このページは、takaのメモ帳のColumnです。

ヒトから見た生物の発展

1 エントロピー増大の法則に逆らう活動
 まず、『自然界は、物質界と生物界に分類できる』と仮定しよう。すると、『物質界の現象』はエントロピー増大の法則(熱エネルギーの第3法則)にしたがうが、『生命現象』はこの法則に逆らうように活動する。

 つまり、生物は渾沌の中から形を作ったり、細胞を作ったり、一定の器官を作ったりする。生物が死んで活動しなくなると、器官や細胞や形はエントロピーを増大させるようにバラバラになり、乱雑で均一で落ち着いた状態になる。

2 細胞内におけるエネルギーの出入り(代謝活動)
 生命は、エネルギーを取り入れ、消費する現象である。ただし、エネルギーの出入りは、物質界においても頻繁に日常的に見られる。ここでは、細胞という細胞膜で囲まれた水溶液中の存在が、絶対的な意味を持つ。

3 自己複製をする活動
(1)DNAレベル
 これは物質レベルだ。

(2)無性生殖レベル
 これは細胞壁をもつ細胞を想定している。

(3)有性生殖レベル
 これは、細胞内の物質(DNA)交換。

4 反射運動、意識や思考する活動
 細胞が反射運動するためには、感覚器官、運動器官、神経器官が必要である。これは単細胞においても、である。すると、何らかの神経器官らしきものが存在することになるから、これを単なる物質レベルの反応として片付けることは難しくなる。ゾウリムシとヒトが非連続であると仮定しても、である。

5 単純な好奇心
 (1)未知のことを探求したい、知らないことを知りたい
 (2)新しいことを知りたい、してみたい
 (3)楽しいことをしてみたい
 (4)いろいろな現象や事象を理解したい
 サルやイヌは、ヒトと同じような好奇心を持っている。だから、サルやイヌには好奇心があるという。次に、ゾウリムシについて考えてみよう。ゾウリムシはヒトと同じような好奇心はもっていないが、2匹のゾウリムシを調べた場合、全く同じように動くことはない。個体差があるからである。これを好奇心としていうことはできないが、個体差として認めなければならない。私が問題だと思うのは、私たちヒトは、これ以上の適切な言葉を知らないことである。また、将来においても解決不可能な問題として残るだろう。

6 本質を知りたいという、人類共通の欲求
 (1)自分のルーツを知りたい
 (2)両親を知りたい
 (3)自分とは何か、何者か?
 もしかしたら、主人に忠誠を誓った飼い犬や馬は、自らの意志で、主人のために命と投げ出す。これは、上に述べた『本質を知りたいという、人類共通の欲求』以上のものでかも知れない。

終わりに
 人類よりも先に地球上に現れ、人類が滅亡したのちも生き残るであろうと考えられている地上のゴキブリや海中のイカについて、私たちは正確に述べることはできません。なにしろ、彼らは言語を使いませんし、人類と同じような思考方法もしません。しかし、彼らが人類よりも劣っているということは絶対に言い切れません。私たちとは違う体や感覚を持ち、地球とともに進化発展してきています。

 私たちが宇宙人と考えてる生物は、ヒトと同じような形態をしています。これは「宇宙人は、宇宙の人」という言葉の問題にすぎないからです。しかし、『地球外の生物』となると、話は別です。かなり多様な形態を想定する必要があります。実際には、宇宙人や地球外生物について妄想したり空想したりするよりも、地球の生物を観察するが刺激的で楽しいでしょう。地球上には、非常にたくさんの生物が活動しています。

 結論として、私たちは自分を基準にして理解したり分類することしかできません。いかに客観的であろうとしても、ヒトはヒトを超えることはできません。超えたと感じた瞬間、私たちヒトは、それを新しいヒトとして認識し、超えたものを含んでいるのです。これが、人類の『発展』であり、発展という考え方です。

2008年1月12日
福地孝宏

TOPへ


[→home]
(c) 2008 fukuchi takahiro