このページは、1年理科『化学』1999/takaの授業記録 です

  実験2(2) 炎色反応        
               
 1999 07 15(木)

 理科室の暗幕を閉め、電気を消します。そして、ガスバーナーにいろいろな『薬品』を振り掛けてみましょう。青緑オレンジピンク。色とりどりの炎に、みんな大喜びするはずです。

 準備が好きな先生なら、エタノールで溶かした何種類かのアルカリ金属水溶液を一斉に点火し、一層ドラマチックな演出ができます。私のように怠慢な先生なら、「じゃあ、今日は気分転換に花火をしましょう。まず、鉄粉をまいて、線香花火!!」と口上してから、花咲か爺さんようにガスバーナーに振り掛けます。(写真右)そして、これからが本番。

 金属原子を加熱すると、それぞれ固有の色を出す性質があることを説明して、生徒実験に持ち込みます。


  <<授業内容>>
  1 演示実験『炎色反応』
   教師が、次の6つについて演示する
塩化ナトリウム
(黄)
塩化カリウム
(赤紫)
実際はピンクに見える
硫酸銅
(青緑)
水酸化バリウム
(緑)
実際は黄色に見える
 塩化ストロンチウム
(深赤)
マグネシウム
(白)


  2 生徒実験1 <前回の続き>

 『硫酸銅』『水酸化バリウム』
 について、前回と同じように操
 作・実験し、プリントにまとめ
 る

(右図:硫酸銅を水に溶かす)



  <記入例>
物 質 はじめ 水に
溶かす


ろ過
ろ 紙 ろ液(ろ過した後の液体) 炎色
反応
リト
マス
水を
蒸発
息を
吹込む
水酸化カルシウム 白い粉 白く濁る 白い粉 無色
(透明)
(アルカリ) 白い粉 白く濁る 赤橙
炭酸カルシウム 白い粉 白く濁る 白い粉 無色
(透明)
な し な し な し 赤橙
硫酸銅 青い粉


(透明)
な し
(透明)
な し 青い粉 な し 青緑
水酸化バリウム 白い粉 白く濁る 白い粉 無色
(透明)
(アルカリ) 白い粉 な し

  3 生徒実験2 <炎色反応>
  ・ 生徒が調子の乗り過ぎるといけないので、終了7分前からの実験とした
   → 『硫酸銅』『水酸化バリウム』とも綺麗な色なので、喜んでいた


<<授業を終えて>>
 プリントに4種類の物質を添付することは面白い。はっきり言って、有害な『医薬用外劇物』も含まれているが、この際、目をつむってもらおう。後日、プリントの物質を見て「あの時のアレ!」と、思い出してくれることが大切だ。また、家でもう1度観察することもできる。

◎ キャンプファイヤーに使うもの
メタノール(エタノールではない)に溶かすと良い。
    LiCl
    CaCl
    NaCl
    BaCl
    CuCl
    k Cl
  花火 Fe粉

◎ 炎色反応について
1 炎色反応をする物質
 アルカリ金属とアルカリ土類金属だけ。

2 原 因
 熱によって、原子核の回りを飛び回っている電子の配列が変わること。

3 原因の詳細
 原子を加熱すると、熱エネルギーによって外殻電子が励起れいき(通常の軌道よりも高い位置で飛び回る)状態になる。次に、原子が冷やされた時、つまり、励起状態にあった電子が通常の位置に戻る時、熱ではなく光としてエネルギーが放出される。これが金属特有の色の原因である。なお、この光の線スペクトルは極めて狭いバンドであり、また、いくつかのバンドが組み合わさって固有の色(赤と青で紫etc.)となる。

  

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