このページは『Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。 |
第7.2章 子どもとは何か
2 人の発達段階
その問題行動の原因が形成されたのはいつか?
昔、大学で勉強しました。子どもの発達には順序と段階があるそうです。理想的な環境ならいざ知らず、実際にはたくさんの障害が待ち構えています。放任、愛情不足、両親の不和などの原因によって、ある段階が適切に発達せず、後遺症を残す例がたくさんあります。世界を例にとれば、児童期(ギャングエイジ)に友達と徒党を組めなかった某国大統領は、人命を省みない世界征服によって失われた児童期を取り戻すために武器を正当化しています。
このような現代社会の問題を分析するためにも『発達段階』を知っておくことは有効です。そして、私たち教育者は、正しい教育によって解決できるチャンスがある年齢の子どもを預かっているのですから、全力を尽くして問題解決に務めましょう。
下表はピアジェ、フロイト、エリクソン、孔子の理論を参考にしてまとめましたが、後半は、MR. TAKAのオリジナル理論が追加されています。
◎ taka先生がまとめた、人の発達段階
1 乳児期
(0〜3歳)(1)自分の欲求だけで生きている。
(2)体が急激に発達する。
(3)第1次反抗期(行動面での自立、大人の保護、禁止、命令との衝突)
(4)具体的、かつ、自己中心的な思考。
→ この時期に母親の十分なスキンシップがないと、長年にわたって重大な発達阻害を引き起こす。学校への不登校、対人恐怖症、自己や他人を愛せない、など。2 幼児期
(3歳〜6歳)(1)アニミズム:全てのものに命や心がある。
(2)人工論:人間が全てを作った。
(3) 実在論:夢や空想のものが実在する。
(4)自分より強いものがいることを学習する。
→ 過保護にされると自己中心的になる。
(5)チャレンジすることを学習する。
→ 禁止されると禁欲的になる。3 児童期
(6歳〜12歳)(1)具体的思考→ 客観的(論理的)思考。
(2)機械的記憶の発達。
(3)ギャングエイジ(徒党時代)同年代の仲間で集団をつくる。
→ 乳幼児でスキンシップがなかったり、幼児期で過保護にされると集団の中に入れず、集団の規則を作ることも守ることもできない。
(4)やればできることを学習する。
→ 比較され、失敗すると劣等感を持つ。
(5)自制することを学習する。4 青年期
(12歳〜22歳)(1)第二次反抗期:精神面での自立。
(2)自我同一性:アイデンティティ。自分はこうなりたい、こうである。
(3)第二次性徴:初潮、精通。
(4)機械的記憶→ 論理的記憶。
(5)疾風怒涛の時代:感受性が鋭い、自己統制力が弱い。
(6)猶予期間(モラトリアム):社会的義務から逃れられる時期。
(孔子)志学(15歳):学問で身をたてようと決意する。5 成年期
(22歳〜40歳)(1)特定の人と付き合う。
(2)相手を尊重し、愛することを学習する。
→ これに失敗すると、現実からの逃避→ 孤独。
(3)自分の子どもができたり、異性から十分に認められることで性的安心感を得る。
→ これに失敗すると、嫉妬、売春、不倫→ 社会的犯罪。
(孔子)而立(30歳):学問によって1人立ちする。
(孔子)不惑(40歳):心の迷いがなくなる。6 中年期
(40歳〜65歳)(1)他者を育てる(自分の子供、部下、後輩など)。
→ これに失敗すると、停滞→ 絶望。
(2)生物学の立場からは「40歳で死んだ」と考えることもできる。
→ これを記述した筆者は45歳(1度死んだとものとして生きている)。
(孔子)知命(50歳):天から自分に与えられた使命を知る。
(孔子)耳順(60歳):何を聞いても素直に受け入れることができる。7 老年期
(65歳〜100歳)(1)自分の人生を振り返り、第2、第3の人生を計画する。
→ これに失敗すると、生に執着して死に恐怖を感じる。
(孔子)従心(70歳):心のまま何をしても人の道を外さない。8 新生期
(100歳〜)(1)不特定多数の他者の中に、新しい永遠の命を得る。
→これに失敗すると、永遠に忘れ去られる。
(2)肉体の新陳代謝は低下するが、完全に停止することはない。
→医者から死亡を宣告されても、細胞レベルでは大部分が活動している。これでいくつかの問題行動の原因が分かったと思います。そして、それを解決するためには、つまずいた年齢まで戻る必要があります。時にはまるで赤ちゃんをあやすように「いい子ね、いい子ね。」と頭を撫で回し、時には小学校3、4年生の徒党集団が作ったような規則を尊重し、校則を破る遊びを見逃してやる必要があります。それを繰り返すうちに、子どもは発育し、自分自身を受け入れ、集団の規則を守れるようになります(無意識、遊びの中で形成される)。
また、問題の根本原因は両親にあります。教師がいくら頑張っても親には勝てません。120%の努力をしても、親の1%に及びません。そのことを肝に命じて、奢ることなく子どもと同じように親も育てて下さい(これは新任教師には荷が重過ぎるかな・・・)。
最後に『発達段階』についての余談ですが、
中年期の私は、これまでに得た経験や知識をHPで発信することで『停滞→絶望』から逃れています。おじさん、おばさんも適切な順序で発達しなければ、問題行動が発生します。停滞したり絶望しないように、『自分の喜び=他人の喜び』となる活動をしましょう。でも、これは順調に発達してきた人の話で、幼い段階でつまずいた人は、自分勝手な中年でも楽しく生きていけることを確認し、自分だけの喜びを追求し、誰の役に立たなくても自分だけが楽しめることを見つけ、自分で自分だけを喜ばせて下さい。それに満足し、自分だけの喜びに飽きてしまった中年だけが、次の段階『自分の喜び=他人の喜び』に移行します。自然に変わります。まだの人は、焦らないように。変な宗教や理論に走らないで下さい。人生を楽しみましょう。
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