このページは『福地先生の教育の相談箱』です。 |
BOX1 小学校の先生
7月から不登校になった女児(5年生)
前回と同じ先生からのe-mail
福地先生
こんばんは。
今日は青空がとても美しい、素晴らしい一日でしたね。
雲一つ無いぬけるような青空が嬉しくて、しばらく空を仰いでいました。
先日は、お忙しい中相談にのってくださり、有り難うございました。
二人共、今のところ落ち着いています。度々のお願いで恐縮なのですが、今度は5年のC子のことで相談させて下さい(A男、B男とは違うクラスです)。C子は、入学当時から不登校気味ではありましたが、たまに遅れて母親と来たり、休んだりする程度で、長期にわたって休むことはなかったそうです。5年生になっても5月頃までは同じような状態だったのですが、6月頃から休む回数が増え始め、とうとう7月からは来られなくなってしまいました。2学期も一度も来ていません。先週の中津川にも行けませんでした(授業後、みんなが帰宅してから担任に提出物を持ってきたりすることは何度かあります)。
担任(20台、女性)は、毎日のようにC子に電話したり手紙を書いたり自宅を訪問したりしています。スクールカウンセラーさんにも相談にのってもらい、「一度、専門のクリニックで診てもらうよう勧めてみたら」のアドバイス通り、親に受診を勧めましたが、母親は「うちの子は、他の不登校の子とは違いますから、そんなところに行ってもよくなるはずはありません。」と全く聞く耳を持ってくれませんでした。C子と担任の関係は良いと思われます。
不登校の原因がどこにあるのか定かではありませんが、いじめでないことは確かです。例えば、「私が学校に行っている間、飼っている犬が元気でいるかどうか心配で仕方ないから学校に行けない」など、何かが不安で・・・という理由で登校を渋ることが多いようです。担任も、何とか登校出来ないか・・・と、いろいろ考えて実行してきて、「自分なりに出来ることは全てやった。あとは何が出来るんだろう?」と悩んでいるので、またまた福地先生のお力をお借りできたらと思い、お願いする次第です。
先日と同様、上っ面だけの情報のみで恐縮ですが、担任として何が出来るか、少しでもアドバイスをお願いできたら助かります。私は現在非常勤講師という立場で勤めています。5年生の全クラスに入り、ほとんど5年生と一緒に過ごしているものの、担任はしていません。なので私に出来ることは限られてはいますが、少しでも解決の糸口が見つかれば・・・と思い、メールさせていただきました。
福地先生の回答
こんにちは。
A男とB男は落ち着いてきたようで、良かったですね。
また、突然何が起こるかもしれませんが、その時は、またその時のということで、
今を充実させて下さい。
楽しくリラックスした時間や充実した時間を積み重ねることが大切です。さて、C子の不登校の原因の99%は家庭環境です。
現在、C子と学級担任の関係は良好、とのことですが、
担任が専門のクリニックを勧めているにも関わらず、
言い訳をして、何もしていないわけですから、
この先、担任が本気でC子のことに乗り出すと、
母親との関係が一気に悪くなることが予想されます。しかし、本当にC子を登校できるようにさせたいなら、
母親と対決する可能性もあることを想定した上で、
さまざまな具体策を取るべきです。この具体策とは、C子に対して行うものではありません。
母親に行うものです。まず、C子の言い訳「飼っている犬が、私が学校に行っている間、元気でいるかどうか心配で仕方ないから学校に行けない。」を分析しましょう。この場合、犬は母親を意味しています。つまり、自分が学校に行っている間に、母親がどこか遠くに行ってしまうのはないか、と不安なのです。一般的に、母親が不倫していたり、母親の心が家庭以外のところにいっている場合に起こります。
以上のことを総合すると、担任がC子のためにできることは、
母親と話をすることです。しかし、解決しなければならない部分がかなり深いので、
その部分まで切り込むには、担任の先生の人生経験の深さが要求されます。
若い先生には無理でしょう。
その場合は、人生経験を積んだ先生が話をすることになりますが、
実際問題として、入り込む余地はあまりないと思います。
母親は、専門の方の介入も拒んでいますし、、、このような場合は、それもまたC子の運命として、受け入れなければ仕方ないと思います。
担任の先生には、何もできなくても、何の非もないので気持ちを楽にして下さい。
自分が担当する子どもが、大人の都合に巻き込まれているのを傍観するのは辛いですが、
それも1つの人生です。担任が無理に関わりあうことは、C子にとって、
さらに心理的負担をかけることになるので、
あくまで、母親を中心として家庭に対して、
話し合い、という形で、
保護者の考え方や行動が変わるように指導していって下さい。またのご質問をお待ちしております。
福地孝宏
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