クロッキー F 美術館

クロッキーゼミ2010-14の記録 

2010年4月4日(日)9.15-10.30
東生涯学習センター美術室(名古屋市)
model:yu
教師:F

ゼミ生 ゼミ生の課題
 理論的な解決策
Mさん

(ア)立体として描くためにはどうしたら良いか(写真より立体に見せたい)
 (1)手前と奥を意識して描く
 (2)影を入れる

 線で描く場合、手前のものは、1番濃く描く、あるいは、描かない(1番薄く)ようにします。なぜなら、空気遠近法により、陰影のコントラスト(濃淡の差)がもっとも高くなるからです。逆に、奥にあるものは陰影の違いが分りにくく、全て中間色(灰色)のようになります。

YFさん

(ア)時間をテーマにして描きたい
 (1)まず、描き初めから『完成を予感させる』ように描きましょう
 (2)次に、1本の線でも完成しているように描きましょう
   ※最後の1本の線で作品をダメにする、の逆です
 (3)たくさんのクロッキー経験を積むことが大切です

上:上の2つのクロッキーを比べると、右の方が魅力的です。この原因は何でしょう?

 その理由は、右の方が『たくさんの見方』を含んでいるからです。左は数種類(外形をとってからハッチングで影をつける+(プラス)アルファー)だけですが、右はより多くの見方を含んでいます。例えば、跳ね上がる足、それに必要な筋肉、重さを感じる腹部、折れ曲がった背中と背筋、首の角度と重さ、腕の筋肉、指の表現などです。

 実際にクロッキーする時は、初めの線(1番初めの線)と次の線(2番目に描く線)を、違うように描きます。そのためには、描き手が見方を変える必要があります。

 もし、ある部分を集中的に描きたい場合は、それに必要な時間を確認して下さい。自主的に時間をコントロール、意識するのです。時間が限られているクロッキーだからこそ、主体的に時間を意識できるのです。

 1つの見方を表現するために必要な時間を20秒とすれば、2分(120秒)で6つの見方を描けます。たくさんの見方があるクロッキーは、それだけ面白いものになるのは当然です。クロッキーを楽しむ面白さは、限られた時間の中で、どれだけたくさんの見方ができるかにあります。その見方はデッサンのように教えてもらえる性質のものではなく、各自で見つけるものです。そのためには、絵画や芸術など限られた分野にとらわれない多様な経験を積むことが必要です。

note
 Mさんの素晴らしいクロッキーの記録を忘れてしまい、残念無念。

このゼミについては『クロッキーゼミ2010へのお誘い

日時と場所については『Fへのお誘い』をご覧下さい

2010年4月5日公開

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