クロッキー F 美術館

第4章 Fのクロッキー技法
クロッキーの手法 2010 Jan

 このページは、2010年1月4日〜26日のクロッキーを振り返って得た、私のクロッキー描き方です。画材はクロッキーの手順2009 sepと同じ、カステルの鉛筆(HB〜8B)、平鉛筆(HB、3B、5B)、三菱の色鉛筆、それに、A3サイズのコピー用紙です。

ステップ1 画材を準備する
(1) 鉛筆を削る
 ※ 2時間のクロッキーで消費する鉛筆は数10本
 ※ それらの芯先を削するために15分使う

(2) 机と紙を準備する
 ※ 机と紙は決まっているので、いつものものを出すだけ

ステップ2 ウォーミングアップ
(1) 一番最初のポーズは、描き過ぎないようにする

(2) 私の身体ではなく、
   私の心(作品の完成度に対する欲望)を
   コントロールすることに主眼がある

右:2010年1月4日の描き初めクロッキーの先頭作品。感覚を失っていたので、とりあえず手を動かすことと、完成度を求めないことを意識した。

ステップ3 平鉛筆を多様な方法で使う
(1) 冒頭のあたりをつけるために使う

(2) カステルの(普通の)鉛筆と同じように使う

(3) 画面を潰すために使う
 ※ 描き過ぎた部分の上にのせ、消しゴムような効果を期待する

右:この作品では、ポーズ全体のバランスをとるため、正しくない線の動き(身体と違う)を修正するために使われている(2010年1月5日のクロッキーから)

ステップ4 HB鉛筆の使い方は2つ
(1) 1番初めから、ガリガリ音を立てて描く
 ※ 明確なポーズや意志を表現するために使う
 ※ モデルを正確に観るために使う

(2) 細部を描き込むために使う
 ※ いわゆる一般的な使い方

右:初めて描くモデルは正面を見据えていた。その力に負けないように、私はHBの鉛筆だけを使って精密に描いた

ステップ5 色鉛筆を多用しないようにする
(1) 具体的な色があっても、できるけ使わないようにする

(2) 感じる色があっても、できるだけ使わないようにする

右:着物にはたくさんの色があったが、帯紐の赤はどうしても描きたかった。バランスを取るため、帯に色を入れたが、自分でも無意識のうちに黄緑色で着物の絵柄を描き始めた。さらにバランスを取るために緑と黄を入れた。なお、このポーズが右傾しているのは、右肩で体重を支えているからだった(2010年1月25日のクロッキーから)

2010年1月29日公開

↑ TOP


Copyright(c) 2010 All rights reserved.