このページは『Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第2章 How to 授業

1 面白い授業をしよう!

1 授業がきちんと分かること
 「面白い授業」の原点は、「教科書の内容が分かること」です。新しいことが分かることは、単純な「面白い」を越えた大きな歓びです。したがって、先生は授業で面白いことを言って笑わせる必要はありません。黙って教科書とノートと黒板をにらめっこしていても、本当に面白い授業ができるはずです。さもなければ、生徒は先生が準備してくれた「面白い」を期待する客になります。そんな面白いは長続きせず、先生は簡単にダウンするでしょう。

2 中学生が最高に面白いと感じること=テストで満点を取ること
 テストで100点をとった自分を想像して下さい。最高に面白いでしょ! そこまで開き直りましょう。とても簡単な授業で、全員に100点を取らせましょう。授業で全員が喜びや面白さを分かち合えるのは、学校生活における最高の歓びの1つです。家庭に帰ってから、保護者に誉められることも大きな喜びです。授業は、順位がなければ面白くない100メートル競争とは違います。学習の本質は、知らないことを知る、できないことをできるようになる、その歓びを全身で味わうことです。

3 テストで平均点なら、とりあえず合格!
 『テストで平均点ならとりあえず合格』ということは、授業でも平均点とれたら合格です。簡単な授業内容なら100%理解(100点)できますが、内容によって70%、50%しか分からない時があります。難しい内容のときは、初めに『今日の授業の平均点』を示しても良いでしょう。途中で分からなくなっても、最後まで我慢できる生徒が増えます。

4 30点で満足する生徒もいます
 テストで0点の生徒は、30点で大満足です。授業では、その生徒に応じた内容で『合格』をあげましょう。低学力の生徒は、自分が低学力であることを痛いほど知っていますから、先生からの『合格』という言葉によって、学習意欲を高めます。黒板を半分しか写せなくても『合格』、大満足の生徒がいます。授業で何か1つ、新しいことができたり見つけたり理解できたりすれば十分です。1人ひとりの生徒のレベルを把握し、そこから1つ成長することを目標としましょう。

5 次に、あなたに質問です
 面白いと感じるのは誰ですか? 先生ですか、それとも、生徒ですか。私の答えは・・・両者です。しかし、先生が生徒より100倍以上面白さを感じなければいけません。先生は、学習内容を通して、知的な歓びを教えているのです。初心者先生なら、生徒のことを一旦忘れて、目の前の学習内容と正面から向き合って下さい。その姿勢を示すことも非常に大切です。生徒より先生の方がより楽しいと感じなければ、学習の楽しさや面白さを教えることはできません。

6 偉大な先輩達の面白い、を体験する
 偉大な学者の業績を学び、その内容を理解し、自分のものにすることは最高に面白いことです。理科の先生なら、自然の神秘を1つずつ解き明かしていった科学者達の発見の喜びを教えて下さい。当時、誰も分からなかったことが見つけた感動を教えるのです。その感動は具体的な数字や言葉によって表現されてこそ本物です。その目標を達成するために、少しだけ実験や観察を付け加えます。既成概念を打ち破るような実験をする必要はありません。今まで分からなかったことが正確に理解できるだけで十分です。

7 将来の面白いために、我慢する授業もある
 私が尊敬するある体育の先生が、こんな話をしていました。「ゲームをするのは面白いけれど、ゲームばかりじゃ行き詰まるから、基礎トレーニングが大切だ」つまり、毎時間楽しいことを求めるのではなく、長い単元の中にいくつかの辛い授業時間があるからこそ、楽しい時期があることもお忘れなく。長い目で教育しましょうね。

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