このページは旅行記『パキスタン』PAKISTAN DEC.2003- JAN.2004 です

食料事情
FOOD ・ DRINKS

はじめに
 パキスタンの食堂のメニューは、ほとんど決まっています。チキンカレー、羊カレー、豆のカレーぐらいかな。しかし、どの店でも焼きたてのチャパティーを出してくれるので、私は大満足でした。ビールや地酒などアルコールはありません。その代わり、お砂糖とミルクがたっぷり入った紅茶『チャイ』があります。


  12月24日(水)カラチにて

0.20 夜食
 小腹が減った。ピザやハンバーガーなどファースト・フード店の灯りは沢山あるが、パキスタンで初めての食事は地元レストランにしたい。道を見失わないように歩き、何本目かの通りで店を見つけた。適当なテーブルに座ると、目の前に水とチャパティーが置かれた。

チャパティーを、ぱく。たった今、店の奥で焼かれたばかりだった。「うまい!」 さて、何かを注文しなければいけないが、何を注文すれば良いのか分からないので、隣の人が食べていたチキンを指差した。


(上:チキン38ルピー、チャパティー2.5ルピー。合計42ルピー、82円)


(上:レストランのシェフや給仕さんと記念撮影)

  8.30 朝食
 朝食は宿の正面にある小さなレストラン。焼き立てのチャパティーが出てくると同時に手が伸びた。これは夜食と同じで致し方ないことで、美味しそうなものは1秒たりとも放置できない。次に出てきたのはチャイ。チャイとは、煮え立った牛乳でしっかり出した紅茶である。たっぷり入った砂糖は、朝の1杯として最高。本当はジュースをごくごく飲んで水分補給したいが、美味しいチャイに免じて許してあげよう。次に出てきた目玉焼きは、油まみれで苦労した。
 

昼食は、洋風パン屋さんのカウンターでした。焼き立てばかりです。
  


  12月25日(木)

  7.45 ラールカーナの駅前


  (上:油が多いが味は良い。皿の中には卵が入っている。)

  13.00 昼食(モヘンジョ‐ダロの宿泊所にて)
 注文した鶏カレーは約束の時間にできていなかったので、私は調理場に入り込み、薪がくべられた2つの鍋を覗いた。一方の鍋には、先ほどまで庭を逃げ回り調理を手間取らせた鶏とジャガイモ、もう一方の鍋では白飯が炊かれていた。(写真下左)

(写真上右)チキンカレーの味はまずまず。ところで、鶏肉の一番旨い部分は『首』。絶対にここが旨い。みなさんもお試し下さい。

 19.00 夕食(モヘンジョ‐ダロの宿泊所にて)
冷えきったキッチンから、温かい夕食が運ばれてきた。

(上:昼にさばかれた鶏をトマトソースで煮込んだもの、米、チャパティー、水)


  12月26日(金)

 12.30 昼食
ローリー駅前のレストランにいる。

(上:ここのレストランのチャパティーもまた大変美味しい。3枚も食べた。焼きたてで油分が少ないのは何よりだ。カレーはマトン(羊)とジャガ芋。芋は昨日作ったものかも知れないが腐っていない。)


  12月27日(土)

 19.00 夕食(宿のそばのレストランにて)
 吃驚するほど美味しいものではないが、羊のシシケバブを食べて満足している。それより、コーヒーが素晴らしい。インスタントコーヒーが瓶ごと、受け皿に載って出てきた。素晴らしい。自分で好きなだけ何杯でも飲める。そのブラック・コーヒーを初めて口にした時・・・カフェインに痺れた。意識が遠く無くなるような感覚は、初めて薬を飲んだ子どものような驚きだった。


12月28日(日)

 過熱した油の中に落とされた鶏卵は、ぐつぐつ形を変えながら白い衣を身にまとっていく。鉄製鍋の底をチン、と叩き、黄味が潰れ白味とほどよく混じりあえば完成。ここまで1分かからない。調味料なし。かくして目の前に差し出された皿を受け取り、自分で塩をかけて食べる。塩が上手い。目玉焼きというより、塩と熱々の油を楽しむ格好だ。

(上:
早朝なので開いている店は少なかった


(上:目玉焼き、チャイ、食べかけのプーリ)

13.00 昼食
 簡単な食堂を探しても見つからない。大型バスが排気ガスをまき散らす道路脇に、車座になって羊肉を食べる男達を発見したが、砂埃と大量の排気ガスにまみれていそうで、とても食べる気にならない。昨日からの懸案になっている靴屋を見て回りながら食堂も探したが、結果として、交差点角のその屋台?しかない。


(上:地べたから20cmだけ高い椅子に座ってみると、小さな料理店も捨てたものではない。大勢の人が入れ代わり立ち代わり食事をするから、車から排出された窒素酸化物も希釈され、ほどよい酸味となって味に深みを与えているのだろう。写真に写っている彼は、トマトをスライスしているが、炒めたトマトはそのエキスを全て肉に吸われて皮だけが残る。味は大変よろしい。


(上:とはいっても、洒落たテーブルはない。皿は埃まみれの地べたに置いた。どう考えても通常の日本人の感覚の食卓ではない。皿を膝に乗せて食べようかとも考えたが、それは他の客に対して失礼だし、それ以前に、そんなゆとりのスペースがない。長いナンを2つに折りたたみ、地面につかないように注意しながら食べる。24Rs、48円。)


(上:私の座席から見た風景)
 黒い上着の少年は、隣の食堂のシェフ。同じようなメニューの食事を出している。彼は焼肉の他にピーナッツなども売っていた。また、赤や黄色のバケツには生水が入っていて、私の隣のおじさんや、そのまた隣のおじさんがコップを回してくるので、バケツに1番近い私が水を汲むことになる。旨そうにごくごく飲むので、私もトライしようかなと思ったけれど今回は遠慮。尚、支払いの時、25Rs出したらお釣の1Rsがなかったので、私は「いらないよ、取っておいて。」と申し出たのに、隣の少年の店で食事をしていた兄ちゃんが、店主に代わって銅色に輝く硬貨をくれた。ありがとう、と元気よく立ち去るのが旅人の礼儀作法。見事に全部平らげた珍客は、爽やかな挨拶と共に排気ガスの中に消え去った。

+++

午後3時?(快眠後のティータイム)

 市場の路地で、グリーンティーを出している店を見つけた。パキスタンで緑茶を飲むのは初めてなので、それだけでも楽しみなのに、この店の奥には新鮮な草を敷きつめた客室がある。数人の男達があぐらをかいて小さなティーセットを囲み、日曜の午後のひとときを楽しんでいた。ここでもお茶は、会話のための舞台装置なのである。



(上:緑色のティーポットを開けると、3種類の植物が入っていた。そのうちの1つ、1cmほどある実を噛むと、喉の奥から頭のてっぺんまで透き通ったミントのような香りが駆け抜けた。

18.00 夕食
宿の近くの立派なレストランに入った。靴を脱いで座敷きに上がり、7メートルほどあるビニール製マットの前であぐらをかく。両隣りには、裕福そうな地元客。163ルピー(そのうちチキンが80ルピー)


(上:ちょっと頼み過ぎて残してしまったが、隣の客も残していたので安心。)

 


 12月29日(月)

 7.00 朝
 紙パックのマンゴジュースを飲むつもりが、フレッシュジュースの店を見つけてしまった。振り返れば、まだパキスタンでフレッシュジュースを飲んでいない。冬の季節が悪いのだろう。クラッシャーやジョッキの中をじっ、と点検すると、私が1番客のようだ。「1杯下さーい。」 大小合わせて7、8個のオレンジが潰され、下のスレンレス製容器にオレンジ汁がたまった。氷や水や砂糖を入れそうになったら、入れないように声をかけようと息を凝らして見張っていたが、そのまま溢れるばかりに注がれたジョッキを手渡されたので、そのまま飲んだ。半分飲み干し、はたと記念撮影。腹はたぶん大丈夫。寒さも忘れる美味しさ。

(上:おじさんは、変な外国人を興味深げに観察していた。15ルピー、30円。)


  昼食

ミンゴラのゼネラルバスターミナル入り口前には、食堂がずらりと並んでいた。私はバスを探すより先に、ターミナルの真正面にある食堂に入った。鍋の中身を見せてもらい、ひき肉のカレーを注文した。



(上:食後のチャイを注文。茶漉しを通して私の前に運ばれる。)


(上:甘いお菓子を売る店)


(上:ひき肉を丸めてたものを油で揚げる。大変うまい。)

夕食(極寒の地『カラーム』にて)
 近くに食堂はないし、メニューを注文するすることはできない。とにかく、「夕食をお願いします。」と頼むのが精一杯なのである。部屋まで夕食を運んでもらったが、瞬時にしてさめた。

(上::特注の夕食なんですが、早く食べないと凍ってしまうかも。)


12月30日(火)カラームにて

 暖かい朝食(写真下)も、僕の指先に凍り付いた。寒過ぎると胃が震えて味が分からないから、ベットの中に仕掛けた寝袋に両足を突っ込んだまま食べた。

(上:卵焼きがきちんと皿にのっていないのは、寒すぎるからである)

15.00 遅い昼食(カラームから脱出して)
 腹が命ずるまま食堂に直行する。メニューはいくつかあったけれど、昨日ミンゴラで見た挽肉料理(写真下)が食べたくて、それを注文する。調理方法、および、皿への盛り付け状態は頂けないが、味は最高級の部類である。10ルピー、20円。一口かじってから撮影した。いつものごとく、食い気が先に走るのである。

(上:一口かじってしまった。失礼!)


12月31日(水)
  

7.00 朝食
 ちょっと明るくなってきたので、とりあえず朝食。寒さに震える小さなテーブルが1つしか見当たらない店に入り、チャパティーとチャイを注文。客は私の他に1人しかいない。隣の彼の皿を覗くと、何だか白いもの(写真下の中央)・・・ミルクのようなチーズのような。これを焼き立てほくほく、千切ると湯が出てくるチャパティーですくって食べる。私は半分残してしまったけれど、癖になったら毎日欲しくなる健康食品だった。(ただし、正確な味は冷たすぎて分からない。原料は『山羊』の乳。)



 凍えた身体でマドヤン村に帰ると、大きな鍋から白い湯気を立てて人を集めている屋台を発見。引き寄せられるままにスープ(写真下)を注文した。何が入っているのかスプーンで探ると、底から大豆が出ててきた。良質なタンパク質をいっぱい含んだ健康的な昼食だった。

  13.30 ミンゴラにて
 約束していたファサンの店に立ち寄り、彼が経営するパソコンが20台近くあるカフェを見学した。人が集れば食事が始まるようで、写真下のように昼食の準備が整った。近所で買ったきたばかりの熱々チャパティー、同じく市販の豆カレー、奥さんが作った羊カレー、それに、ヨーグルト。親族一同集まって、わいわい喋りながら、全部の皿がなくなるまで昼食会が続いた。

(上:御馳走様です)


  2004年1月1日(木)

8.50 朝食を頼んだのにミルク・チャイしか出てこない。トーストと目玉焼きを追加注文。

(上:パキスタンに来て初めてのトーストだった)

12.00 昼食
ジャンキーなチップスとコーラでお腹を満たす。どの商品も5ルピーずつ割増したツーリスト料金だったけれど、知らない振りをして購入した。

(上:携帯用のビスケットとマンゴジュースは、通常料金で購入。)
(コーラ15ルピー、チップス25ルピー、ビスケット10〜15ルピー)

夕食は小さなレストランで


(上:レストランの少年)


(上:チキン?カレーと焼立てのチャパティー)

今日はたくさん歩いたのでもう少し食べたい。


  (上:焼き鳥屋でニワトリを食べる)

 
  (上:太ももを選びました)

 昼の売れ残りじゃないかしらと思われるほど大量のスパイスが掛けられていて辛いの何の。唇をひりひりさせていたら隣の客がフライドポテトをくれた。これまた同じように辛くて辛くて・・・お陰で夜中に起きて・・・でした。


1月2日(金)14.00 昼食
・ チキンカレー
・ マトンカレー
・ チャパティー2枚
・ チャイ
・ 合計70ルピー

(上:チキンカレー)

20.00 夕食はホテルの食堂で
メニューをじっと見て頼んだものは、魚とジャガイモのフライと本日のスープ。とにかく魚を食べたかった。

  (上:味はよろしい)


1月3日(土)ラホール

9.15 朝食はホテルの食堂で

(上:オムレツとトーストとコーヒーを頂く)


(上:遅い昼食はチキンカレーと焼立てのチャパティー。美味。)

 夕食。旧市街にて。大きなステンレス鍋を覗かせてもらい、小羊のカレーを選ぶ。とはいってもカレーの中身のメニューは本当に限られている。いつも美味しいが、メニューは単調。


(上:小羊のカレーとチャパティー)

(左:ジャガイモや挽肉を練ったものを焼いている人がいたので1つ注文した)

(上:できあがったものは、小麦粉の生地に野菜や肉を練り込んだぴり辛チャパティー。甘いよう気もする白いヨーグルトにつけて頂く。)


1月4日(日)

露天で朝食。面白い。

(上:豆とゆで卵だったつもりが、後から来た人のチキンをみて追加して、湯気でほこほこになったチャパティーと頂いて、そうそう、ここでは、辛くなる粉を振り掛けた。)


(上:食後のチャイ)

昼食を食べた。

(上:チキンとピラフ)

小腹が減ったのでコロッケを頂く。(旧市街にて)

(上:気分は上々、味はまあまあ。5ルピー)

19.00? 夕食(旧市街で)
 期せずして、偶然の席に座ったパキスタン人に夕食を奢ってもらった。
(上:野菜のカレー、臓物のカレー、焼立てのチャパティー)


1月5日(月)

 9.00 ホテルのルームービスを頼む
目玉焼き:20ルピー、トースト:12ルピー、チャイ:10ルピー、サービス:8ルピー

(上:何だかわからないけれどサービスチャージ20%を見逃して、さらにチップを渡したから完全なフレンドになってしまった。困ったものだ。)

13.00 空港レストランで最後のお食事

(上:チキンとピラフ:150ルピー、コーラ:150ルピー)


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