このページは、Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスンです。 |
はじめに
6 先生はうざい、と言われたら
1 あの先生がわからない、と言われたら
私は、たくさんの生徒から、「あの先生は何を言っているのか分らない」と相談を受けたことがあります。そのような時、「先生もよくわらない」と答えます。本当に分らないことがあるからです。すると、生徒はとても喜びます。分らないのが自分だけではないことがわかったからです。生徒と私は共感し、心がつながります。そんなつながり方もあるのです。2 生徒は、理解しようと努力している
次に、「あの先生はわからない」という生徒について考えてみましょう。その生徒は、先生が何を言いたいのか、何をしたいのか理解できません。私に「理解できない」と言ったのは、その先生を理解しよう思っている証拠です。努力したけれど、自分の力ではできない、先生、何とかならないかあな、と相談に来たのです。もし、あなた自身が「先生の授業は何をやっているのか理解できない」と言われたら、生徒の努力に気づきましょう。そして、あなたも生徒に近づく努力をしましょう。本当に理解するためには経験と知識と技術が必要ですが、第1歩はその姿勢です。まず、あなたの姿勢を生徒に理解してもらいましょう。3 無知の知 (むちのち)
そもそも、ある生徒がある先生を十分に理解することはできません。逆に、先生が生徒を十分に理解することも不可能です。よく考えれば、生徒どうし、先生どうしでも同じです。大切なのは、100%理解しあえないことを知ることです。古代ギリシャのソクラテスは、これを「無知の知」といいました。生徒を理解しようと努力すればするほど、限界が見えてきます。限界が見えるということは、自分ができたことが見えるということです。ほんの僅かでも理解できたと感じられるなら十分です。冒頭1で述べたように、生徒と私はその点で共感、理解しあったのです。4 先生はうざい、と言われたら
「うざい」は、何度も同じことがくり返される場合に使われます。小さな蠅が同じ場所を飛び回るようなもので、五月蝿い(うるさい)ということです。あなたが、生徒から「うざい」と言われたら、違う方法を考え、アプローチしてみましょう。別の角度から生徒を見てみましょう。生徒から、「なるほど」「面白い」「私と同じ!」と言われるかも知れません。頭を柔軟にして、いろいろな角度から試してください。もっとも有効なのは、「うざい」と言う生徒の立場から考えることです。5 あの先生を遠ざけるようになった生徒
あなたを理解できなくて疲れ果てた生徒は、遠ざかります。それは、尊重すべき生徒の努力の結果です。ただし、教師として言うべきこと、注意すべきことは、何と言われても言いましょう。それは先生の仕事です。ただし、4で述べたように、何の工夫をすることなく繰り返すなら、「うざい」という生徒に同調する生徒が出てきます。それがあなたの学級なら危険です。6 あなたを理解してくれる生徒に相談しよう!
「先生のどこが悪い?」「何を変えたら良い?」と相談できる生徒がいるはずです。ためらうことなく、質問してみましょう。親身になって教えてくると思います。その姿勢に共感し、先生を助けてくれる生徒が少しずつ増えてくるはずです。私は、今でも分らないことがあると、生徒によく相談します。そして、わかったことやできたことを生徒に報告します。生徒はとても喜びます。私もとても喜びます。2011年1月9日