クロッキー F 美術館

クロッキーゼミ2010-13の記録

2010年月日(水)18.30-17.00
 東生涯学習センター美術室(名古屋市)
model:蟷螂娘
教師:F

左:今日のゼミ生は、クロッキー歴2年半のYさん1人だけでした。しかも、30分という短時間でしたが、みっちりマンツーマン・レッスンしました。課題は、Yさんから頂いた「3分で描くこと」と「全体を描くこと」の2つです。

ゼミ生 ゼミ生の課題
 理論的な解決策
Yさん

(ア)3分間で全体を描きたい
 (1)頭に囚われないようにしましょう
 (2)頭、肩、腕を同じように(同じタッチ)で描きましょう
 (3)顔の細部は、全体を描き終えてから描きましょう
 (4)ふにゃふにゃしてはいけません。直線的に見ましょう
 (5)力強く感じることろは、しっかり描いて下さい

上:3分間で全体が描けるようになりました。モデルのポーズが良く分ります。


 左:顔のパーツを描く前に、『椅子』を描きましょう。ポーズ全体の把握に役立ちます。

 この段階で顔の細部を描くと、ポーズの間違いが強調される結果になります。今日の課題は『3分で全体を描く』ですから、そのテーマを確実にとらえましょう。欲張ってはいけません。

 また、時間を延長して4分、5分あれば顔が描けるだろう、と思ったら間違いです。身体の大きな流れ、角度、比例配分が違っている段階では、より微妙な配置を要求される顔を描くことはできません。まず、身体で大きな間違いが出ない段階まで進むことを目標にして下さい。

 もし、顔だけを描きたいなら、それは別にレッスンすれば良いとこです。顔については、身体よりも簡単なので、心配ありません。


顔の描き方に関するnote
 顔は、身体を描くより遥かに簡単です。その理由は、顔と身体を比較すると、顔は卵型の立体の表面に目や鼻がついているようなものだからです。

 顔を描くために学習すること2つです。1つは『顔の向きを決める方法』、もう1つは『顔の各パーツを描く方法』です。その他にも、髪の毛の扱い方などもありますが、頭部は変型することがなく、顔のパーツは表面に描かれているようなものです。したがって、クロッキーの現場では、5秒で『顔の向き』と『顔の各パーツの位置』を描けます。ポーズや個人の特徴に左右させられることなく、機械的に処理できるのです。

 しかし、身体は違います。関節の動きによって、無限のポーズが生まれます。しかも、見る位置によって、全く違うように描かなければいけません。もちろん、身体の各パーツを『変型しない円柱』として考え、関節部分で立体的に組み合わせていく方法もあります。しかし、関節の数が多いこと、関節が十分に見えない場合があるので、身体全体の動きを表現することは、顔のように短時間で処理することはできません。十分にひねられた体重のかかっていない右足1本を描くためには、少なくとも5秒の観察と5秒の描画時間が必要です。

このゼミについては『クロッキーゼミ2010へのお誘い

日時と場所については『Fへのお誘い』をご覧下さい

2010年4月1日公開

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