2 内 容
(1) 身の回りの物質とその変化
身の回りの物質についての観察、実験を通して、水溶液の性質、物質の状態変化及び気体について理解させるとともに、物質の性質や変化の調べ方の基礎を身に付けさせる。
ア 水溶液
(ア) いろいろな水溶液を調べる観察、実験を行い、溶質による水溶液の性質の違いを見いだすとともに、実験器具の操作、記録の仕方などの技能を身に付けること。
(イ) 物質が水に溶ける様子の観察、実験を行い、水溶液の中では溶質が均一に分散していること及び水に溶けていない物質を分離する方法を見いだすこと。
(ウ) 一定量の水に溶け得る物質の重さは物質の種類や水の温度によって違うことを調べる実験を行い、これを利用して溶質を分離できることを見いだすこと。
イ 物質の状態変化
(ア) 物質の状態変化についての観察、実験を行い、状態変化によって物質の体積は変化するが重さは変化しないことを見いだすとともに、物質そのものは変化しないことを知ること。
(イ) 物質が状態変化するときの温度の測定を行い、純粋な物質の融点や沸点は物質の種類によって決まっていること及び融点や沸点を利用して物質を確かめたり、沸点の違いによって物質を分離できたりすることを見いだすこと。
ウ 気体の発生
(ア) 気体を発生させてその性質を調べる実験を行い、気体の種類による特性を見いだすとともに、気体を発生させる方法や捕集法などの技能を身に付けること。
(2) 身の回りの物理現象
身の回りの事物・現象についての観察、実験を通して、光、音、熱、力及び圧力の規則性について理解させるとともに、これらの事象に対する科学的な見方や考え方を養う。
ア 光と音
(ア) 光の反射や屈折の実験を行い、光が水やガラスなどの物質の境界面で反射、屈折するときの規則性を見いだすこと。
(イ) 凸レンズの働きについての実験を行い、物体の位置と像の位置及び像の大きさの関係を見いだすこと。
(ウ) 音についての実験を行い、音が空気中などを伝わること及び音の大きさや高さは、発音体の振動の仕方に関係することを知ること。
イ 熱と温度
(ア) 水を加熱する実験を行い、水の温度変化は、水に加えた熱量及び水の重さに関係があることを見いだすこと。
(イ) 種類の異なる物質を加熱する実験を行い、物質の温度変化は物質の種類に関係があることを知ること。
ウ 力
(ア) ばねに加える力の大きさとばねの伸びの測定を行い、力と伸びの関係を見いだすこと。
(イ) 物体の質量と重さの違いについて理解するとともに、力の大きさは重力を基準として表すこと及び力を矢印で表すことができることを知ること。
(ウ) 電気を帯びた物体間に働く力についての実験を行い、空間を隔てて互いに作用し合う力があることを知ること。
エ 圧 力
(ア) 圧力についての実験を行い、圧力は力の大きさと面積に関係があることを見いだすこと。
(イ) 水の圧力を調べる実験を行い、水の圧力は水面からの深さに関係があることを見いだすとともに、空気に重さがあることを調べる実験を行い、その結果を大気圧と関連付けてとらえること。
(3) 化学変化と原子、分子
化学変化についての観察、実験を通して、化合、分解などにおける物質の変化やその量的な関係について理解させるとともに、これらの事象を原子、分子のモデルと関連付けてみる見方や考え方を養う。
ア 化学変化
(ア) 燃焼の実験を行い、燃焼が酸素と結び付く化学変化であることを見いだすこと。
(イ) 酸素以外の物質同士が化合する化学変化があることを実験から見いだすこと。
(ウ) 加熱や電流の働きによって物質を分解する実験を行い、分解して生成した物質から元の物質の成分が推定できることを見いだすこと。
(エ) 化学変化の前後における物質の質量を測定する実験を行い、反応物の質量の総和と生成物の質量の総和とが等しいことを見いだすこと。
(オ) 化学反応に関係する物質の質量を測定する実験を行い、互いに反応する物質の質量の間には一定の関係があることを見いだすこと。
イ 原子と分子
(ア) 物質は原子や分子からできていることを理解し、原子は記号で表されることを知ること。
(イ) 化合物の組成は化学式で表されること及び化学反応は化学反応式で表されることを理解し、それらは原子や分子のモデルで説明できることを知ること。
(4) 電 流
電流についての観察、実験を通して、電流と電圧との関係、電流の働き及び電流と電子の流れとの関係について理解させるとともに、電流と磁界についての初歩的な見方や考え方を養う。
ア 電流と電圧
(ア) 回路をつくり、回路の電流や電圧を測定する実験を行い、各点を流れる電流や回路の各部に加わる電圧についての規則性を見いだすこと。
(イ) 金属線に加わる電圧と電流を測定する実験を行い、電圧と電流の関係を見いだすとともに、金属線には電気抵抗があることを知ること。
イ 電流の働きと電子の流れ
(ア) 電熱線を用いて水を熱する実験を行い、発熱量は電流と電圧に関係することを見いだすこと。
(イ) 磁石や電流による磁界の観察を行い、磁界を磁力線で表すことを理解するとともに、
コイルの回りに磁界ができることを知ること。
(ウ) 磁石とコイルを用いた実験を行い、磁界中のコイルに電流を流すと力が働くこと及びコイルや磁石を動かすことにより電流が得られることを見いだすこと。
(エ) 直流や交流の特徴を示す現象の観察、実験を行い、直流と交流の違いを知ること。
(オ) 真空放電などを観察し、空間にも電流が流れる場合のあることを確かめるとともに、電流は電子の流れであることを知ること。
(5) 化学変化とイオン
化学変化についての観察、実験を通して、電気分解や中和反応について理解させるとともに、これらの事象をイオンのモデルと関連付けてみる見方や考え方を養う。
ア 電気分解とイオン
(ア) 水溶液に電流を流す実験を行い、水溶液には電流が流れるものと流れないものとがあることを見いだすこと。
(イ) 電気分解の実験を行い、電極に物質が生成することを見いだすとともに、この実験結果からイオンの存在を知ること。
(ウ) 電解質水溶液と2種類の金属を用いた実験を行い、電流が取り出せることを見いだすこと。
イ 酸・アルカリ・塩
(ア) 酸とアルカリの性質を調べる実験を行い、酸とアルカリのそれぞれの特性が水素イオンと水酸化物イオンによることを知ること。
(イ) 中和反応の実験を行い、酸とアルカリを混ぜると水と塩が生成することを見いだすこと。
(ウ) 中和反応の実験を行い、過不足なく反応する酸とアルカリの濃度と体積の間の関係を見いだすとともに、これをイオンと関連付けてとらえること。
(6) 運動とエネルギー
運動についての観察、実験を通して、物体に働く力と運動の関係及び仕事について理解させるとともに、エネルギーについての初歩的な見方や考え方を養う。また、科学技術の進歩と人間生活のかかわりについての認識を深める。
ア 力の働き
(ア) 物体に働く2力についての実験を行い、力がつり合うときの条件を見いだすこと。
(イ) 力の合成と分解についての実験を行い、合力や分力の間の規則性を見いだすこと。
イ 物体の運動
(ア) 物体の運動についての観察、実験を行い、運動には速さと向きがあることを知ること。
(イ) 物体に力が働かない運動についての観察、実験を行い、その物体は等速直線運動をすることを見いだすこと。
(ウ) 落下運動についての観察、実験を行い、力の働く運動では、時間の経過に伴って速さが変わることを見いだすこと。
ウ 仕事とエネルギー
(ア) 仕事の実験を行い、仕事や仕事率について理解するとともに、道具を用いても道具に与えた仕事以上の仕事はできないことを見いだすこと。
(イ) エネルギーに関する実験や体験を通して、物体のもつエネルギーの量は物体が他の物体になしうる仕事で測られることを理解するとともに、エネルギーについての認識を深めること。
エ 科学技術の進歩と人間生活
(ア)日常生活では、科学技術の成果として様々な素材やエネルギーが利用されていることを知ること。
(イ)情報手段としてのコンピュータなどについて、その発展の過程を知ること。
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