生物1: 観察『細胞分裂』のページを提示しました。

  1 観察3『細胞分裂』
  ┌─<本時の狙い>───────────────────┐
  │ ・ 家で玉葱の水栽培をさせる。           │
  │     (あるいは、その他の球根で)        │
  │ ・ それを持って来させる。             │
  │ ・ 教科書の手順にしたがって観察、スケッチさせる。 │
  └───────────────────────────┘

  <本時の狙いの注意点>
   ・ 本時に入る前が勝負である。
    つまり、
前時までの動機づけが大切である。
   ・ 実物のない生徒は、教科書・便覧の写真をスケッチさせる。
   ・ 観察の手順は、個別指導が中心。

  <教師の準備>
   ・ 特になし(教科書通り)

  ==<生徒の様子>====================
   ・ 手ぶらの班の生徒も、予想以上に熱心にスケッチした。
     (9人/33人)
    ただし、集中していた時間は約20分。

   ・ 玉葱をもってきた生徒は、9人/33人。
    そのうち、うまく根の生えていたものは3人程度。
    また、長ネギを持ってきた生徒がいた。
    これは良い。

   ・ 観察の手順は問題なし。
    塩酸、酢酸カーミン処理、および、押しつぶし処理良好。
    問題点は、試料(根の先端)を持って来たか否か。
    あるいは、試料が良好か否か。

   ・ 先端部を観察できた生徒は2名。
    また、染色体まで観察できた生徒は0名。
    「あちゃー。」
    予想通りだけど、寂しい。
    もともとの狙いに『染色体の観察』はない。
  ==============================

  <本時の考察>
   ・ 玉葱のない班も熱心に活動したことは、前時の動機づけの有
    効性を証明した。

   ・ 塩酸処理は、50ビーカーに塩酸10を入れ沸騰。その後、
    冷ましたものに浸けると簡単、安全。

   ・ 細胞分裂の様子については、前時にコテコテ教えてあるので、
    気にしない。
    「家でスケッチしておけ。」
    たぶん大丈夫。

   ・ 玉葱栽培は学校でもしておいたんだけど、出すのを忘れちゃ
    ったんだよなー。根も生えてのにネ。
    「次のクラスで使おっと!」

   ・ 結局、『染色体』はほとんど意識しなかった。生徒達の掴んだ
    ことは、
    1 細胞は分裂すること。
    2 分裂する部分は根の先端であること。
    3 細胞分裂は『核』が関係していること。
    4 『染色体』は、核の中にあるもの。
    こんなもんでしょう。

   ・ 次時は、観察4『花粉管』である。

  ==<生徒の様子:他クラスの場合>============
   ・ 素晴しい玉葱をもってきた生徒がいる。
     根の先端部が白くなっている。さらに、プレパラートを作成し
    観察したところ、たくさんの染色体がある。だだ、残念なことは
    『前期』しか確認できなかったこと。

   ・ 他の植物として『セロリ』『ニンニク』『わけぎ』『?(野草)』
    『ユリ』を持って来た生徒がいる。どこまで観察できたのか、時
    間の都合で確認できなっかった。
    「うー、残念。」

   ・ 3クラスめでは、細胞分裂『中期』『後期』『終期』を確認し、
    全員が理科室テレビで確認した。
     さらに、授業終了後、5、6名の女子生徒が残り、私の操作す
    る画面に見入っていた。

   ・ がーん。
     4クラスめは全滅。染色体の確認が、やっとだった。

  ==============================

       

(写真左:生徒の持ってきた玉葱
  の根。水栽培して3日目。先
  端の約5ミリが細胞分裂して
  いる。
   このように良好なものは少
  ない。八百屋で売っているも
  のの大部分は薬品処理されて
  いるようだ。たとえ根が生え
  いても、鋏で切られた後、処
  理してある。)

  <本時のまとめ>

   ・ 3クラスめになると、私の説明が適切になり、良好な観察がで
    きる。主な改善点は、
     1 染色時間を長くする。あるいは、押つぶしてから染色する。
      根の中心部は染まりにくい。

     2 顕微鏡のレンズは、7×15、次に、7×40とする。
      15倍接眼レンズは見にくい。

     3 塩酸処理は、前述のとおり。
    以上、些細な注意でも、結果は大きく変わる。

   ・ 本時の狙いは、観察の工夫にある。
     各班、各自でさまざまな問題点を解決しながら、教科書の写真
    にある『染色体』に近づいたことは、大きな収穫であった。

   ・ 生徒の作成した細胞分裂『中期』『後期』『終期』のプレパラ
    ートをテレビに写しながら解説したとき、生徒達は非常に集中し
    ていた。
    「この調子なら、もう1時間やってもよさそう。」
    でも、時間の都合で止め。

   ・ 上記の効果は、事前に教師が作成したプレパラートでも得られ
    たと思うが、怠慢な私は、とほほ。

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  (c) 1998 fukuchi takahiro

(以下余白)