このページは『Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。 |
第5.2章 朝の始業前の指導
2 朝のふれ合い=挨拶=
1 ひと味違う、私の朝の挨拶
私の朝の挨拶は、かなり個性的です。きっと誰にも真似できないと思いますが、紹介します。紹介することで、挨拶の方法にもたくさんの種類があることを知り、最終的に、あなた独自を挨拶の方法を見つけてくれれば幸いです。2 生徒に対して敬語を使う
おはよう! とは言いません。おはようございます! と言います。生徒と同じ立場に立ち(時には生徒よりも低く立ち)、生徒を個別に、最大限に尊重します。敬語を崩すことは95%ありません。子どもが「おはよう!」と言ってきて場合でも、私は「おはようございます」と笑顔で返します。1、2ヶ月はそのままですが、数カ月後には、生徒から「おはようございます」という声をかけてきます。※これは中学1年から3年まで有効ですが、小学校ではどような結果になるか検証していません。3 声よりも笑顔や表情を大切にする
私は大きな声で挨拶することを好みません。そのかわり、最高の笑顔を差し上げます。相手がはにかみやさんの場合は、聞こえないほど小さな声で「おはようございます」とつぶやきながら最高の笑顔を差し上げます。挨拶で大切なことは、相手の顔や目を見て、微笑み合うことです。
(1) 相手を見ずに挨拶すること、相手を見ずに挨拶を返すことはあり得ない
(2) 挨拶は、気持ちを『笑顔と表情で交換しあうこと』
(3) 調子が悪いときは、調子が悪いことを伝えるのも挨拶の1つ4 生徒の元気に合わせる
朝から非常にご機嫌の生徒は、「先生、おはよう!」と肩を叩いてきます。そんな時は、同じように「@@君、おはよう!」と答えます。私が生徒に対して敬語を使わないことは、自分の信念に背きますが、特に元気な時は撤回します。誰もがびっくりするようなパワーをお返しすることにします。周囲の人は、異常にテンションが上がっている状態あること理解し、とても大きなエネルギーや元気をもらいます。特別に素敵な日です。
(1) 元気で明るい人を見るのは楽しいことです
(2) 挨拶は2人のだけのためだけではなく、周りの人を愉快に元気にさせる効果もあります5 元気がない生徒には、元気がない挨拶を返す
元気がない生徒には、小さな声で挨拶を返します。私からの元気がない返事は、子どもの現状を把握したことを知らせる効果があります。元気がない生徒にとって、心配して理由を聞かれるより、無言のうちに理解してくれたと感じさせることが重要です。なお、先生のか弱い返事のあとに、「どうした? 元気ないね」と声をかけることもあります。生徒が比較的元気な状態なら、「夜更かしした」「腹が痛い」などの返事があります。同じ理由でも、声の調子によって、質問を続けます。さらに元気がない口調で、「ん、1時まで起きていたとか?」「うん、もしかして昨日から何も食べていなかったりして?」などと聞きます。驚いた口調を使ってはいけません。その生徒にとっては、日常の延長線上にある可能性があるからです。生徒の立場に自分を置きましょう。6 挨拶は、自分(先生)からしない
私と挨拶したい生徒は、自分から声をかけてきます。逆に、したくない生徒は私を無視します。私はそれで良いと思っています。挨拶は無理にするものではありません。挨拶は強要するものではありません。挨拶には『開いた心』を準備することが必要ですが、相手に『心を開け』と強要するものではないと思います。※これは思春期を迎えた中学生には有効な手段だと思いますが、小学生までは、挨拶を躾けることが大切でしょう。誰に対しても挨拶できる習慣を身につけること(社会常識)が必要です。7 挨拶は催促・強制しない
私は、「先生から声をかけられるのを嫌う生徒」に対して声をかけることが、特に嫌いです。先生から先に「おはよう!」と声をかけ、「おはようございます、の返事は?!?」と催促することは、私の常識から外れています。非常に教育熱心な先生のなかには、無視して通過しようとする生徒を見て、「おい! おはようございます、はどうした!!」と、催促する人がいます。それは私の常識から外れていますが、私の常識も、その先生からすれば『一般的な教師の常識』から逸脱しているのでしょう。8 挨拶は、それ以上でもそれ以下でもない
私は、朝の挨拶は『触れ合い』であり、それ以上でも以下でもないと思っています。無理に何かをする時間ではないと思います。私は、多感な中学生よりも多感であるように努め、中学生の常識の世界でふれ合いたい、と努力してます。私がこのように実践するのは、私自身の子どもの頃の経験によります。不安定な家庭で育ち、幼少の時にいじめられ、学業が振るわず劣等感をもち、自信をもって明るく振る舞うことができなかった経験があるからです。私と同じような生徒は、そっと静かにしておいて欲しい、と願っています。彼等は助けて欲しいのですが、決して助けてと言い出せないことも感じます。原因を最終的に解決するのは、自分自身でしかないことも気づいています。
(1) 心と心の交換に規律や法律を持ち込んではいけません
(2) 挨拶の種類は生徒40人と先生8人で、320通り
(3) 他の先生と競争してはいけません
(4) 挨拶は、身体の一部分9 私の方法とは違う、もう1つの理想的な挨拶指導
私が尊敬する先生の1人は、たいへん立派な挨拶指導をされています。どんなに自分が疲れていても、元気に大きな声で生徒に「おはよう!」と挨拶します。その先生の元気をもらった生徒は、「おはようございます」と返事をします。朝、元気なく登校した生徒も、遠くから先生の顔を見たり声を聞いたりして元気が湧いてくることでしょう。近くで拝見ている私も元気をもらっているのですから、、、。また、その先生は、決して挨拶を強要されません。この1つの理想的な挨拶指導(あえて「指導」という言葉を使用しています)は、劣等生の私には真似できません。劣等生には、劣等生にしかできない挨拶があるので、それを精一杯すれば良いと思います。私にしかできない方法で最善を尽くすのみです。10 ナイススマイル
私のナイススマイルは、これまでに旅した70ヶ国で全て有効でした。かなり磨きがかかっているつもりですが、中学生からは「気持ち悪い」、友人からは「営業スマイル」と言われることもあります(第14章 Taka先生の雑記帳から『学校でナイス・スマイル』)。それでも、めげずにナイスルマイル! さて、みなさんはどんな挨拶指導、どんな触れ合いから始めますか。2007年6月12日