このページは『Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第7章 悩んでいる生徒

13 ガラスの壊れもの(過保護に悩む生徒)

1 Aさんの心の声
 私はもっと強いから、たくましいから、見守っていて欲しいの。なのに、先生や親が「いじめだ!」「大丈夫?休んでいなさい。」「あいつのほうが悪い」「おまえを守ってやれるのは私しかいない」などど勘違いするから、私はそれに甘えてしまって、そこから成長することができません。だから、本当に私に強くたくましくなって欲しいと思うなら、私を放っておいて! 自分で解決できるから。もちろん、話はたくさん聞いて欲しいけど、助けてもらおうとは思っていないわ。 もし、助けて!といっても、突き放してくれるぐらいが、ちょうどいいのかも知れない! (2002年に記す)

2 Aさんが伝えたいこと
 上記は、Aさんが私に打ち明けた心の内を、彼女に代わって書いたものです。ここでの問題点を整理すると、次のようになります。
(1) 大人が神経質になっている。
(2) 大人が過干渉になっている。
(3) 大人が自意識過剰になっている。
(4) 大人が子どもを信用していない。
(5) 大人が子ども自身が問題解決するための時間を待ってくれない。

3 可能性の芽を育てる
 厳しく意見を述べるなら、Aさんをとりまく先生や保護者は、Aさんを自分以下の人間として扱っています。Aさんは経験が浅く、大人のように強くありませんが、同じ人間であり、多くの可能性を持った人間です。独立した1人の人間として、自分で問題を解決できる人間として見て下さい。できなかったことも、失敗したことも、いじめられたことも、自分で解決できる可能性をもっているのです。その可能性の芽を摘んだり、必要以上に水や肥料を与えてはいけません。じっと見守る時間が必要です。とてもゆっくり成長するタイプの子どもがいます。

4 自分のため!・・・それは間違いない真実
 子どものため! という言葉を連発するようになったら要注意です。これは、教師も保護者も同じです。「子どものため」と言いながら、子どもを自分の欲望を満たす道具にしていませんか。私はいつでも自分のために行動しています。自分がやりたいから、自分のためだけに活動しています。このHPを書くことも自分が書きたいからです。直接であったことがないあなたに読んでもうことを夢見て、書きたいからです。

2007年12月7日

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