このページは中学校2年理科『生物』/takaの授業記録2003です

観察14 血液と血管
              
                   2003 12 
                   各教室


授業の流れ
1 体循環と肺循環の復習から
 <説明の例>
 「心臓を4つに仕切って復習しましょう。テスト出題予告の部分を覚えていますか? はいはいはい、そうです。左心室です。その前に、こうした人体モデルの場合、左右がどうなっているか確認しましょう。人体は、私達に向き合っているように書かれているので左右逆でした。左右を書きましょう。こちらが・・・左、こちらが・・・右。だから、左心室はこちらの上、下、どっち?」
 「そうですね。下です。ここから1番元気な血管が体全体に血液を送っているのですが、その血管の名前を覚えていますか?」
 「そうです。大動脈です。心臓の下に『体全体の細胞』と書いて、血管をつなげます。そして、戻ってきた血管、大静脈を心臓につなげるのですが、心臓のどの部分に戻ってくるか分かりますか。予習してきた人はいますか?」
 「少しいますね。では、A君。」
 「そうです。右上の部分、右心房に戻ってきます。そして、戻ってきた血液は、そのまま心臓内部を通って下に降り、右心室から肺へ送られます。肺で二酸化炭素と酸素を交換され、心臓に戻ってきて、また全身に送られます。では、ここまで丁寧にスケッチして下さい(図1)。」

→ 左の画像をクリックすると書き込まれます

図1 血液の体循環と肺循環


2 心臓と4つの血管
 心臓のつくりだけを復習します。

 <説明の例>
 「心臓の4つの部屋には太い血管がついていますが、それについてまとめます。前回の学習プリントがある人は、それに追加して下さい。忘れた人は今日のプリントに書きましょう。まず、大動脈はいいですね。そして、戻ってくる血管はここについていますが、その名前は、全身から静かに戻ってくるので大静脈と言います。そして、残る2本の名前は、次のようにして覚えましょう。両方とも肺についているの、肺○脈。真ん中には、動か静が入ります。どちらか分かりますか。肺へ血液を送る方が動、肺から戻ってくる方が静です。では、プリントに書いて下さい。書けた人で、黒板に発表したい人はお願いします。」

図2 心臓と4つの血管


 図2と図3は、生徒が心臓のつくりをまとめたものです。図2では、左心室と大動脈が強調されています。図3では、よごれた血液として水色で表現されている静脈血の動き(右心房から右心室へ)が分かりやすく書かれています。

  
図3 血液の体循環と肺循環

3 血液の成分

説明例
 血液を試験管に入れてほかっておくとどうなるか知っていますか。固まると思いますか。少ない量の血液ならそのまま固まってしまいますが、牛乳瓶1本分ぐらいの量になると、血液の成分が分離します。とくに、酸素に触れないようにふたをしておくと、完全に2つの成分に分離します。ここまでを黒板に書いてみましょう(図4の下半分)。

 下半分にはどろどろの赤い液体がたまりますが、上半分は透明になります。水のように無色透明ではなく、うっすらと黄色がついていますが透明です。ちょっと驚きですが、血液の半分は薄黄色透明の液体なのです。この水の中には酸素や二酸化炭素やビタミンや栄養分など体にとって必要なものが全て含まれています。組織液と言います。運動をした後に水ではなく、スポーツドリンクを飲む人がいますが、この組織液は最高のスポーツドリンクです。飲む気はしないと思いますが・・・

 そして、下半分に沈澱した固体には、3つのものがあります。それらは赤血球、白血球、血小板と呼ばれます。


図4 上:血液成分、下:血液を放置した時の変化

 次に血液成分について、図4の上半分と図5を参考にして説明をします。


図5 B君がまとめた血液成分

4 心拍数を測定する
 自分の心拍数を測定してみましょう。とても簡単な測定ですが、生徒の興味関心度は高いです。図6と図7を比較すればわかるように、心拍数は生徒によって大きく違います。時間に余裕があるなら、全員の心拍数を発表させ、黒板にまとめても良いでしょう。


図6 C君の1分間あたりの心拍数


図7 D君の1分間あたりの心拍数

測定するときの留意点
・ 左手または右手で、逆の手首を押さえる
・ 強く押さえなくても良い
・ 首の付け根で測定しても良い
・ 話をしたり笑うと心拍数が上がることを知らせる

5 本時のまとめ
 E君は、無数の細胞の中を走る毛細血管とリンパ管を立体的に表現しました(図8)。毛細血管とリンパ管そのものも細胞で表現されている。また、毛細血管の中には養分と不要物が流れている。また、Fさんは実質的な側面からまとめてあります(図9)。


図8 細胞の中を走る毛細血管とリンパ管


図9 Fさんの学習プリント


◎ Gさんの学習プリント

◎ Hさんの学習プリント


授業を終えて
 ゆっくりと授業を進めました。血液の循環(体循環と肺循環)の復習もしっかりしました。

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