このページは『Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第4章 学級運営
7 席替えの方法

 座席は、生徒にとって最大の関心事の1つです。好き子の隣にれば、毎日の学校が楽しくなり、学力も向上します。もちろん、同性の場合、お喋りをしてしまって逆効果になることもありますが、、、

 担任の先生にとっても、その方法と頻度(年に何回行なうか)は、学級運営上とても重要です。生徒全員が満足することはありえませんが、全員が妥協しながら納得できる席替えをすることは大切です。1学期を通して出席番号順、は絶対にありえません。それでは次に、私が長年愛用してきた方法を紹介しましょう。

タイミングと方法
1 新年度は、初めのテスト終了まで出席番号順

 これまでとは違うメンバーになったのですから、出席番号順で十分です。むしろ、番号順の方が落ち着き、安心します。1週間を過ぎたあたりから、「早く席替えしようよ!」という声が聞こえてきますが、1ヶ月程度は我慢させても良いと思います。これまでの経験から、法則『早く席替えしたい生徒=授業中お喋りしたい生徒』がわかっているからです。

 また、出席番号順といえども、微妙なテクニックがあります。多くの場合、男女別で1列とし、男女交互で合計6列になると思います。この場合、1列、2列めの先頭は出席番号1番になりますが、3列〜6列めの先頭になる生徒は、先生が決めることができます。つまり、縦に何人並べるかで変更できるのです。よく喋る生徒が分っているなら、できるだけ前の席になるようにしましょう。また、男女の並びも確認します。新年度が落ち着いてスタートできるように、よく考えて下さい。

2 1回の席替えは、テスト終了と同時に

 1回めの席替えは、テスト終了と同時に行ないます。その方法は、次の通りです。

席替えの方法
(1) 身体的な理由(目や耳など)で、前の座席を希望する生徒を調べる。
(2) 先生が、(1)の生徒用のアミダくじを作る。
(1)の生徒用 アミダくじの作り方 
     ─ 男女各3列の場合 ─
1 紙を2枚(男子用1枚、女子用1枚)用意する。
2 縦に9本の線をひく。
3 1から9の数字を、適当に書く。
4 数字の部分を切り取る。
5 (1)の生徒に、1本選ばせ、名前を書かせる。
6 壁に2枚の紙を張り付けて、発表する。
※ この方法は、時間を節約する効果と、生徒どうしによる席の交換を防止する効果があります。
 書き直しをしない限り、違反者が出ることはありえません。

(3) (1)の生徒が、アミダくじを選ぶ。
(4) 先生が、(1)の生徒の座席を発表する。
(5) 先生が、(1)の生徒を除いたアミダくじを作る。
アミダくじの作り方
     ─ 男女各3列の場合 ─
1 紙を2枚(男子用1枚、女子用1枚)用意する。
2 (1)の生徒を除いた数の縦線をひく。
3 (1)の生徒の番号を除いた数字を、適当に書く。
4 数字の部分を切り取る。
5 男女に紙を与え、自由に1本選ばせ、名前を書かせる。
6 壁に、切り取った紙を合わせ、発表する。
※ この方法は、時間を節約する効果と、生徒どうしによる席の交換を防止する効果があります。
 書き直しをしない限り、違反者が出ることはありえません。

(6) 生徒が自由に、アミダくじに自分の氏名を書く。
(7) 先生が、アミダくじを壁に添付することで、座席を発表する。
(8) 生徒が、一斉に移動する。
※ この方法は、慣れてくると5〜10分です。したがって、朝の会や帰りの会でも十分に行えます。

3 2回目以降は生徒の自主性に任せる

 2回め以降は不定期です。生徒の自主性、学級の実態に合わせて行ないます。生徒には、次の(ア)〜(エ)の条件を満たした時に行うことを先生が宣言します。この条件は、私の18年間の学級担任経験から求められた条件で、年間を通して行なうことで生徒の自主性が育つことが分かっています。また、自分の欲求だけで発言することが少なくなり、良識ある判断ができるようになります。

席替えをする条件
(ア) 学級の3/2以上が席替えを希望した場合。
(イ) (ア)が否決されてから1週間以上たち、学級の1/2が希望した場合。
(ウ) (イ)が否決されてから1週間以上たち、学級の1/3が希望した場合。
(エ) (ウ)が否決されてから1週間以上たち、学級の1/4が希望した場合。

4 授業が成立しない時は、出席番号順にする

  ただし、授業中、お喋りが激しいときは、出席番号順にします。これは、9教科の教科担任の先生からクレームが出た場合です。その時は、即座に出席番号順に戻します。

2002年6月7日
2007年12月1日加筆、修正

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