このページは『Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第5章 笑顔の生活指導

1 学校でナイス・スマイル

1 ナイス・スマイル!
 目と目を合わせて最高に微笑むこと。それがナイス・スマイルです。

2 世界共通のナイス・スマイル!
 それは私の専門教科とは関係ありませんが、私が教師として最も教えたいことの1つであり、私が世界75ヵ国を歩いて学んだ最高に素晴らしいことの1つです。ナイス・スマイルは美しく、全てを受け入れ、絶体絶命のピンチから回避する力を持っています。この普遍的なナイス・スマイルを中学生に示し、彼らにその素晴らしさを体験して欲しいと思います。

3 社会のためのナイス・スマイル!
 ナイス・スマイルは一種の営業スマイル、外交スマイルです。ある朝の私は、寝ぼけた顔から始まります。そして、風呂と朝食で筋肉が動かし、通勤時間の読書で脳を活性化し、学校が見えてきた頃に準備完了! 校門をくぐったら、ナイス・スマイル! 目と目が合い、必要が応あれば「おはようございます」と声を出します。もちろん、体調不良や二日酔の朝は上手くできませんが、口元は最善を尽します。
→ いろいろな挨拶のページ『朝のふれ合い=挨拶=

4 最上級の言葉と一緒に
 学校内では、ナイス・スマイルを絶やしません。とくに廊下を歩く時は絶対にナイス・スマイルです。それは業務用の笑いですが、完全に自分の一部になっているので、ごく自然に笑っています。私をあまり知らない生徒は、にやけた顔を見て「キモー(気持ち悪い、の意味)」と言いますが気にしません。そんなときは、最高のナイス・スマイルで「おはようございます」「こんにちは」「さようなら」など、最高に丁寧な言葉を返します。基本的にナイス・スマイルに言葉は不要ですが、何か言われたら最上級の言葉で返します。このとき、スマイル以上の言葉や不要な言葉は慎みます。

5 ナイス・スマイル初体験の思い出
 ここで、私がナイス・スマイルを明確に体験した時の話をしましょう。それは、15年以上昔にロス(アメリカ合衆国)へ行った時のことです。当時は海外経験が浅く、色々な国籍の人がいることに驚き、道行く人々が微笑んでいることを不思議に思っていました。そして、住宅街の狭い路地で二十歳ぐらいの美しい女性と目が合った時、その衝撃的な初体験が訪れました。まだ30メートル以上離れているのに、彼女は微笑み、私から目を逸らすことなく一直線に近づいて来るのです。私は、天に昇るような気分でまばたき1つせずに足を動かし、すれ違いざまに「ハロー」と言うのがやっとでした。しかし、海外経験を積み重ねると、道で出会う人たちのナイス・スマイルは一種の自己防衛策であることに気づきました。つまり、スマイルを投げかけて相手の様子を見たり、自分は落ち着いているのよ、というサインを送っているのです。ロスの美女のスマイルは、私を警戒した上での行為だったのですが、それでも私の原点になっていることは間違いありません。私は完全に勘違いし、無力化されてしまったのですから、、、

6 幸せを与えるナイス・スマイル!
 ナイス・スマイルは全ての人に幸せを与えます。誰に対しても、最上級の人と同じように投げかけます。普通の中学生なら、数カ月も続ければ笑顔を返してくれるようになります。よほど過酷な環境で生活していた生徒でも半年です。逆に、今も厳しい環境にある生徒は、すぐに心を開き、翌日から「よっ!」「先生、おはよう!」「先生、元気?」などと声をかけてきます。学校では注意されることが多く、家庭でも独りでいることが多いからでしょう。本当は、彼らの言葉遣いを直したいところですが、そこは我慢して「おはようございます」「こんにちは」と丁寧な言葉を返します。このちぐはぐな挨拶は少し続きますが、彼らを尊重していることを示すには、それが最善で最短の方法です。

7 朝の準備体操はナイス・スマイル!
 最近は、朝学校に登校した時に、私にナイス・スマイルをする生徒が何人か出てきました。彼らは、それを朝の日課としているのです。朝から顔の筋肉を目一杯動かすのは大変ですが、それ以上の喜びを感じているのでしょう。私が感じるのですから、純粋な子ども達はもっと大きな電流が身体を駆け抜けているのかも知れません。そんな生徒が1人いれば、10人の友達が幸せになることでしょう。

8 教師という立場を越えた言葉
 なお、私が廊下で声をかける時には、いろいろなバリエーションがあります。「やっほー!」「ハロー!」「じゃあね」「ばいばぁーい」「エスパー」などです。これはナイス・スマイルとは関係ない、心を開かせるための挨拶です。これも、教師が先に心を開きます。しかめっ面はいけません。心が元気になる顔をつくり、声をかけるのが教師の仕事です。あなたもそんな先生の仲間入りをしませんか。誰も悪いことをしようとは思わなくなりますよ。恐い顔は、必要な時だけで十分です。

9 教師としての使命
 学校でナイス・スマイル! それは、私が私に課した教師としての使命の1つです。

2008 11 9

↑ TOP

[Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン]
[→home

(C) 2008 Fukuchi Takahiro