このページは、中3物理2001/takaの授業記録 です

実習 力の合成
                 2001 冬

 中学校3年生の内容でありませんが、法令にしたがって行います。でも、それでは悔しいので3力以上の合成までできるようにします。


◎ 授業の流れ
1 導 入

 事前に、「三角定規セットを持参する」ことを指示しておきます。三角定規を忘れると1時間何もできなくなるので、各学級の朝の打ち合わせで理科学習係に確認させるようにします。どの学級も同じような進度で進んでいるので、放課中の貸し借りで全員揃うはずです。また、それでも怪しい場合は、物理分野が始る前から三角定規セットを持参させ、個人のロッカーにしまうようにさせます。さらに、あまりお勧めできる方法ではありませんが、三角定規セットを持参した生徒に得点を与える方法も考えられます。この場合は、全員が得点できるように配慮することは言うまでもありません。それから、数学の先生と打ち合わせしておくことも重要です。

2 平行四辺形を書いて合力を求める
 矢印で表される2つの力の合力は、それらの対角線となる1本の矢印として求めることができます(平行四辺形の法則)

 このとき重要なのは、矢印の長さの基準を確認することです。つまり、どれけの力の大きさを何cmにするかはっきりさせることです。図1の場合は、1kg重=1cmとしました。

図1 平行四辺形を書いて2力の合力を求めたAさんの学習プリント

図1の説明例
 「これから2つの力Aと力Bの合力を求めてもらいます。2つの力が同じ方向なら問題ないのですが、今日はそれぞれの角度が違う場合について求めてもらいます。考え方は、力Aと力Bの始まりの点にボールをおいて下さい。さあ、みなさんも自分のプリントに直径5mmほどの物体を書いて下さい。そして、イチニノサンで物体を引っ張るとどちらの方向に飛ぶでしょう。Aでもありませんし、Bでもありません。物体はAとBの中間方向に飛んでいくでしょう。そして、どれぐらい飛ぶかというと、ちょうど、AとBを2辺とする平行四辺形の対角線の大きさだけ飛ぶことになります。方向も、対角線の方向になります。この平行四辺形の対角線が力Aと力Bの合力になります。簡単ですね。」

 「それでは、さっそく皆さんに平行四辺形を書いて合力を求めてもらいましょう。ただし、長さの正解は、プラスマイナス1mmの誤差までとします。テストの時、プラスマイナス2mm以上の誤差ならペケになりますので、正確に作図する練習をして下さい。今日は、丸まる1時間作図をしてお終いです。しっかり頑張って下さい。」

 「その前に、AとBの長さを正確に測っておきましょう。まず、Aを測って下さい。正解は先生からではなく、みなさんの多数決で決めます。・・・では、多数決を取りますよ。Aのから聞きます。3.3cm:0人、3.4cm:2人、3.5cm:35人、3.6cm:0人、3.7cm:0人、となりましたので、多数決により矢印Aの長さは3.5cmとします。ただし、テストの時は3.4cm〜3.6cmが正解です。次に同じようにBの長さを測って下さい。・・・4.7cm:0人、4.8cm:0人、4.9cm:20人、5.0cm:17人、5.1cm:0人、となりましたのでBの長さは4.9cmとします。テストのときは4.8cm〜5.0cmが正解です。」

 「ここで余談ですが、矢印のどこからどこまでを測定したか、確認しておきましょう。図2を見て下さい。矢印の始まりが「丸点」になっていた場合、あなたはどこから測定しますか。これも多数決で決めましょう。「丸点」の左端をA、中央をB、右端をCとします。・・・(多数決:略)・・・ということで、Bに決まりました。次に、矢印の先端についても多数決を取ります。矢印の左端をA、中央をB、先端をCとします。・・・(多数決:略)・・・ということで、Cに決まりました。ついでなので、図2右側の四角についても確認します。・・・(多数決:略)・・・ということで、Aに決まりました。」

図2 どこからどこまでを測定するか、を説明するために使用した図


 「次に、もっとも重要なことを」

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