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クロッキーF美術館コレクション vol.2012 Apr 18

14 croquis
(420 x 297, pencil)

画 材: 鉛筆、コンテ、木炭、A3上質紙
時 間: 3分*7、2分*10、20分フリー、3分*3+20分フリー
モデル: エ マ

note
 今回は新しい画材を使ってみました。新しいといっても、古い道具箱から漁った残骸です。それらを使って失敗したものは、現場で5、6枚、アトリエで15枚程度です。廃棄したものの共通点を以下にメモします。

1 素材の特性を活かそうとしたもの
 素材の特性を活かすことは当然であるが、素材そのものが目立つものはボツ。私が表現したいものは画材ではない。物質や物体としての画材の特性を魅せたいなら、絵画以外の手法を選ぶべきだ。画材の特性を活かす手法を十分に修得した上で、それ以上のものを目指すこと。制作の現場では、何枚か描きすすめていくうちに素材以上のものが描けるようになる。

2 全体の形を描こうとしたもの
 形は不要。とくに全体の形はよくない。形を整えるために時間を使うことは無意味。形、形態ではなくて、もっと違うものを追求しなければクロッキーする意味がない。人に感動を与えることはできない。バランスとか、画面への入り方とか、それはクロッキーにおいて二次的なことだ。とくに、今回のようにモデルのポーズがいつ終了するかわからないときは、描く目的、自分の衝動を越えた心の動き、集中してつくり上げた自分自身の欲求を満たすために行動しなければいけない。

3 一部分にこだわったもの
 身体の一部、顔、腰、背中の筋肉などにこだわり過ぎてしまったものは、その一部が画面全体のなかで突出しているのでダメ。一部を描き込むことは悪くないが、その部分を活かすようなものや装飾品が必要だ。そのためには、一部分に集中していても、常に全体とのバランス、全体における位置を確認したり、なぜ、その部分に集中したくなるかという原因や自分自身の動機を問い続けることが必要だ。

 それから今回のクロッキーとは関係ありませんが、指揮者『小澤』の言葉「いざというとき技術があると助かるんだよな」を聞き、もう一度、基礎練習としてみようと思いました。

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