このページは、Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスンです。

はじめに

1 新卒の思い出

1 中学生が先輩に見えた新卒の頃
 私は、22歳で名古屋市立中学校の教諭として教壇に立ちました。それは「不安と希望に溢れたスタート」ではなく、今思い出しても「右往左往するばかりのスタート」でした。全てが初めてのことばかりで、小学校から上がってきたばかりの12歳の中学生を「先輩」のように感じていました。実際、私は彼らから多くのことを教えてもらいました。

 赴任先の学校は手つかずの豊かな自然の中にあり、広い学区の境界に住んでいる生徒は毎日1時間かけて歩いて登校していました。生徒数は多く、各学年9クラス(ほぼ40人/クラス)だったと記憶しています。このような環境で、私は1年D組の学級担任、1年の理科担任、剣道部顧問、生徒会顧問、その他にも学習や行事など山盛りの仕事を頂き、教員としてのスタートを切りました。

2 プロ教師の立場と責任
 初任校での私と生徒は、微妙な関係でした。私と1年生は同時に入学したのですが、彼らは義務教育の場(学校)の生活に慣れています。小学校からひき続き、「教えられる立場」にあります。しかし、私は遊び呆けた大学生としての生活から一変。生まれて一度も経験したことがない「教える立場」のプロになりました。2週間の教育実習をした経験はありますが、実習生とプロは比較になりません。しかも、私は自分が中学だった頃の子どもの心も失っています。つまり、プロ教師(大人)の世界も中学生(子ども)の世界もわからない存在だったのです。

3 生徒から教えてもらう
 当時の私は、先生の仕事や先生らしい行動など、本当にたくさんのことを生徒から教えてもらいました。とくに、初めの1年間は覚えることばかりで、教えたことは何もないような状態でした。私が子どもに教えた量より、私が教えてもらった量のほうが遥かに大きかったと思います。先輩の先生方はもちろんですが、学級や教科担任の子ども達から学ばさせて頂いたのです。この頃の思い出は、今から振り返ると赤面することばかりですが、当時の経験が現在の私の基礎となっています。

4 若手教師のみなさんの健闘を祈ります!
 このHPを読まれている方も戸惑い連続かと思いますが、今の感覚を忘れないように記録し分析することは、将来に役立つと思います。失敗を恐れず、何ごとにも挑戦し、どん欲に吸収していって下さい。みなさんの健闘を祈ります。

2002年初掲載
2010年11月23日加筆

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