このページは中学校2年理科『物理』/takaの授業記録2003です |
世界各地の電源(電圧と周波数)
→ 授業記録『実験16 電流による発熱』へ戻る 世界各地の電源のほとんどは『交流』です。乾電池は+と−が決まっている『直流』なので、間違えて乾電池を入れると働きません。しかし、交流はどちらでも構いません。+と−が交互に変わるからです。
電流の向きが変わる回数は1秒(1分ではありません)で数え、その回数を『周波数』といいます。具体的には、50回と60回の2つです。統一されていれば問題ないのですが、発電機の都合で2種類になってしまったようです。ヘルツ(Hz)は、1秒間に変わる回数を表わす単位です。
<例>
1Hz: 1秒間に1回変わる
2Hz: 1秒間に2回変わる
5Hz: 1秒間に5回変わる電子(電気の粒)を押し出す圧力を『電圧』といいます。海外旅行すると、電気製品が使えなくなる場合がありますが、その原因がこれです。日本では100V(ボルト)の圧力で電子を押し出していますが、海外諸国では220V以上になっていることが多いので、機械が壊れてしまいます。
では次に、主な世界各地の電源について調べてみましょう。
周波数、電圧とも高い順位に並べてみました。
周波数
(ヘルツ)電圧
(ボルト)国 60 240/230 フィリピン 240/120 カナダ 230/127/120 メキシコ 220 ペルー 220/127 ブラジル 220/110 台湾、大韓民国 150/120 コロンビア 120 アメリカ合衆国、ベネズエラ 50 250/240 オーストラリア 250/230/220 南アフリカ 240 ケニア、マレーシア 240/230 イギリス、ニュージーランド 240/230/115 インド 240/120 フィジー 230 アイスランド、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、ポルトガル、タンザニア、ナイジェリア 230/220/127 インドネシア 230/127 ドイツ、フランス、ベルギー 230/120 フィンランド 230/115 シンガポール 220 ハンガリー、エジプト・アラブ共和国、エチオピア、ザイール、アルゼンチン、チリ、タイ、イラク、イラン・イスラム共和国、トルコ 220/200 香港 220/127 スペイン、ロシア、アルジェリア 220/125 イタリア 220/110 ブルガリア、中国 60/50 100 日本 <雑 感>
となると、日本の特異性が際立っています。電圧が100Vの国は他にありません。世界最低の電圧です。また、周波数が2種類あるのも日本だけです。さて、ここからは私の推測ですが、かつて国外から発電機が入ってきた時、日本人の高い技術力を恐れた当時の欧米諸国が、日本の高い技術力を恐れ、わざと電圧の低いもの(発電機)を輸出した。しかし、日本人は低い電圧に合わせて製品開発を努力した結果、さらに技術力が高くなった。また、海外の家電製品は高電圧なので、それを電圧の低い日本向けに改良するのは技術的に難しい。以上2点において、当時の諸外国は大きな誤算をしたのではないか、と考えています。もし、真相を御存じの方がいましたら、教えて下さい。→ 授業記録『実験16 電流による発熱』へ戻る