このページは、Mr.Taka による中学校理科の授業記録です。

 このページは、Mr.Takaが文部科学省HPに掲載(2005年3月9日)されていた文部省告示第176号を抜粋したものです。項目分けや文章の内容は原文のままですが、見やすいように文字の大きさやフォントを変更してあります。また、授業記録のページに引用した部分は赤色に変えてあります。

○文部省告示第176号
 学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第54の2及び別表第2の規定に基づき,中学校学習指導要領(平成元年文部省告示第25号)の全部を次のように改正し,平成14年4月1日から施行する。平成12年4月1日から平成14年3月31日までの間における中学校学習指導要領の必要な特例については,別に定める。

平成10年12月14日
文部大臣 有馬 朗人


中学校学習指導要領

第2章 各教科
第4節 理 科

第1 目 標

 自然に対する関心を高め,目的意識をもって観察,実験などを行い,科学的に調べる能力と態度を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を深め,科学的な見方や考え方を養う。
第2 各分野の目標及び内容

[第1分野]
1 目 標
(1) 物質やエネルギーに関する事物・現象に対する関心を高め,その中に問題を見いだし意欲的に探究する活動を通して,規則性を発見したり課題を解決したりする方法を習得させる。

(2) 物理的な事物・現象についての観察,実験を行い,観察・実験技能を習得させ,観察,実験の結果を考察して自らの考えを導き出し表現する能力を育てるとともに,身近な物理現象,電流とその利用,運動の規則性などについて理解させ,これらの事象に対する科学的な見方や考え方を養う。

(3) 化学的な事物・現象についての観察,実験を行い,観察・実験技能を習得させ,観察,実験の結果を考察して自らの考えを導き出し表現する能力を育てるとともに,身の回りの物質,化学変化と原子,分子,物質と化学反応の利用などについて理解させ,これらの事象に対する科学的な見方や考え方を養う。

(4)物質やエネルギーに関する事物・現象を調べる活動を通して,日常生活と関連付けて科学的に考える態度を養うとともに,自然を総合的に見ることができるようにする。

2 内 容
(1) 身近な物理現象

 身近な事物・現象についての観察,実験を通して,光や音の規則性,力の性質について理解させるとともに,これらの事象を日常生活と関連付けて科学的にみる見方や考え方を養う。

ア 光と音
(ア) 光の反射や屈折の実験を行い,光が水やガラスなどの物質の境界面で反射,屈折するときの規則性を見いだすこと。
(イ) 凸レンズの働きについての実験を行い,物体の位置と像の位置及び像の大きさの関係を見いだすこと。
(ウ) 音についての実験を行い,音はものが振動することによって生じ空気中などを伝わること及び音の高さや大きさは発音体の振動の仕方に関係することを知ること。

イ 力と圧力
(ア) 物体に力を働かせる実験を行い,物体に力が働くとその物体が変形したり動き始めたり,運動の様子が変わったりすることを見いだすとともに,物体に働く2力についての実験を行い,力がつり合うときの条件を見いだすこと。
(イ) 圧力についての実験を行い,圧力は力の大きさと面積に関係があることを見いだすとともに,空気に重さがあることを調べる実験を行い,その結果を大気圧と関連付けてとらえること。

(2) 身の回りの物質
 身の回りの物質についての観察,実験を通して,固体や液体,気体の性質,物質の状態変化について理解させるとともに,物質の性質や変化の調べ方の基礎を身に付けさせる。

ア 物質のすがた
(ア) 身の回りの物質の性質を様々な方法で調べ,物質には密度や電気の通りやすさ,加熱したときの変化など固有の性質と共通の性質があることを見いだすとともに,実験器具の操作,記録の仕方などの技能を身に付けること。
(イ) 物質の状態変化についての観察,実験を行い,物質は融点や沸点を境に状態が変化することや沸点の違いによって物質の分離ができることを見いだすこと。また,状態変化によって物質の体積は変化するが質量は変化しないことを見いだすこと。
(ウ) 気体を発生させてその性質を調べる実験を行い,気体の種類による特性を見いだすとともに,気体を発生させる方法や捕集法などの技能を身に付けること。

イ 水溶液
(ア) 物質が水に溶ける様子の観察や再結晶の実験を行い,水溶液の中では溶質が均一に分散していること及び水溶液から溶質を取り出す方法を見いだすこと。
(イ) 酸,アルカリを用いた実験を行い,酸,アルカリの性質を見いだすとともに,酸とアルカリを混ぜると中和して塩が生成することを見いだすこと。

(3) 電流とその利用
 電流回路についての観察,実験を通して,電流と電圧との関係及び電流の働きについて理解させるとともに,日常生活と関連付けて電流と磁界についての初歩的な見方や考え方を養う。

ア 電 流
(ア) 異なる物質同士をこすり合わせると静電気が起こり,帯電した物体間では空間を隔てて力が働くこと及び静電気と電流は関係があることを見いだすこと。
(イ) 回路をつくり,回路の電流や電圧を測定する実験を行い,各点を流れる電流や回路の各部に加わる電圧についての規則性を見いだすこと。
(ウ) 金属線に加わる電圧と電流を測定する実験を行い,電圧と電流の関係を見いだすとともに金属線には電気抵抗があることを見いだすこと。

イ 電流の利用
(ア) 磁石や電流による磁界の観察を行い,磁界を磁力線で表すことを理解するとともに,コイルの回りに磁界ができることを知ること。
(イ) 磁石とコイルを用いた実験を行い,磁界中のコイルに電流を流すと力が働くこと及びコイルや磁石を動かすことにより電流が得られることを見いだすこと。
(ウ) 電流によって熱や光などを発生させる実験を行い,電流から熱や光などが取り出せること及び電力の違いによって発生する熱や光などの量に違いがあることを見いだすこと。

(4) 化学変化と原子,分子
 化学変化についての観察,実験を通して,化合,分解などにおける物質の変化やその量的な関係について理解させるとともに,これらの事象を原子,分子のモデルと関連付けてみる見方や考え方を養う。

ア 物質の成り立ち
(ア) 物質を分解する実験を行い,分解して生成した物質から元の物質の成分が推定できることを見いだすこと。
(イ) 物質は原子や分子からできていることを理解し,原子は記号で表されることを知ること。

イ 化学変化と物質の質量
(ア) 2種類の物質を化合させる実験を行い,反応前とは異なる物質が生成することを見いだすとともに,化学変化は原子や分子のモデルで説明できること,化合物の組成は化学式で表されること及び化学反応は化学反応式で表されることを理解すること。
(イ) 化学変化に関係する物質の質量を測定する実験を行い,反応の前後では物質の質量の総和が等しいこと及び反応する物質の質量の間には一定の関係があることを見いだすこと。

(5) 運動の規則性
 物体の運動やエネルギーに関する観察,実験を通して,物体の運動の規則性やエネルギーの基礎について理解させるとともに,日常生活と関連付けて運動とエネルギーの初歩的な見方や考え方を養う。

ア 運動の規則性
(ア) 物体の運動についての観察,実験を行い,運動には速さと向きがあることを知ること。
(イ) 物体に力が働く運動及び力が働かない運動についての観察,実験を行い,力が働く運動では物体の速さなどが変わること及び力が働かない運動では物体は等速直線運動をすることを見いだすこと。
(ウ) エネルギーに関する実験や体験を通して,エネルギーには運動エネルギー,位置エネルギー,電気,熱や光など様々なものがあることを知るとともに,エネルギーが相互に変換されること及びエネルギーが保存されることを知ること。

(6) 物質と化学反応の利用
 物質と化学反応に関する事象の観察,実験を通して,物質と化学反応の利用について理解させるとともに,これらの事象を日常生活と関連付けて科学的にみる見方や考え方を養う。

ア 物質と化学反応の利用
(ア) 酸化や還元の実験を行い,酸化や還元が酸素の関係する反応であることを見いだすこと。
(イ) 化学変化によって熱や電気を取り出す実験を行い,化学変化にはエネルギーの出入りが伴うことを見いだすこと。

(7) 科学技術と人間
 エネルギー資源の利用と環境保全との関連や科学技術の利用と人間生活とのかかわりについて認識を深めるとともに,日常生活と関連付けて科学的に考える態度を養う。

ア エネルギー資源
(ア) 人間が利用しているエネルギーには水力,火力,原子力など様々なものがあることを知るとともに,エネルギーの有効な利用が大切であることを認識すること。

イ 科学技術と人間
(ア) 科学技術の進歩による成果として新素材などの利用が行われ,日常生活が豊かで便利になったことを知るとともに,環境との調和を図りながら科学技術を発展させていく必要があることを認識すること。

3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)から(7)については,この順序で取り扱うものとする。

(2) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア アの(ア)については,全反射も扱うが,屈折率は扱わないこと。
イ アの(イ)については,実像と虚像を扱うが,レンズの公式は扱わないこと。また,像の位置,像の大きさの関係を実験により定性的に調べること。
ウ アの(ウ)については,音の伝わる速さについて,空気中を伝わるおよその速さを扱う程度とし,気温などとの関係には触れないこと。
エ イの(ア)については,力の合成と分解は扱わないこと。また,力の単位として「ニュートン」を用いること
オ イの(イ)については,水圧は扱わないこと。

(3) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア アの(ア)については,有機物と無機物との違いや金属と非金属との違いにも触れること。「密度」については,同じ体積でも質量が異なるものがあることを知る程度にとどめること。
イ アの(イ)については,混合物の状態変化には深入りしないこと。
ウ アの(ウ)については,異なる方法を用いても同一の気体が得られることも扱うこと。
エ イの(ア)については,溶解度を定量的に扱うことはしないこと

(4) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア アの(ア)については,帯電列には触れないこと。
イ アの(イ)の「回路」については,直列及び並列の回路のみを取り上げ,それぞれについて二つの抵抗のつなぎ方を扱う程度にとどめること。
ウ アの(ウ)の「電気抵抗」については,物質の種類によって抵抗の値が異なることを扱う程度とし,合成抵抗の式は扱わないこと。
エ イの(イ)については,レンツの法則,フレミングの法則は扱わないこと。
オ イの(ウ)については,電力量の概念は扱わないこと。また,定量的な扱いはしないこと。

(5) 内容の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(イ)の「記号」については,指導上必要最小限のものにとどめること。
イ イの(ア)の「化学式」の種類については,必要最小限にとどめる

(6) 内容の(5)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア アの(ア)については,物体に力が働くとき反対向きにも力が働くことに触れること。
イ アの(イ)の「物体に力が働く運動」のうち,落下運動については自由落下ではなく斜面に沿った運動を扱い,規則性を定性的に見いだすこと。
ウ アの(ウ)については,エネルギーの変換に関連して摩擦にも触れること。

(7) 内容の(6)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア アの(ア)の「酸化や還元」については,必要最小限のものに限ること。
イ アの(イ)の「エネルギーの出入り」については,定量的な扱いはしないこと。また,イオンについては扱わないこと。
こと。「化学反応式」については,簡単な化学反応式が書ける程度とすること。

[第2分野]
1 目 標
(1) 生物とそれを取り巻く自然の事物・現象に対する関心を高め,その中に問題を見いだし意欲的に探究する活動を通して,規則性を発見したり課題を解決したりする方法を習得させる。

(2) 生物や生物現象についての観察,実験を行い,観察・実験技能を習得させ,観察,実験の結果を考察して自らの考えを導きだし表現する能力を育てるとともに,植物や動物の生活と種類,生物の細胞と生殖などについて理解させ,これらの事象に対する科学的な見方や考え方を養う。

(3) 地学的な事物・現象についての観察,実験を行い,観察・実験技能を習得させ,観察,実験の結果を考察して自らの考えを導きだし表現する能力を育てるとともに,大地の変化,天気とその変化,地球と宇宙などについて理解させ,これらの事象に対する科学的な見方や考え方を養う。

(4) 生物とそれを取り巻く自然の事物・現象を調べる活動を行い,自然の調べ方を身に付けるとともに,これらの活動を通して自然環境を保全し,生命を尊重する態度を育て,自然を総合的に見ることができるようにする。

2 内 容
(1) 植物の生活と種類
 身近な植物についての観察,実験を通して,生物の調べ方の基礎を身に付けさせるとともに,植物の体のつくりと働きを理解させ,植物の種類やその生活についての認識を深める。

ア 生物の観察
(ア) 校庭や学校周辺の生物の観察を行い,いろいろな生物が様々な場所で生活していることを見いだすとともに,観察器具の操作,観察記録の仕方などの技能を身に付け,生物の調べ方の基礎を習得させること。

イ 植物の体のつくりと働き
(ア) いろいろな植物の花の観察を行い,その観察記録に基づいて,花の基本的なつくりの特徴を見いだすとともに,それらを花の働きと関連付けてとらえること。
(イ) いろいろな植物の葉,茎,根の観察を行い,その観察記録に基づいて,葉,茎,根の基本的なつくりの特徴を見いだすとともに,それらを光合成,呼吸,蒸散に関する実験結果と関連付けてとらえること。

ウ 植物の仲間
(ア) 花や葉,茎,根の観察記録に基づいて,それらを相互に関連付けて考察し,植物が体のつくりの特徴に基づいて分類できることを見いだすとともに,植物の種類を知る方法を身に付けること。

(2) 大地の変化
 大地の活動の様子や身近な地形,地層,岩石などの観察を通して,地表に見られる様々な事物・現象を大地の変化と関連付けてみる見方や考え方を養う。

ア 地層と過去の様子
(ア) 野外観察を行い,観察記録を基に,地層のでき方を考察し,重なり方の規則性を見いだすとともに,地層をつくる岩石とその中の化石を手掛かりとして過去の環境と年代を推定すること。

イ 火山と地震
(ア) 火山の形,活動の様子及びその噴出物を調べ,それらを地下のマグマの性質と関連付けてとらえるとともに,火山岩と深成岩の観察を行い,それらの組織の違いを成因と関連付けてとらえること。
(イ) 地震の体験や記録を基に,その揺れの大きさや伝わり方の規則性に気付くとともに,地震の原因を地球内部の働きと関連付けてとらえ,地震に伴う土地の変化の様子を理解すること。

(3) 動物の生活と種類
 身近な動物についての観察,実験を通して,動物の体のつくりと働きを理解させるとともに,動物の種類やその生活についての認識を深める。

ア 動物の体のつくりと働き
(ア) 身近な動物の観察を行い,その観察記録に基づいて,動物の体のつくりと働きとを関連付けてとらえること。
(イ) 動物が外界の刺激に適切に反応している様子の観察を行い,その仕組みを感覚器官,神経系及び運動器官のつくりと関連付けてとらえること。
(ウ) 消化や呼吸,血液の循環についての観察や実験を行い,動物の体には必要な物質を取り入れ運搬し,不要な物質を排出する仕組みがあることを観察や実験の結果と関連付けてとらえること。

イ 動物の仲間
(ア) 身近な動物の観察記録に基づいて,体のつくりや子の生まれ方などの特徴を比較し,動物が幾つかの仲間に分類できることを見いだすこと。

(4) 天気とその変化
 身近な気象の観察,観測を通して,天気変化の規則性に気付かせるとともに,気象現象についてそれが起こる仕組みと規則性についての認識を深める。

ア 気象観測
(ア) 校庭などで気象観測を行い,観測方法や記録の仕方などを身に付けるとともに,その観測記録などに基づいて,気温,湿度,気圧,風向などの変化と天気との関係を見いだすこと。

イ 天気の変化
(ア) 霧や雲の発生についての観察,実験を行い,そのでき方を気圧,気温及び湿度の変化と関連付けてとらえること。
(イ) 前線の通過に伴う天気変化の観測結果などに基づいて,その変化を暖気,寒気と関連付けてとらえること。

(5) 生物の細胞と生殖
 身近な生物についての観察,実験を通して,細胞のレベルで見た生物の体のつくりと生殖について理解させるとともに,親の形質が子に伝わる現象について認識させる。

ア 生物と細胞
(ア) いろいろな細胞の観察を行い,生物の体が細胞からできていること及び植物と動物の細胞のつくりの特徴を見いだすこと。
(イ) 体細胞分裂の観察を行い,その過程を確かめるとともに,細胞の分裂を生物の成長と関連付けてとらえること。

イ 生物の殖え方
(ア) 身近な生物の殖え方を観察し,有性生殖と無性生殖の特徴を見いだすとともに,生物が殖えていくときに親の形質が子に伝わることを見いだすこと。

(6) 地球と宇宙
 身近な天体の観察を通して,地球の運動について考察させるとともに,太陽の特徴及び太陽系についての認識を深める。

ア 天体の動きと地球の自転・公転
(ア) 天体の日周運動の観察を行い,その観察記録を地球の自転と関連付けてとらえること。
(イ) 四季の星座の移り変わり,季節による昼夜の長さ,太陽高度の変化などの観察を行い,その観察記録を地球の公転や地軸の傾きと関連付けてとらえること。

イ 太陽系と惑星
(ア) 太陽,恒星,惑星とその動きの観察を行い,その観察記録や資料に基づいて,太陽の特徴を見いだし,恒星と惑星の特徴を理解するとともに,惑星の公転と関連付けて太陽系の構造をとらえること。

(7) 自然と人間
 微生物の働きや自然環境を調べ,自然界における生物相互の関係や自然界のつり合いについて理解し,自然と人間のかかわり方について総合的に見たり考えたりすることができるようにする。

ア 自然と環境
(ア) 微生物の働きを調べ,植物,動物及び微生物を栄養摂取の面から相互に関連付けてとらえるとともに,自然界では,これらの生物がつり合いを保って生活していることを見いだすこと。
(イ) 学校周辺の身近な自然環境について調べ,自然環境は自然界のつり合いの上に成り立っていることを理解するとともに,自然環境を保全することの重要性を認識すること。

イ 自然と人間
(ア) 自然がもたらす恩恵や災害について調べ,これらを多面的,総合的にとらえて,自然と人間のかかわり方について考察すること。

3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)から(7)については,この順序で取り扱うものとする。

(2) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア ア及びイについては,器具を用いた観察では,細胞の構造などについては内容の(5)で扱うので深入りしないこと。アの(ア)の「生物」については,植物を中心に取り上げ,水中の微小生物についても簡単に扱うこと。
イ イの(ア)については,被子植物を中心に取り上げ,裸子植物は簡単に扱うこと。「花の働き」については,受粉によって胚珠が種子になることを扱う程度とし,受精などは,内容の(5)で扱うこと。
ウ イの(イ)については,光合成における葉緑体の働きにも触れること。また,葉,茎,根の働きを相互に関連付けて全体の働きとしてとらえること。
エ ウの(ア)については,植物が種子をつくる植物と種子をつくらない植物に分けられることを扱うが,種子をつくらない植物については,その存在を指摘する程度にとどめること。

(3) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア アの(ア)については,地層を形成している代表的な堆積岩も取り上げること。「野外観察」については,学校の周辺で地層の様子を観察する活動とすること。「化石」については,示相化石及び示準化石を取り上げるが,地質年代の区分は古生代,中生代,新生代の第三紀及び第四紀を取り上げるにとどめること。地層の「重なり方」については,野外観察で見られた地層について,その重なり方の規則性をとらえることにとどめること。
イ イの(ア)の「火山」については,代表的なものを二つ又は三つ取り上げること。「マグマの性質」については,粘性を中心に取り上げ,化学組成は扱わないこと。「火山岩」及び「深成岩」については,それぞれ1種類を扱うものとし,代表的な造岩鉱物にも触れること。
ウ イの(イ)については,地震の現象面を中心に取り扱い,初期微動継続時間と震源までの距離との関係も取り上げるが,その公式は取り上げないこと。「地球内部の働き」については,プレートの動きに触れる程度にとどめること。

(4) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア アの「動物」については,脊椎動物を取り上げること。
イ アの(ア)については,動物を観察し,食物のとり方,運動・感覚器官の発達,体の表面の様子や呼吸の仕方の違いに気付かせること。
ウ アの(イ)については,各器官の働きを中心に扱い,構造の詳細は扱わないこと。
エ アの(ウ)については,各器官の働きを中心に扱い,構造の詳細は扱わないこと。また,心臓の構造は扱わないこと。「消化」については,消化に関係する一つ又は二つの酵素の働きを取り上げること。「呼吸」については,外呼吸を中心に取り上げるとともに,細胞の呼吸については簡単に扱い,呼吸運動は扱わないこと。「血液の循環」に関連して,血液成分の働き,腎臓や肝臓の働きにも触れること。
オ イの(ア)については,動物が脊椎動物と無脊椎動物に分けられることを扱うが,無脊椎動物については,その存在を指摘する程度にとどめること。

(5) 内容の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア イの(ア)における湿度や露点の取扱いに当たっては,気温による飽和水蒸気量の変化が湿度の変化や凝結にかかわりがあることを扱うにとどめること。

(6) 内容の(5)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア イの(ア)については,有性生殖の仕組みを減数分裂と関連付けて簡単に扱うこと。その際,遺伝の規則性は扱わないこと。「無性生殖」については,単細胞の分裂や挿し木,挿し芽を扱うにとどめること。

(7) 内容の(6)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア アについては,観察された事実を基に多様な視点から考察を行わせるようにすること。
イ アの(イ)については,太陽高度の変化に伴う気温の変化にも触れること。
ウ イの(ア)の「太陽の特徴」については,形,大きさ,表面の様子などを取り上げ,放出された多量の光による地表への影響にも触れること。「恒星と惑星の特徴」については,「恒星」については自ら光を放ち相互の星の位置を変えずに星座をつくっている天体であることを扱う程度とし,「惑星」については恒星との対比において違いを扱う程度とすること。「太陽系の構造」における惑星の見え方については,内惑星のみを扱うこと。「太陽系の構造」を扱う際に,惑星の大きさにも触れること。
 また,太陽系外に恒星があることにも触れること。

(8) 内容の(7)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア アの(ア)については,生産者,消費者及び分解者の関連を扱い,土壌動物については簡単に扱うこと。
イ アの(イ)の自然環境について調べることについては,学校周辺の生物や大気,水などの自然環境を直接調べたり,記録や資料を基に調べたりする活動などを適宜行うこと。
ウ イの(ア)については,記録や資料を基に調べること。「災害」については,地域において過去に地震,火山,津波,台風,洪水などの災害があった場合には,その災害について調べること。

第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 3学年間を通して,各分野におよそ同程度の授業時数を配当すること。その際,各学年において両分野を扱い,各分野間及び各項目間の関連を十分考慮して,各分野の特徴的な見方や考え方が互いに補い合って育成されるようにすること。
(2) 学校や生徒の実態に応じ,十分な観察や実験の時間,課題解決のために探究する時間などを設けるよう配慮すること。

2 各分野の内容の指導については,次の事項に配慮するものとする。
(1) 観察,実験,野外観察を重視するとともに,地域の環境や学校の実態を生かし,自然を科学的に調べる能力の育成及び基本的な概念の形成が段階的に無理なく行えるようにすること。
(2) 生命の尊重や自然環境の保全に関する態度が育成されるようにすること。

3 観察,実験,野外観察の指導においては,特に事故防止に十分留意するとともに,使用薬品の管理及び廃棄についても適切な措置をとるよう配慮するものとする。

4 各分野の指導に当たっては,観察,実験の過程での情報の検索,実験,データの処理,実験の計測などにおいて,コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的に活用するよう配慮するものとする。

5 第2の内容の第1分野(7)のイの(ア)と第2分野(7)のイの(ア)については,生徒や学校,地域の実態に応じていずれかを選択するものとする。

6 選択教科としての「理科」においては,生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう,第2の内容その他の内容で各学校が定めるものについて,課題研究,野外観察,補充的な学習,発展的な学習などの学習活動を各学校において適切に工夫して取り扱うものとする。



(参考)各教科等の授業時数
学校教育法施行規則別表第2(第54条関係)





必修教科の授業時数













選択
教科
等に
充て
る授
業時
総合
的な
学習
の時
間の
授業
時数










































140 105 105 105 45 45 90 70 105 35 35 0-30 70-100 980



105 105 105 105 35 35 90 70 105 35 35 50-85 70-105 980



105 85 105 80 35 35 90 35 105 35 35 105-165 70-130 980

備考
1 この表の授業時数の1単位時間は,50分とする。
2 特別活動の授業時数は,中学校学習指導要領で定める学級活動(学校給食に係るものを除く。)に充てるものとする。
3 選択教科等に充てる授業時数は,選択教科の授業時数に充てるほか,特別活動の授業時数の増加に充てることができる。
4 選択教科の授業時数については,中学校学習指導要領で定めるところによる。

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