このページは『Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。 |
第6.3章 校 則
7 ピアスとタトゥーは禁止
1 ピアスとは
ピアスは、耳、顔、舌、唇、へそ、その他、体のあらゆる部分に穴をあけ、その穴に装飾品を取り付けることです。ピアスという語句の意味は「突き抜ける」です。2011年現在、ピアスは日本の国内法で禁止されていませんが、ほとんどの中学校で禁止されています。ただし、生徒手帳に『ピアス禁止』を明記している学校は多くありません。その理由は、『中学生の常識』として日本社会に根づいているからです。これは、校則より強い力をもっています。また、世界各国には、宗教上の目的を達成したり、社会的身分を示したりするために、親が子にピアスするところがあります。もっぱら、装飾目的でピアスをする日本とは大きく違います。2 日本の高等学校の姿勢
私が知っている範囲で、ピアスを許可している高等学校は日本にありません。ピアスの目的は装飾であり、教育という学校本来の目的を損なうものである、と考えているからです。実際、中学生に対して「ピアスをしている中学生は、本校の校風に合わないので、受験していただいても不合格になります」「面接の時に、耳を見せて頂くことがあります」と説明する高等学校もあります。3 私の実践例:ピアスをしてきたA子(中学2年生)
19**年11月24日、当時2年生の生活係だった私は、ピアスをしてきたA子を取り締まるため、学校全体に以下の提案をしました。生活指導部会で検討し、かなり厳しい対応をとることを求めました。この時、学校にピアスを着用してくる生徒はほとんどいない状況だったので、初期対応が大切だと思ったからです。
19**年11月24日
学校にピアスをして来た場合、取り上げる
万一従わない場合、ピアスを外してから再登校するように指導する。実際問題として、学校に来れなくなる可能性もあるが、学校として厳しい姿勢で臨む。これは、全校生徒に対して同様に指導する。
翌日、私がマークしていたA子がピアスをしてきたので、すぐさま『ピアス没収』を宣言しました。なぜなら、彼女には、すでに警告してあったからです。A子は抵抗しましたが、私の厳しい姿勢にしたがい、ピアスを渡しました。私は母親に電話連絡し、ピアスを母親に返却したいと申し出ましたが、「捨ててください」との返事だったので、私は捨てました。その後、私は、A子のピアスを3回(3個)捨てました。毎回、母親に連絡し、許可を得てから捨てました。A子の耳の穴は、卒業するまでふさがりませんでしたが、3年生になってから、私の耳にA子がピアスをしてきた、という話は入りませんでした。その他、10人ほどの女子生徒がピアスをして来ましたが、同じように対応したので、結果として、ピアスで困った経験はありませんでした。
4 自分で穴をあける中学生
中学生は、自分で穴をあけます。市販されている専用の道具(ピアッサーなど)を使うこともありますが、画鋲や安全ピンを使います。私は、その穴を見せてもらったことがありますが、何日たっても血が出ていたり、膿んでいます。友達どうしてあけることが多いのですが、その場の雰囲気でやってしまうので、不衛生になることが多いようです。また、2011年現在、ピアスに興味をもつ生徒の男女差はありません。これは10年前と大きく違う点です。5 タトゥー(刺青、入墨、いれずみ)とは
刺青は、ピアスと同じように、身体を装飾するために身体を傷つける行為です。針を使って皮膚を傷つけ、その下に色素を入れます。色素による文字や模様は、半永久的なものです。2011年現在、日本の国内法で禁止されていませんが、18才未満の少年に刺青することは禁止されています。当然、中学生の刺青は法律違反です。少年の刺青が禁止されている理由は、それが犯罪者の識別に使われていたこと、暴力団関係者の印になっていること、簡単に消せないことなどです。6 自分で刺青する中学生
2011年現在、自分で刺青をする中学生がいます。安易に真似されることを防ぐため、詳細は記しませんが、直視できない刺青を何度も見たことがあります。一般の方は信じられないと思いますが、中学生の興味は「タトゥー」という軽い語感、多様な有害メディアによって、刺青まで拡大しています。学校という教育現場で、計画的な指導が必要な時代になっています。7 中学生のみなさんへ
刺青は絶対にいけません。理由はありません。18才以上になってから、自分で判断できるようになってから考えてください。2011年1月6日
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