このページは、Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスンです。

第10章 楽しい集会

10 笛の吹き方

1 楽しく笛を吹いてみよう
 普段の学校生活で笛を吹くチャンスはほとんどありません。しかし、運動場や体育館での学級レクリエーション、学年行事(校外学習、スポーツ大会、集会など)、学校行事(体育大会など)などで積極的に笛を吹いてみましょう。先生の声だけでも十分ですが、子どもや先生自身が気分を変えて楽しめるようにしましょう。笛の準備は大きな手間にならないので、是非とも実践して下さい。注意して欲しいことは、笛は子どもを操るために使うのではなく、「先生と子どもだけの約束事」として愛情と信頼を持って吹くことです。笛は、言葉に依らない先生の表現の1つであり、いつもとは違う雰囲気を持つ、心弾むアイテムです。

2 吹き方を練習しよう
 笛だと思って、馬鹿にしてはいけません。何度も笛を吹いて練習して下さい。そして、先輩にあなたの笛の音を聞いてもらって下さい。先輩や体育の先生に吹いてもらってもよいでしょう。おそらく、全く違う音色と迫力がある音が出ることにびっくりすると思います。

3 吹き方の基本

(1)1番始めを全力で強く吹く
 始めの練習は、笛をくわえずに行います。上顎に舌をつけて息が出ないようにし、腹筋や横隔膜を緊張させて空気の圧力を高めます。十分な圧力になったら、舌を開放して、ごく少量の空気を一気に出します。この時の音は、喉を振動させていないので表現し難いのですが、あえて言うなら英語の「Tu」です。空気が破裂する音です。
 このように一気に空気を放出できるようになったら、笛をくわえて音を出します。そうそう、笛をくわえるにもコツも紹介しておきましょう。それは、吹き口の先端部分を前歯でしっかりと噛んで固定することです。

(2)鳴り始めたら、笛に任せる
 鳴り始めたら、無理に吹く必要はありませんし、吹いても無駄です。笛が持っている性能に任せるしかありません。一番良い音がでるように吹いてあげて下さい。ただし、空気の量はそれなりに必要なので、たっぷり吸っておく方が良いでしょう。
 高性能の笛は、ほとんど空気を使わずに空気を振動させます。

(3)均一な音を出す
 笛の音は均一で1種類しかありません。どんなに短い音でも同じです。吹いている途中で音色が変わるようではいけません。

(4)吹き終わりは舌で止める
 吹き終わりは、吹き始めと同じように舌で息を操作します。練習する時は、(1)で説明したように、短い「Tu、Tu、Tu」の音が出るようします。口(唇)は半開きで状態で、上の歯と下の歯の隙間を3〜5mm開け、その間に瞬間的に舌を出すことで止めます。2回目の「Tu」は、歯と歯の隙間から舌が出ている状態から舌を引っ込めて空気を出し、一瞬のうちに再び舌を隙間に埋めます。3回目以降の「Tu」は、すべて2回目と同じです。この舌の動きを何度も繰くり返し、ごく自然にできるようにして下さい。

4 いろいろな音

(1) ピ、ピーーーー
(2) ピ、、ピー
(3) ピッピッ
(4) その他、先生のオリジナルを

5 自分の笛を買おう
 笛の種類によって音が違うのは当然です。何種類かの笛を試し、あなたの好きな音色を探して下さい。私が新卒の時は、引き出しに中に3種類の笛を入れていました。行事や目的に応じて、笛を変えて楽しんでいました。そうした遊び心やセンスは、子ども達の活動と心を豊かにさせます。

6 子ども達と約束しよう
 笛の準備が完了し、吹く技術ができたら、いよいよ子ども達の前で吹きましょう。そして、全員集合させて、いくつかの約束事をします。例えば、「ピ、ピーーーー」は「男女別各一列で集合」、「ピピ」は「笛を吹いた人に注目」などです。もちろん、笛を多用すると心を失いがちになるので注意しなければいけませんが、ポイントを抑えた笛はとても有効です。その後の先生の言葉とのメリハリもつきます。

7 笛以外で音を出そう
 私が尊敬する体育の先生は、授業で何種類かのタンバリンを使っていました。また、音楽の先生はウッドブロックを叩いていました。笛に限らず、楽器や道具をきちんと使いこなすことができれば、それは先生の表現の1つとなり、指導の幅を広げます。是非、いろいろなことに挑戦して下さい。「練習しなくても笛ぐらい吹ける」と思ったら大失敗します。何度も練習して、カッコ良く吹いたり音を出したりできるようにして下さい。子ども達は、そうした先生に憧れ、一生懸命学ぼうとするものです。

2008 10 19

↑ TOP

[Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン]
[→home

(C) 2008 Fukuchi Takahiro