このページは、Mr. takaによる『若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第8章 職員室での対人関係

4 絶対に今日やる仕事

     ─ 今日の疲れをとること=帰って食べて寝ること ─
     ─ 明日できる目処が立った仕事はしない! ─

1 帰って食べて寝ること
 今日しかできない仕事は最優先させる、ということは理解できますね。それなら、今日は早く帰りましょう。今日の疲れを明日の持ち越してはいけません。今日しかできない仕事は、今日の疲れを完全に癒すことです。この基本を実践できない人は、長い年月を使って自分を壊し、自分を見失う結果になります。毎週末は安息、あるいは、自分のための時間です。完全なる休息を疎かにする行為は異常です。

2 明日できることは、明日やる
 明日でもできることは、今日してはいけません。今日しかできないことを探して、やるべきです。この鉄則は皆さん理解できますね。それなら、明日の計画を十分に立てたなら、明日に予定された仕事を残して、学校から帰りましょう。計画は十分に立てたのですから、自信を持って、胸をはって帰りましょう。心配ばかりしていては、あなたに近づく子ども皆が心配性になってしまいます。

3 先生の仕事は切りがない
 先生の仕事は、完璧を求めると24時間では足りません。ですから、自分で切りをつけて下さい。あれこれ欲張っているうちに、時計の針が深夜0時を回ることもあります。そんなことを重ねているうちに、「午後10時になったから、そろそろ終わろうか」と言って一斉下校する習慣がついてしまうこともあります。しかし、それは愚の骨頂です。あなたは自主的に教員を選んだのですから、それと同じように自分の仕事とそれに使う時間を決めなければいけません。周囲に流されているようでは、ろくな先生になれません。

4 今日しかできないことは、今日帰ること
 今日帰ることは、今日しかできません。これができるようになったとき、あなたはかなり一人前に近づいたと言えます。明日も一人前の仕事をするためには、今日の区切りを自分でつけて下さい。とは言うものの、先輩が熱心に仕事をしているのに、若輩者の自分が先に帰るのは心苦しいことです。教えてもらうことばかりなのに、「お先に失礼します」とは言い難いものです。しかし、そこは勇気をもって帰るべき時には帰らなければいけません。

 次に、残業している先輩を分析ししますので、それぞれのケースに合わせて自主的に行動して下さい。

主な残業の理由
 → あなたの対応

(1)学校で仕事をするのが大好き
 → その先輩の仕事を助けたり、一緒に仕事をしましょう。あなたも仕事が好きになるはずです。教師になって良かったな、と実感するでしょう。
(2)授業や部活動が大好き
 → 限られた分野において、心底から本気に取り組んでいるはずです。あなたも同じように興味あるなら、どっぷりとはまり込んで下さい。良き先輩であると同時に、年齢を超えた人間的な付き合いができるでしょう。ただし、学校が自分の趣味の場になったり、子どもが自分の言いなりになっていないか、十分に注意して下さい。
(3)校務分掌で、時間がかかる仕事が多く割り当てられている
 → 多くの学校では、処理能力が高く、若い独身の先生が割り当てられています。このような先生は余裕を失っていたり、自意識過剰になっていることが多いのですが、高い処理能力には見習うべき点がたくさんあります。チャンスを見つけて、積極的に仕事を手伝ってあげて下さい。単純作業でも進んで申し出て下さい。小さいながらも、たくさんの有益なノウハウを教えてくれるでしょう。
(4)仕事の処理能力が低い(丁寧過ぎる、手順が悪い)
 → このような先輩にならないように、反面教師としてよく見て学んで下さい。一般企業ならクビになってしまうような経済(時間)効率の悪い仕事は、見習う点はありません。同じ内容なら、短時間で処理するように創意工夫しなければいけません。
 また、生徒にもできる仕事を、先生が行なっている場合があります。例えば、授業後の黒板消し、単純なプリントの配付や回収は生徒にやらせるべきです。そうすることで生徒の自主性も育ちます。先生は、生徒ができない仕事に専念しなければいけません。
(5)家庭から逃避する方法として、職場に残る
 → 付き合う必要は、全くありません。
(6)職場以外に、自分の楽しみがない
 → 最悪に近い人間は、若い人を虐めることに喜びを得ます。先生といえども人間ですから、曲ってしまうこともあります。極端でなくとも、いろいろな場合はありますから、みなさんは相手を良く見て上手に付き合って、幅広い人間になるようにして下さい。

 もし、あなたが本当に好きで残っているなら、それは構いません。しかし、それでも心身に疲れがたまり、どうにもならない時もあるしょう。そんなときは、1週間ぐらい考えを切り替えてみましょう。病院に行くのではなく、お金を使って美味しいものを食べ、時間を使ってたくさん寝て下さい。

2008年5月11日

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