このページは、Mr.Taka による中学校理科の授業記録:物理学 2年(2003年度)です

実験8 合成抵抗
              
                   2003 7
                   各教室

 今日は教室での学習です。学習指導要領によれば指導する必要はないけれど、入試の時、これを知っていると助かることが多々あるので、しっとりした夏休み前の時間を使って学習することにしました。

<本時のねらい>
 直列につないだ2つの抵抗、および、並列につないだ2つの抵抗の合成抵抗を計算できるようにする。これができた生徒には、3つ以上の抵抗、直列と並列を組み合わせた回路全体の抵抗にチャレンジさせる。

<授業の流れ>
1 オームの法則の復習
2 抵抗の求め方の復習
3 合成抵抗の求め方
4 練習問題
5 本時のまとめ




オームの法則の復習

 合成抵抗について学習する前に、3オームと2オームの抵抗で復習しておきます。

 
この後、これら2の抵抗の直列つなぎと並列つなぎの合成抵抗を求めます。

合成抵抗の説明例
 「抵抗を2つつないだ場合、回路全体の抵抗がどうなるか計算してみましょう。説明は約10分です。とても簡単な計算と、ちょっと難しい小学校で習った分数の足し算の2つがあります。では、さっそくやってみましょう。」
 「まず、学習プリントを左右に分けます。そして、左は抵抗を2つ横に並べて、右は抵抗を2つ縦に並べてつなぎます。では、先生が黒板に書くのと同じように書いて下さい。この下には、それぞれの計算方法を書くのでスペースを空けておいて下さい。」
 「みなさん書けたようですね。どれどれ、・・・、あっ、しまった。どちらが直列で、どちらが並列か書くのを忘れていました。A君、ちょっと教えて下さい。・・・そうですね。左が直列つなぎ、右が並列つなぎです。」
 「次に、2つの抵抗に抵抗値を書きましょう。そうですねえ。簡単な数字が良いので、2オームと3オームにしましょう。」
 
 「さっそく問題です。この2つのつなぎ方のうち、合成抵抗が5オームになるのは、どちらでしょうか? 両方とも5にはなりません。同じだったら、違うつなぎ方をする意味がありませんからね。さあ、全員答えてもらいます。間違っていても良いですから、まず、答えて下さい。簡単にヒントをあげますと、抵抗とは、電流の流れにくさですから、素直に流れにくくしている回路が2+3=5になります。では、相談なしで30秒考えて下さい。」

 「正解は、並列つなぎ! ではなくて、直列つなぎです。理由は、電流の気持ちになれば分かります。直列つなぎの場合、電流さんが流れようとしているのですが、意地悪する抵抗が2つあります。抜け道がないので、必ず、2オームと3オームを通らなければなりません。やっと、2オームをやっと通り抜けたと思ったら、また、3オームいじめられることになります。ですから、全体の抵抗は、2+3=5で、5オームになります。」

直列つなぎの計算

 「計算式で書きましょう。」

 「2+3=5。答えは5オーム。以上です。終了です。簡単ですね。一言コメントしておきますと、電流さんは、やられっぱなし、ということです。」


並列つなぎの計算

 「では、並列つなぎはどうなるでしょうか。5になりません。同じように2+3で5になるなら、つなぎ方を変える必要はありませんからね。じゃあ、どうやって計算するかと言うと、やはり、2と3を足すことは同じです。ただし、そのまま足すのではなく、2と3を逆数にして足します。」

 「逆数とは、2なら1/2、3なら1/3のように、分母と分子を逆にした数のことです。ですから、この場合、2+3ではなくて、1/2と1/3を足して下さい。みなさん、できますか? できる人は立候補して下さい。」

 
「はい、よくできました。2と3の最小公倍数6を分母にしてから分子を足せば良いので、5/6ですね。」実際は丁寧な説明が必要ですが、省略させて頂きます。


自信がない生徒(6割)
できない生徒(2割)

 
 「答えは、5/6でも良いような気がしますが、答えも逆数になります。つまり、5/6の逆ですから、答えは6/5です。」

 「で、理科は分数はいけませんから6/5を計算すると、1.2。 答えは、1.2オームになります。」

 「並列つなぎの考え方としては、道が2つあるので、電流さんが逃げ道を選べると考えて下さい。つまり、嫌がらせ、抵抗が減ります。直列では2回抵抗を受けるのですが、並列では逃げ道があるのです。」




合成抵抗の求め方の説明は以上です。



 

◎ 抵抗の復習
 抵抗の単位、および、回路図に使う記号。これらについては技術科でも学習済みである。

◎ 練習問題の例
 ポイントは、同じ抵抗値の抵抗を使って問題を作ることでしょう。また、右の一番下では、抵抗0を入れることによって、興味深い結果が出ている。直列回路は、6+1+0=7だけれど、並列回路は、0になる。この問題については、生徒から質問が出ない限り、積極的に取り上げない方が混乱を招かないと思う。

  ◎ A君の学習プリント


授業を終えて
 生徒は高い理解度を示していたし、学習塾に通っている生徒は、他の計算方法を知っていた。いずれにしても、生徒が互いに教えあう時間を雰囲気を作ることが重要です。とくに、分数の足し算については、すっかり忘れていたり自信を失っている生徒が半数近くいるので、練習問題の時間を有効に使えるようにして下さい。

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