このページは『Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第6.3章 校 則

2 生徒手帳は、毎日持参すること

1 生徒手帳は、中学生と高校生が持っている
 2010年現在、名古屋市の中学校の生徒は、全員生徒手帳を持っていると思います。私が中学生の時もありましたので、少なくとも35年前から存在しています。小学生が持っている話は耳にしたことがありませんが、高校生はよく持っています。つまり、生徒手帳は、中学生と高校生が持っている、学校単位で発行した手帳です。手帳には、各学校の校名、校章が印刷されています。

2 手帳の内容
 手帳の1番大切なページは、身分証明書(在学証明書)のページです。そこには、生徒の氏名、学年、学級、生年月日を記入し、校名、学校長名、公印によって証明されます。学割のサービスを受ける時に、提示を求められることがあります。その他の内容は、学校の教育理念(校訓)、校歌、校則、生徒会規則、災害時の心得、年間予定、時間割、カレンダー、メモ欄、家庭と学校の連絡欄、通学路などがあります。

3 手帳の大きさ
 手帳の大きさは、胸ポケットにちょうど入る大きさ(B7版)がほとんです。

校則1
 生徒手帳は、毎日持参すること。

4 身分や在学を証明する
 生徒手帳の1番大切なページを思い出してください。それは、身分や在学を証明するページでした。顔写真が添付されているものなら、校外での証明に十分役立つでしょう。さらに、登下校の途中でトラブルに巻き込まれた場合、手帳を持っていれば速やかに対応したり解決したりできるでしょう。

校則2
 欠席、遅刻、早退、出席停止の場合は、生徒手帳の連絡欄に記入すること。

5 保護者との最も重要な連絡事項
 保護者との最も重要な連絡事項は、何だと思いますか。それは、「生徒が登校したこと、遅刻したこと、早退したこと」です。生徒がどこにいるか、それが最重要です。行方不明になっていないことです。悪い生徒は、朝いつもの時間に家を出て、寄り道をします。あるいは、部活動があると嘘を言い、夜遅くまで遊びます。これを防止したり、あるいは、同じ過ちをくり返さないためにも、保護者と教師が手帳を使って確認しあうことは非常に重要です。欠席、遅刻、早退は、とても大きなことです。その意味を教えるためにも、1回ずつ確実に記入し、確認しあうようにしてください。

6 その他の手帳活用例
(1) 自分のクラスの時間割りを記入する
(2) 担当の先生の名前を記入する
(3) 自分の係や委員名など、学校におけるポジションを記入する
(4) カレンダーを開いて、学校行事や個人的なことをメモする
(5) 校則のページを開いて、みんなで確認する
(6) 家庭と学校の連絡欄を大切にする

7 私の生徒手帳の活用実践例
 私が学級担任をしていた頃は、生徒手帳を毎日の連絡に使っていました。生徒手帳はとても小さいので、毎日書くとすぐにいっぱいになってしまいます。しかし、面倒くさがり屋の忘れ物が多い生徒にとっては、そこが良いのです。ほんの一言、ひと文字、ひと単語で良いからメモさせることによって、重大なうっかりミスを防止できるからです。年度当初は、時間をかけて、メモ欄いっぱいに書かせます。私が板書し、それを生徒が写します。少なくとも10分はかかるでしょう。このような日が1週間ぐらい続きますが、その後は、だんだん少なくなります。1ヵ月もすれば、各教科の連絡は『いつも通り』になるので、何も記入しない日がでてきます。この頃には、メモ欄ではなく、カレンダーに記入させても良いでしょう。これを習慣づけると、手帳を大切にするようになります。もちろん、手帳を紛失することもなくなります。連絡帳が書けない生徒で困ってている! という先生は是非お試しください。ポイントは、記入できたか1にんずつ確認することです。巡視して「オッケー!」「よし」「よし」と言ってほめたり、書いた手帳を先生に見せるように頭上に挙げさせ、1つずつ指差して、「いいよ!」などと一声かけてください。良いコミュニケーションになります。

8 家庭との連絡欄は、生活面で最重要です

 体調が悪いので体育を見学したい、足の小指を骨折したのでサンダルで登下校したいなど、家庭からの要望を手帳に書いてもらいます。直筆が良いでしょう。学級担任は、印鑑を押したり、お大事に、と記入したりします。たったそれだけのことですが、事情を知らない先生から声をかけらた時、生徒は自信をもって答えられます。この安心感はとても重要です。保護者(自分の親)と先生がきちんと連絡を取り合い、理解しあい、それが自分が持っている手帳に書いてある。この事実は、生徒の心をとても安定させます。

 また、私は自分から手帳に連絡を書いたこともあります。(体育大会の)持久走の選手に立候補してくれました、学級旗のデザインをしてくれました、など学級全体に関わる事実を1文で記入しました。保護者からの返事はほとんどありませんが、私が手帳に記入した、その事実が重要だと考えていました。何かのチャンスがあれば、いつも手帳を取り出し、誰にでも見せることができるからです。誰に見せても恥ずかしくない、立派な行いを証明しておくのです。生徒は自分から誰にも見せないと思いますが・・・

2011年1月3日

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