世界各地の電源(電圧と周波数)/takaの授業記録2003/福地孝宏

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世界各地の電源(電圧と周波数)

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 世界各地の電源のほとんどは『交流』です。乾電池は+と−が決まっている『直流』なので、間違えて乾電池を入れると働きません。しかし、交流はどちらでも構いません。+と−が交互に変わるからです。

 電流の向きが変わる回数は1秒(1分ではありません)で数え、その回数を『周波数』といいます。具体的には、50回と60回の2つです。統一されていれば問題ないのですが、発電機の都合で2種類になってしまったようです。ヘルツ(Hz)は、1秒間に変わる回数を表わす単位です。
<例>
 1Hz: 1秒間に1回変わる
 2Hz: 1秒間に2回変わる
 5Hz: 1秒間に5回変わる

電子(電気の粒)を押し出す圧力を『電圧』といいます。海外旅行すると、電気製品が使えなくなる場合がありますが、その原因がこれです。日本では100V(ボルト)の圧力で電子を押し出していますが、海外諸国では220V以上になっていることが多いので、機械が壊れてしまいます。

では次に、主な世界各地の電源について調べてみましょう。
周波数、電圧とも高い順位に並べてみました。

         
周波数
(ヘルツ)
電圧
(ボルト)
60 240/230 フィリピン
240/120 カナダ
230/127/120 メキシコ
220 ペルー
220/127 ブラジル
220/110 台湾、大韓民国
150/120 コロンビア
120 アメリカ合衆国、ベネズエラ
50 250/240 オーストラリア
250/230/220 南アフリカ
240 ケニア、マレーシア
240/230 イギリス、ニュージーランド
240/230/115 インド
240/120 フィジー
230 アイスランド、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、ポルトガル、タンザニア、ナイジェリア
230/220/127 インドネシア
230/127 ドイツ、フランス、ベルギー
230/120 フィンランド
230/115 シンガポール
220 ハンガリー、エジプト・アラブ共和国、エチオピア、ザイール、アルゼンチン、チリ、タイ、イラク、イラン・イスラム共和国、トルコ
220/200 香港
220/127 スペイン、ロシア、アルジェリア
220/125 イタリア
220/110 ブルガリア、中国
60/50 100 日本

 <雑 感>
 となると、日本の特異性が際立っています。電圧が100Vの国は他にありません。世界最低の電圧です。また、周波数が2種類あるのも日本だけです。さて、ここからは私の推測ですが、かつて国外から発電機が入ってきた時、日本人の高い技術力を恐れた当時の欧米諸国が、日本の高い技術力を恐れ、わざと電圧の低いもの(発電機)を輸出した。しかし、日本人は低い電圧に合わせて製品開発を努力した結果、さらに技術力が高くなった。また、海外の家電製品は高電圧なので、それを電圧の低い日本向けに改良するのは技術的に難しい。以上2点において、当時の諸外国は大きな誤算をしたのではないか、と考えています。もし、真相を御存じの方がいましたら、教えて下さい。

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