このページは、Mr.Taka による中学校理科の授業記録:物理学 2年(2003年度)です

 実験12 右手の法則2
              
                   2003 9 12(金)
                   第1理科室

  ページの表題は『実験12』にしてしまったが、実際は机上説明と問題練習だけである。
  申し訳ない。

  
  (上:Aくんの学習プリント)

  <今日のポイント>
  ・ 前時の復習は混乱を招くので、してはいけない。
  ・ なぜなら、前時は親指が『磁界』だったのに、本時は『電流』になってしまうからである。
  ・ 本時の練習問題をたっぷりやった後に、復習としてまとめるなら悪くはないが、
  ・ 左手の法則まで学習した後に、全部のまとめとして再確認する方が効果的である。
  → さらに、詳細に解説すると、理解度の高い中学校においては『右手の法則』を1時間で指
  導し(条件によって、親指の役割が『磁界』あるいは『電流』に変わること)、その次の1時
  間を検証実験や問題練習にあてるほうが効果的である。しかし、理解速度が遅い場合は、本実
  践のように2時間で指導し、親指の役割が変わることについては「知らんふり」をして、単元
  のおわりにまとめる方が良い。また、理解度が中程度の学校においては、『右手の法則』を2
  時間で完了し、その中で親指の役割が変わることまでまとめた方が良い。なお、学習意欲や理
  解速度は、授業の途中に行う練習問題によって判断できる。生徒から、親指の役割が変わる矛
  盾について質問がでるようなら、一気にその場でまとめる。とくに疑問を持たないようなら、
  本実践と同じ手順で指導すれば良い。絶対に教師側から説明してはいけない。指導手順は、こ
  の自発的な学習意欲の量(質問の有無)によって判断すること。


 <授業の流れ>
 1 一直線に流れる電流のまわりの磁界(右手の法則2)

  <説明の例>
  「前の時間は、電流がぐるぐる回るコイルについて調べましたが、今日は一直線に流れる電流
  を調べます。では、右手を出して下さい。親指を立てます。親指が電流なので、上に流れる場
  合から調べましょう。磁界は電流の周りをぐるぐる渦巻くように発生しますが、その方向は4
  本の指であらわされます。その様子を黒板に書くので、その方向を「あ」か「い」で答えて下
  さい。みなさんも、下の図を見て答えて下さい。

  「それでは全員に答えてもらいます。あ、だと思う人?」
  「・・・」
  「い、だと思う人?」
  「はい、正解です。蛍光灯を電流だとすると、こんな感じなります。」
 
 「さて、この図をプリントに書いてもらいますが、イメージとしては紙に穴を空け、それに蛍光灯を通しと考えて下さい。それに、4個の方位磁針を置いた図を書くので、先生が書いているのをよく見て、それが理解できた人から自分のプリントきなさい。」

 「太い導線を書いて、下をプラスにして、穴を空けた紙を書きます。それに、左・手前・右・奥に方位磁針を置いて、その方向を調べます。はい、ここまで書きなさい。」
 

  「ここまで書けた人で、分かる人は方位磁針の方向を書き込みなさい。」

  
 2 導線を横にする(1の続き)
  「次に、導線を横にします。左がプラスだとすると電流は、「あ」「い」どちらの方向にな
  りますか。」
  「そうですね。「あ」になります。」
  ※ 説明の手順は『1』とほぼ同じです。
  
  (上:鉄棒で、逆上がりをするときの持ち方『逆手』です。)


  (上:C君の学習プリント)

 

   (上:Aさんの学習プリント)

 3 練習問題(個人で)

  問題プリントを使って、本時の学習内容をやらせます。問題を解く時間は、数分間にします。
  テンポよく黒板に答えを発表させることで、自分で考える時間・答え合わせをする時間・友
  達と教えあう時間のメリハリができます。
  
  (上:できた人から発表させるようにした。)

 ◎ Dさんの学習プリント


 <評価基準>
 1 自然事象への関心・意欲・態度
  B 学習プリントを丁寧かつ正確にまとめることができる

 2 科学的な思考
  A 一直線に流れる電流まわりの磁界を立体的に把握することができる

 3 実験・観察の技能・表現
 4 自然事象についての知識・理解
  B 一直線に流れる電流まわりの磁界の関係を正しく指摘することができる
   (右手の法則)


  授業を終えて
  もっとも丁寧な指導手順なので、授業直後の生徒の感想は良い。あとは家庭での復習を
  待つしかない。

  また、演示用実験装置がある学校は、生徒が問題練習を解いているときの空き時間を使
  って、班単位の説明を行うと理解度が高くなる。

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