このページは『がんばろう日本! ─ 東日本大震災から5ヵ月後の東北をめぐる旅 ─2011 july. 28 - aug. 20  です。

コラム4
汚染物質はもとの場所へ戻そう!

 チューブから出た赤い絵具で手足や衣服が汚れてしまったら、あなたはどうしますか。洗いますか。拭き取りますか。それとも誰かになすりつけますか。このページの考えは一部分だけを読むと冷酷ですが、現実を正しくとらえ、現実からできる最善策を提案することが目的です。

1 チューブから出た絵具
 チューブから出た絵具を片付ける理想的な方法は、チューブへ戻すことです。テッシュで拭き取ればテッシュが使えなくなります。水で洗えば水が飲めなくなります。これは何かをダメにすることで、他人になすりつけることと本質的に同じです。福島原発から出たさまざまな汚染物質についても同様です。各地で処理すること=汚しあうこと、と考えるべき事象です。

2 自然現象は災害ではない
 絵具と放射性汚染物質の違いは、再利用できるかできないかです。チューブに戻した絵具は再利用できますが、汚染物質は利用できません。汚染物質のままです。しかし、よく考えてください。そもそも原子力発電所は再利用できない汚染物質をつくる工場であることは初めからわかっていたのですから、事故や不都合があったとき、工場が責任をとることは現代社会の常識です。

3 放射性物質はいつまで出る危険性があるのか
 福島原発は今も放射性物質を出しています。数日前の新聞に『収束まで最長40年』とありましたが、40年という数字が当てにならない数字であることはみなさんお分かりだと思います。35年と45年の間にある科学的な数値ではなく、10年とも永遠ともいえる政治的なごまかしです。収束の予測不能、と同じです。これは政治的問題の年金と比較できます。国民との恒久的な約束だと思われていた年金でさえ、数年先は闇です。

4 福島原発の敷地や周辺部に集めよう
 福島原発の敷地や周辺部の土壌は汚染され、今も放射線を出しています。何かのカバーをかけるべきです。そのカバーとして、各地に散らばった汚染物質を使うのはどうでしょうか。各地の汚染物質は片付き、最悪の汚染地である福島原発は拡散を抑制できます。一石ニ鳥。これが私の主張です。日本人的な助け合いではなく、科学的に考え実行すべき方法として強く提案します。

5 福島を世界に喜ばれる最先端の地に
 全国の自治体で汚染土やがれきを受け入れようとする動きがありますが、それは間違いです。心を鬼にして汚染物質を1箇所に集めましょう。福島は汚染物質を処理する世界の最前線として発展する可能性を持っています。国家予算を投入し、福島に新しい施設をつくりましょう。福島県民が夢と希望を持って働ける場所をつくりましょう。それが世界最悪の原発事故を起こした場所を復興させる1つの方法です。地方自治体レベルではなく、日本国レベルで行うプロジェクトです。現首相、ごましかしはお終いです。

2011年12月23日(金)
福地孝宏




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