クロッキー F 美術館

第6章 美術モデルのためのお話
美術モデルになる条件

1 作家に求められること
 第1の条件は、描き手に求められることです。あなたが「描いて下さい!」とお願いしても、相手に断られたらお終いです。「タダで構いません」と言っても同じです。作家はより良い作品をつくるために、時間と金を使います。美術モデルになる第1の条件は作家に求められること、あなたを描かせて下さい! と、お願いされるような条件を身につけることです。

作家が美術モデルに求める条件
(1)人としての魅力にあふれ、輝いている
(2)創作意欲を掻き立てられる
(3)作品のモチーフに最適
(4)お金が支払える範囲にある
(5)時間調節ができる

注意:18才未満は不可
 美術モデルは、自らの自由意志によってなるものです。そのためには、美術や人生における経験が必要です。未成年で美術モデルになるためには、美術系高校などでたくさんのモデルを描いたり、日常的にモデルと接してきた人です。

2 人としての魅力があること
 一般社会人としての常識の上に、「人としての魅力」が必要です。だた動かないだけの美しいモデルなら、均整のとれたギリシャ彫刻で十分です。作家は、生きた人間がもっている魅力を作品にしようと努力しています。あなたと出会った作家が「このモデルなら上手くいきそうだ」「何か新しいことをしてくれそうだ」「描いて心がうきうきする」と感じることが条件です。モデルと作家の相性もありますが、あなたがプロを目ざすなら、誰にも通用するような魅力を身につけるために日々の生活を充実せましょう。本当の魅力や美しさは、内側から出てくるものです。外見よりも心を磨くように心掛けて下さい。あなたが「できる!」と思い続ける限り、美術モデルとして活動できます。

3 年齢、容姿、体型は関係ない!
 若くて美人でスタイルが良ければ文句なし、と思っていませんか! 確かに、そのようなモデルを初めて描く時は楽しく心踊るものです。しかし、制作に熱中している作家にとって、年齢、容姿、体型は関係ありません。若いモデルより、経験豊富でゆとりのあるモデルが好む作家はたくさんいます。古今東西の作品を見ると、絶対的な容姿や体型はありません。2010年現在の日本社会は『細身』を理想としていますが、多くの画家の理想は『やや太り』です。体型については、別ページ『美術モデルの理想的な体型』もご覧下さい。

4 必要以上に外見にこだわらないこと
 あなたが外見にこだわるなら、あなたの周りには外見にこだわる作家が集まります。作家は、あなたが持っているものを描くために集まります。

5 何度描いても飽きないモデルを目ざす
 「あのモデルさんなら何度でも描きたい」と思われるモデルを目ざしましょう。その最も有力な方法は、「描き手の気持ちを感じ、その気持ちに応える」「作家と同じ力量をもった美術モデルとして立つ」「作家と同じ表現者、アーティストとして活動する」ことです。ここまでくれば、美術モデルはあなたの天職です。美術モデルは、美術、+(プラス)、モデルです。

6 関連ページ
 ・ 美術モデルの理想的な体型

2010年1月31日公開

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