クロッキー F 美術館

クロッキーゼミ2010-2の記録 

2010年1月26日(火)17.15-18.30
東生涯学習センター美術室(名古屋市)
model:ながあめ
教師:F

右:ゼミの冒頭、各自の課題について話合うゼミ生。お互いの経験や方法を出し合って理論的な解決を目ざす。できない場合は、教師がアドバイスする。

ゼミ生 ゼミ生の課題
理論的な解決策
杉さん (ア)迷いがない線を描きたい
 (1)モデルを見て、身体構造を理解してから描くこと
 (2)体重がかかっている部分は、見えなくてもしっかり理解して描くこと
 (3)体重がかかっていない部分は、大きく見えていても最後に描く方が良い
   ※体重がかかっていない部分は、ポーズ中に動く可能性が高い
Yくん

(イ)陰を描き、立体的な光の存在を描きたい
 (1)陰は感じるものであり、見るものではないことを肝に命じること
 (2)陰の感じ方は無限で、たくさん感じるようにすることが先決
 (3)できるだけ大きな陰を感じるようにすること
 (4)複数の陰を感じ、グラデーション(階調)をつくること


上:鉛筆で描いている部分には、3種類の陰を感じている。1つは背中の筋肉(固有背筋)でおおざっぱな描き方のもの、1つは肋骨で鋭いタッチのもの、1つは乳房を感じるもので優しい曲線で描かれたもの。これらは「陰」ではないが、作家の感じ方として「陰」として3種類捉えることができればそれでよい。
.
上:できるだけ大きな陰を感じるようにする。大きなものから小さなものへと順に追っていくが、実は、大きなものと、小さなものは、全く違う原因によってできているから、大きなものは最後まで大きく、小さなものは最後まで小さくする。

 (5)陰の階調が適切なら、光を描く必要なない
 (6)鋭く細い線で描くことも不可能である
   ※紙の白さが「最高の光」である
 (7)したがって、描けない光を表現するために陰影を積み重ねる


上:左のクロッキーでは、ハイライトが描かれていない。
 しかし、陰の階調が美しいので、ハイライトの線が勝
 手に見えてくる。右も同じように、グラデーションに
 注意して描いたそうだ。ところで、Yくんは描き始め
 て2年目、ということだけれど、わずか1時間のゼミ
 でここまで描けるようになるとは! 負けてはいられ
 ない。これらはいずれも3分クロッキーである。次に
 Y君が来てくれたら、さらにハイレベルな課題を提出
 してくれるものと期待している。自らの課題を出せる
 ことは、もっとも重要な才能の1つだと思う。

左:「陰をつけるために擦ってはいけない!」
 という、杉さんの実演付き失敗談。

全 体

(ウ)頭を描くポイント
 (1)頭を丸く、くるっと描かない
 (2)頭、首、肩をつなげて描く

note
・ モデルのポーズは全て3分
・ 第1セット(立・立・座・座・立・座・立)
・ 第2セット(立・座・立・座・立・座)
・ 立ちポーズと座りポーズに限定した

このゼミについては『クロッキーゼミ2010へのお誘い

日時と場所については『Fへのお誘い』をご覧下さい

2010年1月27日公開

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