このページは『世界自然遺産に指定されたばかりの
父島と毋島を巡る13日間の旅
2012 march.20 - april 1 です。

2012年3月下旬に
小笠原諸島で観た 
天 体

天体とは何か
 私たちの宇宙にあるものすべては天体、ということができます。太陽はたくさんの水素原子の集まりであり、それらが核融合反応を起こしている天体です。木星や地球は自ら輝いていませんが、立派な天体の1つです。直径10km程度の彗星も天体です。もっと小さな物質も天体です。大きさの基準はないので、極端な話、水素原子1個でも天体ということもできます。また、地球の土砂を宇宙空間にばらまけば、それらは天体という名称にかわります。

 さて、私が小笠原で観た天体は次の通りです。
(1) 太陽
(2) 月
(3) 天の川
(4) いろいろな恒星
(5) 金星、火星、木星


 以下は、日記に掲載した天体に関するものを集め、一部加筆編集したものです。

2012年3月22日(木)父島ウェザーステーション
.

上2枚:ウェザーステーションで日没を楽しむ人々(17:20)


上:日没10分前ぐらい


2012年3月24日(土)父島長崎展望台

上:長崎展望台から見た地球、太陽(5:51)


上:同上(5:54)


2012年3月25日(日)父島国立天文台

上:国立天文台


2012年3月26日(月)母島乳房山山頂

上:山頂から見た地球と積雲、太陽の反射光


2012年3月28日(水)母島

上:本日の夕日

翌13:30 スターウォッチング

上:毋島の旧ヘリポートで観測した夏の大三角と天の川(画像をクリックすると解説図)


2012年3月30日(金)父島の南部

上:高山に登る途中に撮影した風景


上:高山の南にある展望台に至る道(展望台まで徒歩2分)からの風景


上:コンパクトカメラの自動パノラマ撮影


上:展望台から高山山頂へ至る道で撮影した南島を照らす太陽光


スターウォッチングに関する率直なアドバイス

1 ツアーに参加するべきか
 雨天でもキャンセルが利かないツアーがあります。本物の星空を見るのは1番ですが、星に関する知識が全くないなら、どうぞ参加してください。天気とは関係なく、楽しい話を聞かせてくれるでしょう。雨天でも星の話をしてくれるはずです。せっかくのチャンスなので、お金を払って専門的な話を聞かせてもらいましょう。もし、あなたが本物の星空にこだわるなら、事前に問い合わせてください。また、雨は降っていなくても、雲は星を隠し、月は星の光をかき消します。

2 星を観たいなら月齢をチェックすること
 月が綺麗な夜は、星は見えません。月はとても明るく、星の光をかき消してしまうからです。月が見える時は、見える星の数が1/10以下になる、と考えてください。天の川は絶望的です。

新月(月齢0)
最高の条件です。一晩中、満天の星空を楽しむことができるでしょう。

三日月(月齢3)
良い条件です。夕方西の空に沈んでいく三日月を楽しんでください。月のそばに、金星、火星、木星、土星などの惑星が見えることがあります。惑星と月の公転面は、ほぼ一緒だからです。月が沈めば、最高のスターウォッチングの条件が完成します。

上弦の月(月齢7、半月)
深夜0時まで月が見えます。したがって、それ以降に観測することをお勧めします。

満月(月齢14.5)
月が一晩中出ているので、星は見えません。月を楽しみましょう。夕方、西の空に沈む太陽を楽しむと同時に、反対側を観てください。東の空から満月が昇ってくるはずです。真っ赤な月が昇る様子は神秘的です。また、朝方は、東から昇る太陽と同時に、西へ沈む月を観てください。いずれも赤く染まっているでしょう。

下弦の月(月齢20、半月)
深夜0時までが勝負です。それまでに星を観てください。深夜0時になると、月が東の空から昇り、星が見えなくなります。

27日目の月(月齢27、三日月の逆)
良い条件です。日没から明け方まで観測できます。明け方、東の空から月が昇ってきます。

新月(月齢29.5=月齢0)
最高の条件です。

3 防寒具
 たくさん着込んでください。夜はとても冷えます。星を観ている時は動かないので、想像以上に冷えてきます。理想的な観測姿勢は、地面に寝転ぶことなので、地面の冷たさが身体にしみます。

4 持ち物
 ツアーに参加するなら手ぶらで良いと思いまが、懐中電灯があると便利です。1人で観測する場合、懐中電灯は必携です。その他に方位磁針、星座早見盤、枕、お菓子、双眼鏡、カメラ、三脚ぐらいでしょう。

5 その日のその時間の星座図
 星座早見盤の使い方が分からない人はもちろんですが、ネットで、その日のその時間に見える星座を調べてください。そして、星座図をプリントアウトします。初めにチェックするのは、夜空で明るく輝く4つの惑星、金星、火星、木星、土星です。次は、天の川です。天の川はよく見える季節や時間が決まっています。その次に有名な星座をチェックしてください。

6 まず、北を向いて北極星を探す
 北極星は、真北にあります。方位磁針を使って、真北に向いてください。そして、水平線から少しずつ視線を上げていきます。北極星の高度は、その観測地点の北緯と同じなので、父島なら約27度です。90度は真上なので、水平線と真上の約1/3にあります。北極星の明るさは2等級なので、「少し明るい」ぐらいです。北極星を見つけたら、北斗七星(おおぐま座)、あるいは、その正反対にあるカシオペア座を探してください。

7 双眼鏡、望遠鏡
 双眼鏡と望遠鏡で悩んでいらっしゃるなら、双眼鏡にしてください。望遠鏡は専門的な知識が必要ですが、双眼鏡は特別な知識がなくても手軽に楽しめます。昼間もいろいろなものを観察できます。倍率は7倍か8倍が良いでしょう。10倍以上は手振れが激しくなり、十分に見れません。これは明るいものを観察するときも同じです。レンズは大きいものの方が明るく見えます。持ち運びは良くありませんが、明るいレンズは価値があります。ちなみに、私はニコンの7倍を使っています。

8 撮影機材
 コンパクトカメラや携帯カメラでも夜間モードや星空モードで写るものがあります。理想的なカメラは、シャッター速度をマニュアル操作できるものです。カメラを三脚に固定し、レリーズでシャッターを押します。1秒〜3分で、いろいろなシャッタースピードを試してください。三脚はとても重要です。その他はフード。レリーズがない場合は、レンズの前を黒紙で覆っておき、シャッターを押してから紙を外すようにすると、シャッター時のブレを防止できます。撮影できたものは、その場で確認しますが、画面をズームアップしなければ何も写っていないように見えるでしょう。

 レンズは広角レンズを使用してください。標準レンズより広ければ広いほど良いと思います。肉眼で見ている範囲は、想像以上に広いものです。天の川全体を写すつもりなら、魚眼レンズが必要です。北斗七星やカシオペア座と北極星、夏の大三角、白鳥座(夏の天の川)、冬の大三角、オリオン座などがお勧めです。いずれも想像以上に大きな画角のレンズが必要です。

 カメラを購入を検討されているなら、現在お持ちのカメラで試し撮りしてください。面倒だな、と思うなら現場での撮影は失敗すると思います。星の撮影は、根性と準備がとても重要です。

9 雑 談
 私がもっとも興味ある天体は地球です。手にとって調べられるからです。地球は小さく、自ら輝いていないけれど、太陽や四季の星座をつくる恒星より魅力的です。その理由は生物がいるからです。生物って何だろう? 生物は天体の一部なのだろうか? 生物は自然といえるのか? 自然とは何か? これらの疑問は、私の今回の旅のテーマの1つでした。少しでもヒントが得られれば、と期待していたのですが、テーマが大きすぎたようです。まだまだ頑張ります。

↑ このページのトップへ


home (c) 2012 fukuchi takahiro