このページは中学校1年理科『地学』/takaの授業記録2002です

観察8 マグマと地球の内部構造
              
                   2002 11 12(火)
                   第2理科室

 今日から新しい単元『火山』に入るが、導入部分を変更した。つまり、生徒の興味・関心をひくために表面的な現象(火山の爆発など)を提示するのでなく、3年生で学習する『地球内部の構造』をもってきた。スケールの大きな視点から『火山』をとらえることは、その後で学習する『堆積岩』などにおいても、たくさんの場面で振り返って考察することができると考えたからである。


授業の流れ
1 地球の内部構造をまとめる

・ 『地殻』『マントル』『核』の3つに分ける
・ それらの厚みをニワトリの卵にたとえる
・ 理科便覧の図を参考にさせる

  (上:Aさんの学習プリント)

2 富士山の大きさを調べる
 「この図の縮尺から考えると、富士山はどのくらいの大きさになりますか。」
  結構分かるくらい大きい
  まあまあ大きい
  やっと見える大きさ
  (小さくて)見えない
      ↓
      皆さんも一緒に考えて下さい
      上のA〜Dから1つ選んで下さい
      ↓
      ↓
      ↓

      富士山の『剣が峰』は標高3776メートルです
      ↓
      ↓
      ↓

      エベレストならどうでしょうか
      ↓
      ↓
      ↓
      手を挙げて答えても構いません
      ↓
      ↓
      ↓
      ↓
      ↓
      ↓
      ↓
      ↓
      ↓
      ↓

      答えを紹介します。
      同じように縮尺して計算すると0.04mmになるので
      この図に書くことはできません。
      したがって、正解は『D』の小さくて見えないです。
      世界最高峰『エベレスト』も数倍大きくなるに過ぎ
      ないので、同様に見えません

  (上:B君の学習プリント)


  (上:Cさんの学習プリント)

3 マグマについてまとめる
・ 地球の一部を切り取り、拡大させる
・ マントルとマグマの関係に着目させる
・ マグマについては、各自で教科書で調べさせる

  (上:D君の学習プリント)

マグマについて
・ マグマは岩石がどろどろに溶けたものである
・ 温度は800〜1200度C
→ 「先生、人間はどうなりますか?」の質問には、「骨を燃やすには1500度C以上必要なので、骨だけ残るでしょう。」と答える。

・ マントル上部でできる
→ 「先生、どうして溶けるのですか?」の質問には後日答える

・ これが地表で固まると『火山』になる
・ これが地下(地殻)で固まると『マグマだまり』になる

◎ Eさん、F君の学習プリント

・ 地殻とマントルを比較すると、厚みが全く違うこと
・ 火山活動は、地球のごく表面でおこなわれていること
・ 地球の『核』とマグマは直接関係ないこと


評価基準
1 自然事象への関心・意欲・態度
 B マグマと地球の内部構造をていねいにまとめることができる

2 科学的な思考
 B 地球スケールから、マグマや火山の大きさをとらえることができる

3 実験・観察の技能・表現
 B 地球の地表近くを拡大し、マグマとマントルの関係をとめることができる

4 自然事象についての知識・理解
 B マグマについて正しく説明することができる


授業を終えて
 丁寧に美しくまとめることができたので、生徒のみなさんは満足したようです。比較的簡単な内容であることも生徒の学習意欲を高めたようです。授業で指導していると、ともて理解度が高いので、思わず火山=火山岩、マグマだまり=深成岩まで教えてしまいそうでしたが、ぐっと我慢しました。やり過ぎはいけません。また、マグマの成分についても次回学習すればよいので、今回はスケールの問題に力点をおきました。

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