このページは中学校1年理科『地学』/takaの授業記録2002です

観察9 マグマの種類と火山の形
              
                   2002 11 14(木)
                   第2理科室

マグマの粘り気の違いによって、火山の形は3つに分類できる。
また、火山を形成する「岩石」の色なども関係している。


  (上:Aさんの学習プリント)


授業の流れ
1 本時のねらいを知る

 火山の形はマグマのねばりけによって3種類に分けられる
マグマの粘りけ 強 い 普 通 弱 い
火山の形 お椀をふせたよう 富士山のよう なだらかな丘のよう


2 教科書を読んで、文章中の重要語句や写真資料などを3つに分ける
 <生徒の様子>
 「教科書を読んでくれる人!」と声をかけると、「はい、はい、はぁ〜い。」と元気な声で何人も手を挙げる。その彼等に順番に読んでもらうと、読めない漢字がいくつか出てくるものの元気のある大きな声で読んでくれるので教室に活気が出てくる。ここまでは順調である。しかし、教科書の重要語句にアンダーラインを引かせてからが大変なのである。(理科では教科書を読む習慣がないので明言できないが、)教師に指示された部分にアンダーラインを正しく引けるのか疑問なのである。指示を2回出すことは当然であるが、3回、4回とくり返さなければならないことが多々あるからである。この学年(生徒)のカラーかも知れないが、こんなことは初めての経験なので戸惑ってしまう。

3 マグマの種類と火山の形についてまとめる
・ 教科書を参考にさせる
・ 理科便覧も参考にさせる
・ 火山のスケッチは写真でもイラストでも、それら両方でも良い
マグマの粘りけ 強 い 普 通 弱 い
火山の形 お椀をふせたよう 富士山のよう なだらかな丘のよう
噴火の様子 激しい
火砕流
中間(火山灰と溶岩のくり返し) おだやか(噴水のような噴火)
岩石(山)の色
マグマの温度 800度C 1000度C 1200度C
火山の例 雲仙普賢岳
昭和新山
浅間山
富士山
三原山
ハワイ(キラウェア)


(上:Bさんの学習プリント)


(上:Cさんの学習プリント)

4 ビデオを見る
・ ビデオは途中で静止させながらポイントを確認する
・ 特に、おだやかな噴火について何回も確認する必要がある

(上:マグマの粘性が低いので、教科書の表現によると『おだやか』となる)


(上:これも『おだやかな噴火』である)


(上:間近に観察できるのも『おだやかな噴火』の特徴である)


(上:ハワイなど大平洋沿岸に位置する火山はすべて『おだやか』な噴火)

 じゃあ『激しい噴火』とは何か。それは、マグマの粘性が高いために内部圧力が非常に高くなり火山の山頂部分を1000メートルにわたって吹き飛ばしてしまうような噴火、あるいは、噴火しないまま新しい地下からマグマがぐぐぐぐっと出てきて新しい山を作ってしまうようなことを指すのだと思う。私の考えでは、噴火を『おだやか』と『激しい』に分類することは適切ではないと思う。

評価基準
1 自然事象への関心・意欲・態度
 B 火山の形や噴火を、色鉛筆などを使って美しくノートにまとめることができる

2 科学的な思考
 B 火山の形や噴火の様子を、マグマの粘り気の違いから説明することができる

3 実験・観察の技能・表現
 B 火山の形や噴火の様子の違いを3つに分けてスケッチすることができる

4 自然事象についての知識・理解
 B マグマの粘り気によって火山の形を3つに分類することができる


授業を終えて
 粘性の低いマグマの火山活動を「おだやかな噴火」と表現するのは適切ではない。「真っ赤なマグマを噴水のように数10メートル吹き上げる激しいものであるが、数100メートルの近くまで近寄ってお弁当を食べながら観察しても安全な噴火」と説明したほうが分かりやすい。

 また、火山の噴火を撮影したビデオ映像は迫力あるものが多いので、生徒の興味関心を強くひくことが容易である。

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