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第15章 taka先生の雑記帳 コラム 2012 nov 14

生徒に助けてもらいました!

 「生徒に助けてもらいました」
  これは大学を卒業して間もない非常勤講師の先生(女性)の言葉です。

 その日、学校内で彼女の研究授業が行われました。私は彼女がつくった授業案を事前に見せてもらいましたが、肝心の授業は私の授業と重なってしまい、見学できませんでした。授業後、空き時間に声をかけると、「今日は生徒に助けてもらいました」と言いました。たった10秒の会話で、私は素晴らしい授業だったことを理解しました。同時に、彼女は立派な先生になるだろうと思いました。理由は2つです。

 1つめは、彼女は子どもたちに助けてもらえるからです。そのような関係ができるためには、子どもたちに好かれていなければなりません。先生のことを好きでなければ、助けようとは思いません。嫌いな先生なら困っていても無視したり放置したりするでしょう。とくに杓子定規に行動する先生やすぐに感情的になる先生は、助けてもらえません。「先生を助けることで損すかもしれない。黙っていよう、知らない振りしていよう」と判断・行動されてしまうものです。

 2つめは、子どもに対して感謝する気持を持っていることです。先生自身が1人前にできないことを認識した上で、助けてくれた子どもに感謝する。これは自尊心が強い人にはできないことです。謙虚に自分を客観視する力が必要です。その上で、子どもの親切や努力に対して素直に感謝する。これは簡単にできることではありません。

 若手の先生で独り相撲をしている人、ひとりで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

 さて、ここで私の授業を振り返ると、毎時間生徒に感謝してます。当たり前のことです。感謝というよりは、「よくそんなことを思いつくなあ」と驚いています。私より優れた説明をする生徒、私の知らない経験をしている生徒はたくさんいます。たくさんの子どもが集まる学校は宝の山、授業はみんなで助け合ってつくるものです。業を授けることを授業というなら、私の授業は『助けあう業』を授けることが目的の1つです。

2012年11月14日公開

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