肉の集合だけ丁寧に描いた描かれたものだった。筋肉の始まりから終わりまで(それはいわゆる『腱』になることもあるし、そうでないこともある)が描かれていた。私はそれを真似したかったが、その場は我慢した。他にしたいことがあったからである。

 それは、塊としての人体をおぼろげに表現してから、科学的スケッチに使われるような細く均一な線を使って、全く自由に身体を表現する方法である。この線は決定的な線でありながら、まったく自由な主観的な見方にもとづく線である。身体を内部や表面を自由に動き回る針金のような線である。残念ながら、この実験は成功しなかったが、次は時間配分を考えて感性レベルまで持ち込んでみたい。このような手法が使えるのは、高い緊張感をもったポーズ、あるいは、全身の筋肉が緊張しているように見えるポーズの場合である。線のゆるみは禁物、という手法である。

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