note
19:30開始にも関わらず描き手9人に集まっていただき、今後の方向性の1つが見えてきました。
見えないもの、網膜の光細胞が感知していないはずの電気信号が脳細胞へ送られ、脳細胞たちは信号の集積とこれまでの記憶を参考にしながら独自の演算処理を行い、私の右手を動かす指令を筋肉細胞へ送る。動き出した筆記用具によって生まれる時空、および、支持体との摩擦によって生まれる指先の触覚刺激。それらより私を虜にしてしまうものは、支持体上に出現した2次元世界だ。私の大脳は覚醒され、モデルと支持体を行き来しながら、竜巻のごとく別次元へ昇華していく。その作業方法は、かつて「正月のお年玉」として一般公開した。
見えないものの視覚化に成功した時、私を含めた複数の人々が同じように感動するように思うが、それは勘違いだ。ある個人の生まれ持った個性だけでなく、受けた教育や環境が違うからだ。もしも、人であるための基本条件があるとするなら、その条件に当てはまるものを表現した時、「すべての人が感動する作品」になるだろう。さらに、種の保存という生物の根幹レベルの働きに直結する作品を表現できたなら、「(その作品が放出する刺激を受け取ることができる)すべての生物が感動する作品」になるだろう。