このページは『Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第4章 学級運営

1 新年度の自己紹介
 
 
希望と不安と期待に胸膨らませ

 誰よりも胸を膨らませているのは先生でなければなりません。生徒よりも(新入生なら)保護者よりも誰よりも、先生がいきいきと自己紹介しましょう。これが第1の仕事です。

 紹介する内容は、何でも構いません。ごく当たり前のことで十分です。自分ではつまらない、と思っても生徒や保護者にとってはとても興味深い内容かも知れません。今その時に1番話したいことを伝えて下さい。大切なことは不安を打ち消し、希望と期待を膨らませるような先生のハートです。明るく大きな声で話をして下さい。繰り返しますが、内容は関係ありません。むしろ、格好良く決めよう思うと失敗します。あなたの普段の姿をさらけ出して下さい。生徒と保護者が期待しているのは、先生の明るい期待に満ちあふれて姿です。

 次に、先生から自己紹介する時の例を挙げます。
<先生の自己紹介>
1 氏 名
2 年齢
(教員としての年数)
3 出身地
(出生地、出身した学校)
4 担当教科
(専門分野)
5 学級経営案

 ・ 4月の目標(自分から声をかける、友達をつくるetc.)
 ・ 今年度の目標(何でも相談できるクラス、元気・勇気・挑戦etc.)
 ・ ごく単純なこと、当面のことを1つ

6 身長体重

 ここから話を展開して、話を盛り上げることもできます。ダイエットしようとして失敗した話とか、逆にガリガリに痩せていたのでいっぱい食べても太れなくて悩んだ話。あるいは、身長を伸ばそうとして学校の牛乳をいっぱい飲んだ話をしても面白いと思います。誰にでもある経験を紹介することで、あなたの暖かい人間性が伝わるはずです。

7 趣味

 現在の話は煙たがれれる可能性があるので、中学校のときの話をしましょう。あなたが中学生の時、何をしていましたか。趣味が部活でも勉強でも構いません。いじめれて趣味どころではなかった、そんな話ができるなら共感する生徒がぐっと増えることでしょう。

 
生徒の自己紹介

 生徒の自己紹介に「凄いこと」を期待してはいけません。自ら進んで自己紹介したい生徒もいますが、大多数の生徒は内気で話すことが苦手です。ただし、どんなに小さくても希望を持っていることは確かなので、それを発表させるチャンス(自己紹介の時間)を作ることは有効です。

 手順と注意事項は次の通りです。
時期: 入学式の翌日(できるだけ早い時期)
時間: 10秒/人(希望者は1分まで延長可能)
内容: 氏名、出身小学校(転入生は地名も)、趣味、中学校で頑張りたいこと

===

 次に、生徒への話し掛け方の例を紹介します。

 「では、小さな紙をまわすので1人1枚ずつとって下さい。」

 「全員に渡りましたか。」

 「まず名前を書きますが、紙を横にして、名前を紙の1番下に書きます。1番丁寧な字で書いて下さいね。汚くても構いませんが、中学生になって初めて書く字ですから、1番丁寧に書きましょう。フルネームでお願いします。」

 「全員書けましたか。どれどれ、1番前に座っているA君は立派な字で書けていますね。さて、この紙の上には何々の何々の何々と書いて下さい。何々には、自分の特徴を書きます。例えば、スポーツ万能ならスポーツ万能、テレビゲームにはまっているなら何々ゲームにはまっている、国語が得意なら国語が得意と書きます。先生なら、1年3組の担任になって明るいクラスにしようと思っている福地孝宏、と書きます。つまり、この紙は自己紹介のための紙ですが、自分の名前だけではつまらないので、名前の前に自分の特徴を1つだけ書くためのものです。書くことは何でも良いです。真面目に書いてもいいし、みんなを盛り上げるために面白いことを書いても構いません。1つだけに決められない人は、何々で何々で何々な誰々です、と書いて下さい。相談してはいけません。今、頭に浮かんだことをパッと書いて下さい。後から書き直せば良いので、まず、今、頭に浮かんでいことを書きなさい。はい、それを書きなさい!」

 ここで、「何々の」に相当するものとして、例を黒板に書きます。それによって、先生が作りたい学級の雰囲気が出来上がると思います。ここでは、中学校に関することを紹介しておきます。
板書例
 1 友達をたくさん作りたい。
 2 はやく友達の名前を全員覚えたいと思っている。
 3 (小学校では喧嘩が多かったので)喧嘩をしないと心に決めた。
 4 部活を3年間続けようと思っている。
 5 (忘れ物が多かったので)忘れ物をしないと誓った。
 6 英語を頑張ろうと思っている。

 「だいたい書けたようですね。この紙は生徒手帳に挟んで下さい。明日、紙に書いたことを発表してもらいます。短い文なので、紙を見ずに、大きな声で発表します。家で、ゆっくりと大きな声で発表する準備をしてください。だいたい10秒ぐらいだと思うので頑張って下さい。もちろん、たくさん自己紹介をしたい人もいると思うので、そうですねえ、1分までなら良いことにします。そして、全員最後に、よろしくお願いしますと言ったら、全員で大きな拍手をすることにしましょう。ぼそぼそやると盛り下がるので、大きな声でテキパキとやることにしましょう。」


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