このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 3年(2004年度)です

ニュートンの運動の法則
                   2004 6 25(金)
                   各教室

 中学校では、ニュートンがまとめた3つの運動法則のうち、第1(慣性)の法則と、第3(作用・反作用)の法則を学習する。私は物理学が専門でないので詳しくないが、1から3までには物理的な規則があるのだから、詳細は触れなくても授業で紹介することにした。教科書で紹介されない第2(運動方程式)の法則が、私より洞察力に富んだ生徒の科学的好奇心をくすぐってくれると思う。
第1法則: 慣性の法則
 外から物体に力が働かない限り、永遠に静止または等速直線運動を続ける。
・ 静止しているものは、永遠に静止
・ 運動しているものは、永遠に等速直線運動
補足説明:ここで大切なのは、中学校で学習する必要のない慣性系の概念です。それほど難しいものではないので、興味ある方は別ページ
ニュートン力学の根幹に関するノートをご覧下さい。
第2法則: 運動の法則(別名:運動方程式)
 外から物体に力が働くと、加速度を生じる。
・ 加速度は、力の大きさに比例する(力が大きいほど加速する)
・ 加速度は、物体の質量に反比例する(重いほど加速しない)
・ (運動方程式)
・ 力= 物体の質量× 加速度
補足説明:この法則は、ニュートン力学の根幹万有引力から発見されたものであり、ニュートン力学のもっとも大切な基本法則(運動方程式)です。
第3法則: 作用・反作用の法則
 力は1対になって働く
・ 2つの力は、同一直線上にある
・ 2つの力は、大きさが等しい
・ 2つの力は、向きが反対

※ 力の種類
重力、(垂直)抗力、接触力、張力、万有引力、摩擦力


◎ 授業の流れ
1 ニュートンの運動の法則(1、2、3)

 法則のまとめ方は色々あるが、教科書の記述を参考にして、いつものキーワード穴埋め方式を採用した。実践例は生徒の学習プリントを参考にして下さい。

以下に、それぞれの法則を説明するための具体例を示す。
1 慣性の法則
 ・ だるまおとし(静止し続ける物体)
 ・ 電車の中(運動し続ける乗客)
 ・ ジェットコースター(運動し続ける乗客)
 ・ 自転車で事故った話
 ・ 上空から地上付近まで落ちてきた雨や雪(等速直線運動)
 ・ ドライアイスを使った等速直線運動
2 運動の法則
 ・ 黒板消しを飛ばす
3 作用反作用の法則
 ・ 頭突き
 ・ 黒板を押す
 ・ ローラースケート
 ・ ペットボトル・ロケット

<評価基準>
1 自然事象への関心・意欲・態度
 B ニュートンの運動法則の例を、日常生活の中から導き出せる

2 科学的な思考
 B 偉大な物理学者達の思考の素晴らしさに感動できる

3 実験・観察の技能・表現
 B 目に見えない力や加速度を矢印やイラストを使って視覚的に表現できる

4 自然事象についての知識・理解
 B 慣性の法則を正しく説明できる
 B 作用反作用の法則を正しく説明できる


授業を終えて
 クラスの人気者2人に登場して頂き、頭突き勝負をしてもらう。どちらが仕掛けても鈍い音が教室に響いた後、相打ちで倒れる。作用反作用の説明として、最高の逸品である。また、代表生徒を教室の反対側に配置し、教師が黒板消しを投げてキャッチする。手を離れるまでは『加速運動』、空中では『等速直線運動』となるが、これでは面白くないので、黒板消しを左手に載せ、右手でパンと押し出す。すると、ちょっとした曲芸のようになるので相手が上手く受取ると拍手喝采となる。失敗したのは、スポーツカーに乗ってドライブしながら急発進、急ハンドル、急ハンドル(左右どちらになるか考えさせる)で、生徒のノリが悪いと言うか、ちょっと引き気味の生徒が多かった。

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