このページは、Mr.Taka による中学校理科の授業記録 物理学 2年(2000年度)です

実験6 電流による発熱
                      2000 11 17(金)

準備室の奥から取り出した実験装置は、『昭和44年生まれ』。つもったホコリを落として電流を流したところ、なんとか使えそうである。

(上:中央にあるのが35年前の実験装置である)
 発砲スチルロールにおおわれた金属容器に、電熱線、温度計、撹拌機がついている。

<本時のねらい>
 電流による発熱量を測定させ、発熱量は電力(電流×電圧)に比例することを確かめる。そして、これだけでは面白くないので、1calが4.1868ジュールであることを定量的に確かめる。




<授業の流れ>
1 実験のねらい、方法を確認する

・ 電熱線を使って、水をあたためる
・ 電圧の値を3V、6V、9Vとする(それぞれを3回ずつ測定)
・ その時の電流の値を測定する
・ 1分間で上昇した温度を求める

   
  (上:A君の学習プリントから)

2 実験する

(上:実験する生徒)

 <実験上の注意>
 ・ 50度C温度計を使用し、目盛りの1/10まで読む。
 ・ 温度計が、水の中に入っているか確認する。
 ・ ゆっくりと撹拌する。
 ・ 電源を入れてからすぐに測定するのではなく、しばらくして、温度上昇が始まってから、キリのいい温度になったところで時計の秒針をみる。
 ・ 『時計係』と『温度計係』をつくる。

◎ 実験結果 (下:Bさん、Cさんの学習プリントから)



<授業を終えて>
 測定誤差が大きくて、当初のねらいは、どのクラスも達成できなかった。悔しいが私の失敗です。生徒が収穫は次の3点にとどまりました。

1 電圧を上げれば電流も上がる
2 電力(電圧×電流)も上がる
3 発熱量も大きくなる

 さて、次時の計画ですが、1カロリー=4.1868ジュールを確かめることはあきらめ、熱量は電力に比例することだけを確かめます。ここで、みなさんに質問してみましょう。

湯沸かしポットにいれた水の上昇温度は、何に比例しますか?次のア〜から選び記号で答えなさい。
(ア) 電 圧(V)
(イ) 電 流(A)
(ウ) 電 力(W)
(エ) 時 間(秒)
(オ) その他

 答えは、『ウ、または、エ』です。これを説明するためには、グラフを書くことが有効です。横軸を電圧、縦軸を上昇温度にすると2次曲線になってしまい、比例しないことが一目瞭然です。同様に、電流と上昇温度も比例しません。「じゃあ、どうする?!」と問い掛け、オームの法則『電圧は電流に比例する』を思い起こさせ、「横軸を電流×電圧、縦軸を上昇温度にするとどうなる?!」と発問すれば、理想的な授業展開になるでしょう。本時は、そのための準備実験をするべきでした。しかし、カロリーとジュールの計算式にこだわって時間を使ってしまったので、次時は、電力と上昇温度のグラフを書くことにします。電圧は(4V、5V、6V、7V、・・・)のように変化させれば良いでしょう。

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