このページは『Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第4章 学級経営

11 宿題なんて大嫌い

 宿題は百害あって一利なし。家庭学習は子どもが自主的に行うもので、教師や保護者が強要するものではありません。学校で6時間真剣に勉強したのですから、家では家庭の手伝いして、遊ばなければなりません。それが子どもの仕事なのです。宿題・・・そう呼べるものがあるとするなら、「宿題大好き!」と子どもが叫び、「お母さん、先生、こんなに勉強したよ。」と駆け寄ってくるはずです。

 また、私の理科の授業では、多種多様な宿題を出しますが、強要するものは何1つありません。理科の授業記録をご覧いただければ分かります。

 どうしても家庭でやらせたい宿題
 それは教師の怠慢です。授業を振り返り、研究して下さい。あなたに欠けているのは時間を守る意識です。授業時間内に満足せず宿題を作るのは、どれだけ食べても「足りない、足りない、」「もっと、もっと、」と甘いものをねだり続ける自制心にかける子どもと同じです。大人は8時間労働、子どもは6時間学習。それが必要十分になるよう、教材研究・授業研究をしましょう。それでも宿題を強要するなら、子どもに賃金を払わなければいけません。宿題を作ってしまったのは、あなのたの責任です。子どもが宿題をしなくてもすむように、先生が残業するのが筋です。

 保護者の怠慢
 保護者から「先生、宿題を出して下さい。」という声をよく耳にしますが、これは「先生、家庭でも子どもの面倒を見て下さい。」というムシのよい依頼である場合が多いです。宿題を期待する多くの家庭は、子どもを放任しています。

 逆の場合を考えれば、この考えが正しいことが分かります。「先生、家の手伝いがありますから学校を休ませて下さい。」それは駄目です。子どもには6時間学校で勉強してもらいます。それは子どもの権利であり義務です。保護者も教師も子どもも、それを明確にしましょう。

 教科担任の怠慢
 原則、各教科担任から出された宿題について学級担任は責任を負う必要はありません。生徒の提出率が悪いのは、教科担任が出した内容が不適切だからです。責められるのは生徒でも学級担任でもなく、その教科担任です。とりあえず、教科担任の先生に、宿題の回収と返却をお願いしましょう。

 もし、その教科担任から「あなたのクラスだけです」と反論された場合、「どうして提出率が悪くなるような宿題を出すのですか。学級経営に悪影響が出ます。」と答えましょう。とにかく「学級担任は関係ありません。宿題が出るように、ちゃんと授業をして下さい。」と申し上げ、その後は、学年主任、教務主任、教頭などに相談しましょう。

 確かに、あなたのクラスだけ宿題が出ないのは、学級担任が原因です。しかし、それは若いあなたが日頃生徒の気持ちに立って指導しているからです。あなたのクラスの子ども達が、それを無視した教科担任の指導との間に大きなギャップを感じているからです。

 そこまで言う勇気がないなら、「私の力ではできません。どうしたら良いのか教えて下さい。」とアドバイスを求めてみましょう。また、その教科の真実について、日頃授業を受けている生徒に尋ねることも非常に重要です。

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