クロッキー F 美術館

第1章 クロッキーの描き方(基礎)
目の高さを決める

1 描くポジションは、距離と高さで
 あなたが描くポジションは、モデルとの距離、および、あなたの目の高さ、の2つで決まりす。距離は別ページ『モデルとの距離』で紹介したように1.5m〜5mですが、このページでは目の高さについて説明します。

2 基準となる目の高さ
 描き手の基準となる目の高さは、モデルが立ちポーズをしたときの『ヘソから首まで』です。背筋を伸ばして椅子に座れば良いでしょう。いつも同じ良い姿勢を保ち、自分の見方の基礎をつくります。目の高さを一定に保つことで、モデルとの位置の変化を敏感に感じることができるようになります。

3 目の高さにあるものを調べる
 モデルがポーズをとったら、あなたの目の高さにあるものを調べて下さい。その高さが基準になります。つまり、その部分より高い位置にあるものは『底面』、低い位置にあるものは『上面』を見ることになります。反対側の面を見ることはできません。なお、目の高さが基準になること、すなわち、消失点になることは別ページ『イーゼルを立てる方法』をご覧下さい。

右図:立ちポーズの重心丹田(たんでん、臍(へそ)の下5cmぐらいの位置)にカメラをおいて撮影したもの。丹田より上は『身体の下面』、丹田より下は『身体の上面』が見えます。しっかり意識して見るようにしましょう!
 なお、目線を丹田に合わせてた立ちポーズの絵(写真)は、どっしりとした安定感を表現しています。

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4 寝ポーズを描く
 寝ポーズが不得意な人は、自分の視点を高くしてみましょう。その場で立ち上がったり、椅子の上に立ってみましょう。どんどん高くしていき、もし、あなたが天井から見下す位置まで移動できるなら、まるで立ちポーズのように見えるはずです。逆に、視点をどんどん下げていくと、最終的に足の裏だけを描くような位置になります。

右図:寝ポーズは、モデルを完全に見下ろす形になることがほとんどです。
会場におけるモデルとクロッキー vol.2007 dec 27から)

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5 座りポーズを描く
 座りポーズの場合は、あなたの目とモデルの目の高さがほぼ同じになるかと思います。これは、もっともよく見慣れた位置であり、素人のカメラマンが棒立ちで撮影した時の風景と同じです。

左:モデルの目の高さに合わせて描いた20分クロッキー
右:左のクロッキーの現場風景。
  この写真はクロッキーより高い位置から撮影したので、
  モデルの頭頂部が見える。

6 床に座って描く
 あなたの目の高さをもっと変えてみましょう。まず、床に座ると、モデルの大部分はあなたの目より高くなります。この結果、あなたは身体各部の底面を見ることが多くなるので、その部分をポイントとして描きましょう。具体的に追加される主なポイントは次の通りです。
 ・ 尻の下
 ・ 突き出た腹の下
 ・ 乳房の下
 ・ 脇の下
 ・ 顎
 ・ 鼻の穴
 ・ 眼こう上部

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6 立って描く
 イーゼルを使う場合は、立って描くことが多くなります。その場合は、床に座る場合とは逆に、身体各部の上面をポイントして重点的に見て下さい。それらを強調して描くと、上から見下ろしたようになります。右の写真は、上から見下ろすようにして撮影したものですが、これを描く主なポイントは次の通りです。
 ・ 頭頂
 ・ 眉毛の上
 ・ ほお骨
 ・ 鼻の頭
 ・ 鎖骨


左図:右の写真を見て、フォトショップで描いたもの
右図:組写真『いつものビスチェに』から

2010年3月28日公開

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