このページは『Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第6.2章 アドバイス、説教と懲戒

1 軽いアドバイスの仕方

1 軽いアドバイスとは
 男子生徒のズボンのチャックが開いていたら、さっと場所を移動して教えてあげましょう。女の先生で恥ずかしいなら、男の先生に頼んでください。これと同じように、ある生徒の言動(言葉や行動)のうち、助言した方がよいと判断されることは、積極的にアドバイスしましょう。とくに、無意識に行っている場合は、さらりとアドバイスしてください。

2 2人だけの秘密だけど、ズバリ言います
 先生がアドバイスしようと思うことは、生徒自身も薄々感じていることです。「それは良いから、ずっと続けてみよう」「ちょっとまずいから、やめなさい」のように、理由なしで軽く後押しする『一言アドバイス』は理想です。先生の言葉はとても重みがあるので、一言で十分です。

3 相談室ではなくて、ちょっとだけ移動して
 1分程度必要とする場合は、友達や他の先生の目の触れない場所に移動します。さっと短い距離を移動します。校舎を出てすぐ、階段を降りて曲ってすぐの位置などです。そうとう重要な問題でない限り、相談室に行く必要はありません。また、重大な事件で生徒が興奮している場合も相談室に移動することは逆効果になります。その場で、一気に話し合いをします。その場合はアドバイスとはいえませんが・・・

4 アドバイスするタイミング
 アドバイスのタイミングは、生徒が問題を起こした瞬間、あるいは、先生が「今がその時」と感じた瞬間です。とくに、自分の言動をすぐに忘れる生徒、前のことを正確に思い出せない生徒の場合は、問題行動の瞬間に声をかけてください。「それ!」「今の・・・」と言ってアドバイスしましょう。本人のプライドが傷つかない内容なら、友達の前で指摘することも有効です。真剣なまなざしでズバリ言います。

5 先生の情熱を伝える
 いつでも話せる内容の場合は、先生が話したいという気持ちを大切にして下さい。君に伝えたい、という先生の情熱を伝えるのです。先生が話す内容は決まっているので、それを逃してしまったら、生徒の心に響くアドバイスはできません。先生が話をしようとしている内容は、ごく当たり前のことであり、生徒はこれまでに何回も聞かされているでしょうから。

6 生徒を真直ぐにみて話す
 生徒に話をするときは、生徒をしっかり見て話します。ただし、あまり先生が両目で凝視すると、萎縮することもあります。よほど酷いことをした場合は、お互いの目をみて話しますが、軽いアドバイスの場合は違います。もし、話している途中に、生徒が先生を凝視するようになったら、先生は視線を柔らかくします。生徒は、先生の真意を見抜こう、先生の言葉の奥にあるものをつかみ取ろうとしています。場合によっては、こちらも視線を強くすることもありますが、どちらが良いかは場合によります。(生徒が先生を疑っている場合も、凝視します) また、生徒に対して、先生の正面に向くことを強制していけません。それはアドバイスではなく、命令を告げるときです。

7 アドバイスの内容
 当たり前の内容を、ごく短時間で1回だけ言います。基本的に1分以内で終了しなければいけません。くどくどとした話は、嫌がらせに近い『説き伏せ』です。正当なアドバイスや心に響くアドバイスは、短時間になるよう工夫、努力しなければなりません。

note
・一般的な会話では、話をする時は、相手の目を正視しません。時々、相手が話を聴いているか、その状態を確認するだけです。逆に、話を聴く人は、相手の顔をずっと見ています。
・恋する男女の会話は、どちらも相手の顔を見つめあって会話します。話の内容より、2人で時間を共有していることが重要だからです。

2007年12月13日

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