このページは、中2地学/takaの授業記録2001 です

基本操作 ガラス細工
                   2001 3 2(金)

 最近、理科室で実験をしていないので、気分転換をかねてガラス管の引き延ばし操作をすることにした。とりあえず大気圧を調べる実験装置をつくる、ということになっている。たくさんの火傷をする生徒がでるのではないかと心配していたが、負傷した生徒数は0〜数人/学級だった。また、あるクラスは時間割り変更で午後から連続2時間の実習だった。

 なお、ガラス細工の指導方法については詳細な説明も画像もない。1人で40人の生徒を相手にしているのでどうにもならないのである。時間がある時に、じっくりページを作成しますので、今回は負傷者の少なさに免じてお許し下さい。

空気をあたためると膨張することを確かめる実験
ではなくて、

(上:1階から5階まで階段を昇ると気圧が下がって、相対的にガラス瓶内部の圧力が高くなり、ガラス管の中のインクが飛び出すことで大気圧を確認する実験。)

実験の手順
1 引き伸ばしたガラス管空き瓶を用意する
2 ガラス管の中に少量のインクを入れる
3 ガラス管を空き瓶に取り付ける
4 瓶を持って階段を昇る
5 インクが動くのを観察する
6 インクが動く理由を考える
7 実際は、手で持つだけで温度が上昇し、インクが敏感に動く
8 しかも、階段を昇ってもインクは動かない?!


◎ 授業の流れ
1 手順の説明

 初めに、演示しならが説明してやるとよい。「すごーい」の歓声が上がる。
 その後、板書し学習プリントにまとめさせる。

1 ガラス管を熱する
・ 斜めにする(広い範囲をあたためる)
・ 両手で持つ
・ ゆっくりとまわす
・ 大火傷に注意する
・ 小さな火傷は、むしろ体験させたいです

  
2 炎について
・ ガスを最大にする
・ 空気をいっぱいに入れて青い炎にする
・ 900-1200度C

3 ガラス管を伸ばす
・ 炎の外でひっぱる(中だとつぶれてしまう)
・ 左右の手で逆にねじる
・ ゆっくり→ フィニッシュ

2 準 備
・ ガスバーナー(各班2つ)
・ ガラス管(1人1本、20cm)ガラス管については、生徒の前で切って渡してやるとよい。切り方の勉強になる。

3 生徒の操作
 失敗する生徒が多発する。「やり直し方法」については、全員がやった後で説明すればよい。それまで、絶対に触らないように注意しながらガラス管が冷えるのを待たせる。

<やり直し方法>
これについても、実際に演示しながら説明する
A 2つに分かれてしまった場合
・ もう一度、くっつけて1つの管にする。
・ くっつけて冷やす時は、炎の外で回しながら「まっすぐ」にする
・ 左右のうち、長い方を加熱し、初めと同じようにして引き延ばす
  
B 伸びなかった場合

・ 伸びた部分は加熱しない。(切れてしまう)
・ 左右のうち、長い方を加熱し、初めと同じようにして引き延ばす
注意点
・ 閉じた部分(風船)を作ると爆発するので危険
・ 余分なところを割る時は、紙で包まないと飛び散るので危険
・ 破片は紙を使って綺麗に掃除する。

4 その後
・ 感想を書く
・ セロテープで名札を作り、理科室に保管する


◎ 授業を終えて
 火傷がほとんどなかったのが幸いである。また、半数以上の生徒が満足できる操作をマスターした。ガラス細工の授業としてなら、ぎりぎり合格点がつくと思う。

空気の膨張を確かめられない原因
1 空気がもれる

 この1点に尽きると言ってもよい。セロテープでぐるぐる巻きにして、引き伸ばしたガラス管とガラス瓶を接続すれば良いだろう、と甘くみていたのが間違いだった。どんなに重ねてもダメ。ゴム栓なら1発でOK。

2 これを克服した後に待っていたのは、体温による空気の膨張だった。つまり、ビンを持つ手の体温で空気が膨張して、インクがこぼれてしまうのだ。あまりに敏感に反応するので生徒達は驚いていた。もちろん、私も驚いた。

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(C) 2001 Fukuchi Takahiro