このページは中学校1年理科『地学』/takaの授業記録2002です

 観察10 マグマの成分と火山噴出物
              
                   2002 11 15(金)
                   第2理科室

  標本『火山噴出物』があれば面白いのだが、本校にはないので少々残念だ。
  それでも、教科書や理科便覧の写真をスケッチすることを楽しんでいたし、
  最終的な理解度は高かったように思う。


 <授業の流れ>
 1 復習『地球の内部構造』

  ・ 中心から核、マントル、地殻の3つに分類される
  ・ マグマのできる位置(マントル上部)を確認する

  (上:A君の学習プリントから)

  (上:Bさんの学習プリントから)

 2 マグマの成分と火山噴出物
  ・ マグマが地殻をやぶって地表に出ると、いろいろなものになる
  ・ 次のように、大きく3つに分類される
火山ガス 水蒸気、二酸化炭素、二酸化硫黄は説明しなかった
砕せき物
(空からふってくるもの)
火山灰、軽石、スコリア(黒い鉄分を含む軽石)、火山弾、ペレーの毛、ペレーの涙(ハワイの火山には女神『ペレー』が宿る)
溶 岩 溶岩、硫黄、全ての金属(金、銀、銅)

  <ポイント>
  これまでに学習してきた『堆積岩(礫岩・砂岩・泥岩・チャート・石灰岩・凝灰岩)』
  以外は、すべて含まれると説明してもよい。

 3 演示実験『硫黄の状態変化』
  驚くべきことに生徒は『硫黄』を知らなかった。匂いも知らないのである。そこで
  急遽、試験管に硫黄を入れて過熱することにした。

  <演示方法>
  1) 適当量の硫黄(10グラム)を薬包紙にとる
  2) 大型の試験管に入れる
  3) ガスバーナーで熱する
  4) 試験管ばさみを利用するほど温度は高くならない

硫黄の融点と沸点

融 点 斜方硫黄 (融点 112.8度C) は、95.6 度Cで 単斜硫黄 (融点 119.0 度C) に 固相転移する。さらに過熱し200度C付近になると黒変し「ゴム状硫黄」となる
沸 点 445度C

  5) 液化した硫黄を観察させる
  6) 固相転移した硫黄を観察させる
  7) 沸騰している硫黄を観察させる
  8) 試験管の口を下にして、細粒状の硫黄が出てくるのを観察させる
   → 試験管内に付着した不純物と化合して有毒物質を生成することがあるので
    注意する

  9) 硫黄の匂いを嗅がせる
   → 自然に教室中に広がっていくが、希望者には校庭で匂いを確認させる
   

   上:校庭で硫黄の匂いを嗅ぐ生徒)
  → 別ページに『
演示実験:硫黄の状態変化』詳細がありますので、是非ご覧ください

 4 生徒実習
 <課 題>
  1) 硫黄と火山灰(桜島)をプリントに添付する
  2) 溶岩、軽石、火山弾をスケッチする
  3) 発見・感想をまとめる
火山噴出物 特 徴(スケッチのポイント)
溶 岩 マグマそのもの
軽 石 無数の小さな穴(水蒸気、二酸化炭素などの火山ガスが出ていく時にできた)
火山弾 丸みを帯びている (空気中で固まったので表面張力が働いた)
ひび割れ (急冷したためにできた)
火山灰 灰 (全てのもの・色が混ざっている)

  ◎ Bさんの学習プリント

  ◎ C君の学習プリント




 <評価基準>
 1 自然事象への関心・意欲・態度
  B 硫黄と火山灰をプリントの添付することができる

 2 科学的な思考
  B マグマの成分や火山噴出物の共通点について考察することができる

 3 実験・観察の技能・表現
  B 火山噴出物の特徴をとらえてスケッチすることができる

 4 自然事象についての知識・理解
  B マグマの成分と火山噴出物を正しく分類することができる


授業を終えて
 最近の子供は硫黄を知らない。小学校でも学習していないので吃驚した。マッチも使わないし、使ったとしても硫黄を含まないマッチなので参ってしまう。温泉の匂いといってもピンとこないし・・・。そうそう、「天白川の腐った匂い」と話をしたら生徒が反応したことは驚いた。近い将来、清流の天白川に戻ることを期待しています。

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